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都政の構造改革note、2年目のおさらい

都政の構造改革推進チームのnoteはこのたび、2020年10月9日の開設から「2周年」を迎えました。いつもご愛読いただきありがとうございます。

構造改革推進チームnote担当の西田です

「東京が変わる。そのために都政が変わる。」を合言葉に、新型コロナウイルスがもたらした社会変革の波が大きなうねりとなって押し寄せる中、構造改革推進チームが立ち上がった2020年8月28日から2年以上が経ちました。

私たちは「note」というメディアを通じて、2年間のそれぞれの職員一人ひとりの「実践」をどうすれば一人でも多くの方に知っていただき、「応援」していただけるか考え、試行錯誤しながら発信を続けてきました。その結果、この2年間で35万PV、6,200を超える「スキ」、そして2,260を超える方にフォローいただいております。いつもありがとうございます。

2020年10月の「5つのレス」徹底方針から2022年9月の「GovTech東京」設立構想に至るまで、職員が一丸となって進めてきた2年間の改革の「実践」を通じて、noteでお伝えする都庁の働く「風景」が変わり、そして、見えてくる「課題」も変わってきました。

note2周年の機会を捉え、「シン・トセイ」の2年目の取組をnote記事でおさらいします。気になる取組があればぜひクリックしてご覧ください。

■「5つのレス」で仕事の進め方を変革する

2020年10月、私たちはペーパーレス、FAXレス、はんこレス、キャッシュレス、タッチレスの「5つのレス」の徹底に関する方針を打ち出し、「紙・はんこベース」の都庁の仕事の進め方を「オンライン・デジタルを原則」とする環境へ抜本的に転換することにしました。

2年間の実践を経て、2021年度末にはペーパーレス55%削減FAXレス99%削減、起案文書の電子決定率99%、押印廃止5,200件、都民利用78施設すべてで入場料等のキャッシュレス化完了など、当初の目標を達成する形で結果が数字として表れてきました

■オープンデータ・ハッカソンが生み出した「好循環」

都庁を外部に「オープン」にし、行政への新しい「参加」の形を作ることで「イノベーション」が生まれる。2021年度初めて開催した「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」を通じたサービスの創出は、そんな新しい「協働」の一つのモデルになりました。

ハッカソンでは「都知事杯」として表彰するだけでなく、提案されたサービスのリリース支援まで行い、その結果、昼食難民とキッチンカーをマッチングさせるサービス、入りやすい保育園マップなど、都民のサービス向上に寄与する3件のサービスが東京都のオープンデータから生み出されました。

また、イベントを通じて明らかとなったニーズをもとに、データ公開の輪がほかの自治体にも広がり、オープンデータの好循環が生まれています。

■「テストしないものはリリースしない」

デジタルサービスの開発過程を「オープン」にする新しい取組も始めました。都庁職員向けに「ユーザーテストガイドライン」を作成し、都庁で開発するあらゆるデジタルサービスを対象として、リリースの前や後にサービスの使い勝手をユーザーに試してもらい、問題点や改善点を発見する「ユーザーテスト」の実践を徹底することにしました。

合言葉は「テストしないものはリリースしない」です。このガイドラインをもとにグループインタビュー形式でユーザーテストを実践してみたところ、耳の痛いご意見も多く寄せられましたが、多くの発見がありました。

現在、東京都のデジタルサービスが使いにくいために、ユーザーのみなさまからお叱りの声をいただくことも多々あります。今年度は100件のユーザーテストの実践を目標とし、ユーザーの声を聞くことを徹底します。

■ワンチームでスタートアップとの協働を進める

スタートアップとの協働は大きく取組を飛躍させました。

これまでは、都政課題を解決するためのスタートアップ企業のピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」や、スタートアップ製品の実証から海外展開までを支援する「キングサーモンプロジェクト」などを通じて、都政現場へのスタートアップ製品の導入、実装を進めてきました。

2022年8月には、スタートアップ戦略を新たなステージに突入させるため、「Tokyo with STARTUP」を発表し、庁内のスタートアップ施策の窓口を一本化して局横断の「Team Tokyo Innovation」を立ち上げ、「いつでも会える都庁」をキーワードとして、西新宿の都庁舎を飛び出し、スタートアップが集まるCIC Tokyoに東京都の事務所を「出島」として構えることにしました。

「Team Tokyo Innovation」は活動を開始したばかりです。この2年間を通じて、ようやく「構え」は整いました。イノベーションの創出に向け、これからその真価が問われることになります。

■「自分たちのオフィスは自分たちで作る」

「未来型オフィス実現プロジェクト」では、「自分たちのオフィスは自分たちで作る」を合言葉として、事業者任せで一律に同じオフィスを作るのではなく、それぞれの部署の職員が、自分たちの仕事内容に合わせて働きやすいオフィスを自分たちで考え、作り上げていくことで「新しい働き方」を実現することを大事にしています。

環境局の自然環境部では、職員でオフィス整備のPTを作り、部のシンボルとしてテントを中央に配置したり、都民対応窓口を可動式のテーブルで構成することで来庁者の人数に合わせて柔軟に対応できるようにするなど、自分たちが働きやすいようオフィスを整備しました。

■それぞれの都政現場で進む変革

それぞれの都政現場でもDXが進んでいます。

新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立つ保健所では、業務と並行しながらデジタル化を進め、感染の波とあわせて増え続ける業務をどのように効率化できるか試行錯誤を続けてきました。

中央卸売市場で衛生監視を行う福祉保健局の事業所「市場衛生検査所」では、ノーコード/ローコードツールにより都庁職員自ら作成したアプリを用いて、デジタル人材と協力しながら、これまで紙とペンで行っていた豊洲市場の水産物の衛生監視業務をタブレットとタッチペンに置き換えました。都庁でも知る人ぞ知るプロジェクトでしたが、note記事をきっかけに多くの方に知っていただくことができました。

東京都農林総合研究センターでは、スタートアップ企業と連携して農作業スケジュール管理アプリを作成するなど、農業分野でもDXが進んでいます。

こうした都政現場の地道な取組にも光を当て、新たな挑戦を称賛し「ほめあう文化」を作るため「都庁DXアワード」も設立しました。

■デジタル人材との共創のために

デジタル組織・人材についても新たな展開がありました。

2022年2月にデジタル人材の確保・育成に関する基本方針を策定し、「デジタルスキルマップ」を用いたデジタル人材の確保・育成策に加え、すべての都庁職員を対象としたリテラシー向上や5年間で5,000人の職員のリスキリングなどを打ち出しました。2022年5月には「東京デジタルアカデミー」を開講し、職員が学び続けられる環境を整えました。

さらに、内側から変わってきた都庁を更に外に向かってオープンにし、都庁内部と外部の力を掛け合わせることでこれまでの延長線上ではない発想で政策を生み出していく「政策イノベーション」の仕掛けの一つとして、2022年9月に「GovTech東京」設立構想を発表しました。

都政の構造改革のこれから

改革が進むにつれ、見えてくる課題の「質」もより深く、本質的なものになってきています。2022年7月に発表した「シン・トセイ加速化方針2022」では、事業展開のスピードアップ、スタートアップとの更なる協働、サービスデザインの徹底、都庁組織の活性化など、「政策イノベーション」を新しいキーワードとして、本質的な「変革」に向けた方針を打ち出しました。

一方、デジタルに関する職員の満足度は「25%」で不満の「32%」を下回っており、デジタルに関する都民の満足度も「25%」で、海外の先進都市と比較してまだまだ低い水準にあります。

都庁の職員が日々の仕事をする中で思いついたアイデアを改革に直接取り入れるためのツール「デジタル提案箱」も活用しながら、新しい加速化方針に基づき、シン・トセイは歩み続けていきます。

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こうした私たちの改革の取組をみなさまにお伝えするために始めた「note」もこの2年間で読者のみなさまに大きく育てていただきました。

私たちのnoteでの発信を「ビュー、スキ、フォロワー」の数値の動きから振り返ったこの記事が話題となり、note社さんのイベントに宮坂副知事と登壇させていただくことになりました。

イベントでは「顔の見える情報発信」の先に「会いに行ける情報発信」があるんだ、と言ってみましたが、実際にイベントで視聴者のみなさまと直接対話することができて多くの気づきがありました。TwitterやYouTubeでいただいたコメントはすべて読ませていただき、発信の参考にしています。

また、イベントでお話した「ジョハリの窓」「高札」のことは今でもいろんな方に話題にしていただけてとても嬉しく思っています。ご覧いただきありがとうございました。

すべての仕事の裏には「ひと」がいます。

noteではテーマの発掘から記事の作成、見出し画像のデザインまですべて職員自ら行うことが大事だと思い、実践しています。これからも仕事の裏にいる職員一人ひとりの思いも含めて「顔の見える発信」を続けていきますので、引き続きご愛読いただき、都政の構造改革を応援していただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

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(参考)1年目のおさらいはこちら