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6 - 賦得躬桑(2/2)
菅家文草(菅原道真)
「躬桑を賦することを得たり」
舉手頻鳴珮
低頭更滿筐
和風桃李質
暖氣綺羅粧
願助飢蠶養
成功供廟堂
「后妃の手があがると、しきりに珮(おびたま)が鳴る。頭を垂れて箱を桑で満たす」(1-2)
「おだやかな風が吹き、后妃は桃李の花のように見える。あたたかな気候のもと、美しい装いである」(3-4)
「願わくば飢えた蚕にたくさん桑を食べさせて、できたまゆを廟堂に供えたいも
6 - 賦得躬桑(1/2)
菅家文草(菅原道真)
「躬桑(きゅうそう)を賦することを得たり」
宮闈修內禮
春事記躬桑
候節時无誤
齋心採不遑
鉤留枝掛月
粉落葉凝霜
宮闈(きゆうゐ) 內禮(だいれい)を修む
春事(しゆんじ)躬桑(きゆうさう)を記(しる)す
節(せつ)を候(ま)ちて 時(とき)誤(あやま)つことなし
心を齋(つつし)みて 採(つ)むこと遑(いとま)あらず
鉤(すみかぎ)留(とど)まりて 枝 月を
5 - 賦得詠靑(2/2)
菅家文草(菅原道真)
「青を詠ずということを賦し得たり」
水衣苔自織
天鑑霧无迷
髣髴佳人家
潺湲道士溪
鋪蒲今未奏
紋竹古應稽
故意霞猶聳
新名石欲題
明經如拾芥
迴眼好提撕
水衣(すいい) 苔 自(おのづか)らに織る
天鑑(てんかむ) 霧 迷(まど)ふことなし
髣髴(はうふつ)たり 佳人(かじん)の家
潺湲(せんくわん)たり 道士の溪(たに)
蒲(がま)を鋪(し)けども 今(いま
5 - 賦得詠靑(1/2)
菅家文草(菅原道真)
「青を詠ずということを賦し得たり」
正色重冥定
生民万里睇
寄書仙鳥止
干呂瑞雲低
馬倦經丘岳
車疲過坂泥
雨晴山頂遠
春暮草頭齊
井記鳧張翅
田看鶴作蹊
正色(せいしよく) 重冥(ちようめい) 定まる
生民(せいみん) 万里(ばんり) 睇(み)る
書を寄せむとして 仙鳥(せんてう) 止(とどま)る
呂(りょ)に干(ふ)れむとして 瑞雲(ずいうん) 低(た)れり
4 - 賦得赤虹篇(2/2)
菅家文草(菅原道真)
「赤虹の篇を賦し得たり」
千丈綵幢穿水底
一條朱旆掛空中
初疑碧落留飛電
漸談炎洲颺暴風
遠影嬋娟猶火劍
輕形曲橈便彤弓
如今尚是樞星散
宿昔何令貫日怱
問著先爲黃玉寶
刻文當使孔丘通
千丈(せんじやう)の綵幢(さいたう) 水底(すいてい)を穿(うが)ち
一條(いつでう)の朱旆(しゆはい) 空中(くうちう)に掛(かか)る
初めは疑ふ 碧落(へきらく)に飛電(ひでん)
4 - 賦得赤虹篇(1/2)
菅家文草(菅原道真)
「赤虹の篇を賦し得たり」
陰陽燮理自多功
氣象裁成望赤虹
擧眼悠悠宜雨後
迴頭眇眇在天東
炎凉有序知盈縮
表裏無私弁始終
十月取時仙雪絳
三春見處夭桃紅
雪衢暴錦星辰織
鳥路成橋造化工
陰陽 燮(やはら)ぎ理(をさま)りて 自らに功多し
氣象(きしやう) 裁(つく)り成して 赤虹(せきこう)を望む
眼(まなこ)を擧(あ)ぐれば 悠悠(いういう)として雨の後(のち)に
3 - 殘菊詩(2/2)
菅家文草(菅原道真)
「殘菊の詩」
低迷馮砌脚
倒亞映欄頭
霧掩紗燈點
風披匣麝浮
蝶栖猶得夜
蜂採不知秋
已謝陶家酒
將隨酈水流
愛看寒晷急
秉燭豈春遊
低(た)れ迷(まど)ひては 砌(みぎり)の脚に馮(よ)る
倒れ亞(た)れては 欄(おばしま)の頭(ほとり)に映る
霧(きり)掩(おほ)いて 紗燈(さとう)點(てむ)ず
風(かぜ)披(ひら)きて 匣麝(かふじや)浮(うか)ぶ
蝶(て
3 - 殘菊詩(1/2)
菅家文草(菅原道真)
「殘菊の詩」
十月玄英至
三分歲候休
暮陰芳草歇
殘色菊花周
爲是開時晚
當因發處稠
染紅衰葉病
辭紫老莖惆
露洗香難盡
霜濃艶尚幽
十月(しふぐゑつ) 玄英(ぐゑんえい) 至る
三分(さむぶん) 歲候(せいこう) 休(きう)す
暮陰(ぼいむ) 芳草(はうさう) 歇(つ)く
殘色(ざんしよく) 菊花(きくか) 周(あまね)し
これ開(さ)く時