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6 - 賦得躬桑(1/2)

菅家文草(菅原道真)

「躬桑(きゅうそう)を賦することを得たり」

宮闈修內禮
春事記躬桑
候節時无誤
齋心採不遑
鉤留枝掛月
粉落葉凝霜

宮闈(きゆうゐ) 內禮(だいれい)を修む

春事(しゆんじ)躬桑(きゆうさう)を記(しる)す

節(せつ)を候(ま)ちて 時(とき)誤(あやま)つことなし

心を齋(つつし)みて 採(つ)むこと遑(いとま)あらず

鉤(すみかぎ)留(とど)まりて 枝 月を掛(か)く

粉(しろきもの)落ちて 葉 霜を凝(こら)す


「后妃は宮廷で礼を修めるが、春になるとみずから桑を摘みとる」(1-2)

「時候が来るのを待ち、それを誤ることはない。心をつつしんで、いとまなく桑を摘む」(3-4)

「手かぎが引っかかって、枝が月に掛かるかのようだ。花粉が落ちると、葉には霜が降りたかのように見える」(5-6)

宮闈(きゅうい):宮中の奥殿。后妃のいるところ。
遑:いとま

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