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読書感想文【自分の中に毒を持て】岡本太郎著

こんにちはコウカワシンです。

今回は、岡本太郎(おかもと・たろう)さんの著書【自分の中に毒を持て】から学ばせていただきます。

岡本太郎さんといったら、1970年開催の大阪万博で建造された『太陽の塔』や、テレビCMでの「芸術は爆発だ!」で有名ですよね。

そんな岡本さんの著書【自分の中に毒を持て】は、わたしにとっての愛読書として何回も読み気持ちを新たにしてくれます。

【自分の中に毒を持て】がどんな本かというとズバリ!「現状維持に満足するな!」と発破をかけてくれる自己啓発書です。

いつも興奮と喜びに満ちた自分になろう!

いのちを賭けて運命と対決するのだ。

そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。

己が最大の味方であり、また敵なのである。

【自分の中に毒を持て】見開きページ

これが本書の冒頭にある言葉です。

この言葉こそが岡本イズムであり、本書の副題である「あなたは“常識人間”を捨てられるか」という意味深なメッセージにつながるのです。

なぜ“常識人間”を捨てるべきなのか?

そもそも“常識”というのは、いったいどういうものでしょうか?

どのような「常識」も、先日のニーチェ【ツァラストゥストラ】でも取り上げたとおり不偏なものはありません。

そのような「常識」にとらわれていてはいけない理由として次のようなことが挙げられます。

  • 常識にとらわれていると自分の自由を取れなくなる

  • 成功や成果よりも夢に向かって自分がどれだけ挑んだかや努力したかの方が価値がある

  • 人間本来の生き方は無目的、無条件であるべき

岡本さんは、幼少のころから常識にはまるということに疑問を感じ、自分に納得のできないことには常に「ノー」と言ってきました。

そのことでいじめにあったり大きな反発に遭ってきましたが、絶対屈服しませんでした。

そのことが現在の“岡本太郎”像をつくりあげたといえます。

そんな岡本さんの目指したのが「いつも興奮と喜びに満ちた自分になる」です。

「いつも興奮と喜びに満ちた自分になる」には、何が必要か?

その答えになるのは次のとおりです。

  • 「楽に生きよう」と考えない思考

  • 未熟な自分を受け入れ「未熟なことはマイナスではない」と平気で生きる思考

  • 自分がほんとうに生きている手ごたえを持つプライド

誰でも「安定に生きよう」とか「楽に生きよう」と考えるものですが、岡本さんはそうは言いません。

というのもそれらは、「何もしていない」に等しいからです。

何もしないでつかめるものはありませんし、とにかく自信がなくてもやってみようと決意することが大事なのだと言います。

たしかに最初は未熟です。さらにいえば人間はいつまで経っても未熟だといえます。

そんな未熟な自分を受け入れ「未熟なことはマイナスではない」と平気で生きる思考も持つべきでしょう。

岡本さんは「プライド」に対しても言及します。

そもそもわたしたちが持っているプライドとはどういったものでしょうか?

プライドとは、自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、他の人によって、自分の優越性・能力が正当に評価されることを求める気持。 また、そのために品位ある態度をくずすまいとすること。 誇り。 自尊心。

出典:コトバンク

上記のことがプライドだと認知されているということですよね。

ですが岡本さんのプライドの見解はこうです。

「自分がバカであろうと、非力であろうと、それがオレだ、そういう自分全体に責任を持って、堂々と押し出す。それがプライドだ」

【自分の中に毒を持て】らくに生きる人間は何を考えているのか


自信に対する立ち位置が違うのと、自分に対する責任の置き場所がぜんぜん違いますよね。

世間一般の「プライド」は、他者に対する自分の立ち位置、岡本さんの「プライド」は自分自身の本質に対する立ち位置ということです。

これが、自分の人生に対する自信にもつながり、主体性を持ちイキイキした人生の基盤となるということでしょうね。

どうすれば「人生の意味」を見つけ「充実した人生」を感じることができるのか?

わたしなりに本書から得た答えが次のとおりです。

  • 迷ったら危険な方を選ぶ

  • その瞬間瞬間を自分なりにひらき懸命に生きる

  • 自分自身と闘い、創造、開放感、冒険により現代社会で自分を再発見する

人生の意味は自分で探すしかありません。

未来や他者のことをいくら考えてもキリがないし、時間の無駄です。

「迷う」というのは少なからず自分が惹かれているからでしょう。だったらたとえ危険な道であってもトライする価値はあるのではないでしょうか。

「夢中になる」「熱中する」「情熱を傾ける」という体験はかけがえのないものです。

その瞬間瞬間を自分なりに懸命に生きることが何よりの「充実した人生」を送るカギになると思います。

良い意味で「自分への反逆者」になってみましょう。

この本はその貴重な体験ができるヒントをくれる一冊です。


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