見出し画像

【リピートの極意】シリーズ 2

割引あり

▼顔の見える商売、「顧客」から「個客」へ


 インターネット時代、SNS販促時代が到来している。企業にとっては、経済状況はますます厳しい状況を迎え、そういう中でビジネスが好転している企業に共通しているのが「顧客」を見直した捉え方、戦略を変えているところである。大半が「顧客」から「個客」へ、一人ひとりの顔が見え、きめ細かな商売に徹していることだ。
 当たり前のことだが、顧客を相手にしながら、顧客が見えていないという反省と、原点回帰の動きが水面下で起こっているようだ。企業(店)は顧客に何を提供すれば顧客が動いてくれれるのか、大いに興味があるものだ。それは品揃えでもなく、安売りでもない。いまこそ大事なのが、「接客サービス」である。接客、つまり、接客力のある店が顧客の心をつかみ、売上げが伸びていくという、当たり前のことだが、再び、注目を集め始めている。
 「接客」は小売業で最も大事なこととして扱われてきたが、サービスだけに奥が深く、内容が多岐にわたっている。一言で接客といっても、社員の受け止め方、顧客にとっても受け止め方が微妙に違っているものだ。
 「定員の態度がなんとなく不愉快」「感じのいい店なのでまた行きたい」「挨拶一つ、満足にできない店はお断り」とは、誰もが一度ならずとも、経験していることだろう。接客重視の姿勢を持ち続けている店は強い。接客力に目をつけ、顧客の立場から発想した言葉づかいや好感の持てる態度を、店員に日々教育している店は必ず伸びていく可能性がある。
 ある外食チェーンが展開する接客の基本は「ニコニコした笑顔」「キビキビした動作」「はきはきした態度」である。接客力といっても、最後の決め手は店で働くスタッフが握っている。顧客に好かれる言葉、好かれる態度こそ接客力の本質である。感じがいい言葉づかいで機転が利く店員に会うと、「また行きたい」という動機が自然位湧いてくるものだ。
 ある繁盛家電店は顧客を絞り込み、売上げ重視から利益重視の経営にかじ取りをして、徹底したアフターフォローサービスを行っている。顧客との深いつながりで「客にとことん尽くせ」が社長の口ぐせである。
 成長を続けている中堅企業の経営者は独創的な漢字の読み方から商売の基本学んでいる。たとえば、「正」という字のつくりを見れば、その意味がわかるという。「一」は数字の一、スタートライン、つまり、原点である。この一の下に、止まれと書くと、正しい判断ができるという。
 また、今は人が力を出して働く時代から知恵を出す時代だという。「人偏に考える」と書いて、「はたらく」と読ませる。この字は普通の漢字の辞書にはない。新しい時代の働くという意味の造語だろうか。これは古い中国では使われていたという。
 今の商売は「知恵と創造」を生むような働き方が最も大切であるということを教えられているというわけだ。「誰も頼れないので自力でやるしかない。『大変』を塊で捉えると、動きが取れない。『大きく変わるチャンス』と捉えれば、前へ進めます」と真剣に事業を展開する中小企業の経営者の言葉は重い。
 「マネジメントの父」と呼ばれた経営学者の第一人者のピーター・ドラッカーは「経営とは顧客の創造であり、顧客の維持である」という名言を残している。顧客に焦点を当て、「顧客満足度を上げる商売」の戦略をとり、、日々、努力することが、今ほど、大切な“時”はない。「売ってやる時代」は終わり、「「買っていただく時代」が始まっているのだ。顧客が起業を選ぶ時代になっているからだ。
 リピート客づくりに精を出して伸びている企業のトップは、“顧客育成の向上のリズム”について、「新規顧客を獲得、顧客から優良顧客へ、さらに、超優良顧客に育てていくことが商売の究極です。最終的に身内感覚の顧客を実現すれば、繁盛間違いなし」と言い切る。

▼「プロセスを見せる」ことが信用の獲得につながる


 夢の国「東京ディズニーランド」はリピート客づくりのうまさでは定評がある。なぜ、リピート客が多いのか。諸説あるが、「常に変化がある」「飽きさせない」「常に新しいものを加えている」「情報を伝えている」「非日常の楽しさを演出している」などの理由が挙げられる。
 「顧客第一」「顧客本位」「お客あっての商売」飽きるほど氾濫している言葉だが、実際、「顧客ニーズを的確に把握して商品やサービスを提供する」ことを経営の指針に掲げている企業は少なくない。
 この顧客ニーズをつかむということが簡単そうで正直言って難しい。消費者、つまり、顧客自身がどういう商品を欲しいのか、どういうサービスを望んでいるのか。はっきりとした欲求を自覚しているとは限らないからだ。
「こんなメニューがあればいいね」という顧客の素朴な要望があれば、すぐに、スペシャルメニューることが大事だ」と言い切る。企業
 万人の声を聞いてしまえば、普遍的になって個性はなくなり、結果として誰からも選ばれないになってしまう。自社が「顧客志向に立ち、顧客ニーズを的確に把握する努力を続け、自社の個性、本物の商品づくりを目指す」という経営戦略を持つことが重要だ。として登場させ、注文の様子を見て本格的なメニューに加えるかどうかを検討して前向きなレストランもある。
 一方、顧客志向を重視するが、ある経営者は「顧客の声ばかりに耳を傾けていると、自社が何でも屋に陥りやすくなってしまいがち。強い企業にするには、自社の事業領域を明確にし、そこに集中す
 商売をしている人は「顧客ニーズ」一つをじっくりと見直し見ることが不可欠だ。顧客の顔が見えるまで、わが社(店)の顧客ニーズの把握の仕方は的確かどうか、自信をもって「顧客ニーズは、間違いなくつかんでいる」といえるように深く考えてみることだ。足元の見直しから始めてみる事こそ活性化の始まりである。
 企業の不祥事が続き、消費者の不信感は頂点に達している。あるクリーニング店がシミや汚れを間違いなく落としているということで、自社の高度な技術をアピールするために全工程のビデオ撮影をしている。万一、クレームが来てもこのビデオで納得してもらう戦略である。
 ある仏具店が完成品で使った材料や高度な技術を知ってもらうために、途中の工程をビデオに収めてアピールしている。こうした「途中経過を見せる」「ものづくりの工程、つまり、プロセスを披露する」といったことは企業への不信感を払拭するために、積極的な戦略である。

▽“人の代わり”という視点で仕事を見直す


 経営の神様といわれた松下幸之助氏(パナソニックの創業者)は「私はソケットを作ってきたのではなく、人をつくってきた」が口ぐせだったという。人使い、人づくりのうまさには定評があった。他人に仕事を任せることから事業部制(分権システム)が生まれた。

ここから先は

5,339字

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?