書き始めてすぐにぶち当たる壁。それは地の文をどう書くか。
ここではアマチュアが陥りやすい点を4つ挙げ、こう書いては? という修正案を示します。
Q1:セリフ内の説明
台詞があって、その台詞の中に、説明しないと意味が分からないところがあったので説明を書きましたが書き出したら長くなって…。
文章が下手なのは置いておくとして、説明文を入れるタイミングが良くわかりません。
「東京のことはまだわからないの」が唐突だったので、その説明を入れたわけですね。説明文の分量は問題ないと思いますが、流れが止まりますので、メールとメールの間ではなく、どこか落ち着いた場所に移動してはどうでしょう。今回はとりえず前のほうに移動させました。
Q2:人物の説明
主人公が旧友と会うシーンがあり、旧友がどんな人か説明を書きました。必要な情報は過不足なく入れたつもりですが、読み返してみると、われながら面白くもなんともなく、情報も頭に入ってこない感じです。
こういうとき、どうすればいいでしょうか。
A2:「読者は物語が読みたいのであって、説明が読みたいわけではない。説明過多になってはいけない」と言いますが、プロは説明すらも面白く書きますね。面白ければ説明過多でもいいと思いますが、単なる情報の羅列はつらいです。セリフを交えるなどして説明を小出しにしては?
Q3:「ふと」は都合が良すぎてNG?
ある場面で、〈ふと、熊本でうどん店をやっている知人を訪ねてみようと思い立った。〉と書いたところ、小説の合評会で、「そんなに都合よく『ふと』思うものですか。『ふと』は禁句では?」と言われてしまいました。「ふと」は禁句なのですか。
A3:
現実に「ふと思う」こともよくありますし、自然に「ふと」と書いてある分にはいいと思います。
ただし、それを小説の中でやったとき、いかにも作者の都合でそう思わせた感が出てはまずいです。何か思い出すきっかけを与えてはどうでしょうか。
Q4:時間経過の見せ方
小説を書いて家族に見てもらったところ、「この場面だけど、今、喫茶店に入ったと思ったら、もう出るんかい」と突っ込まれてしまいました。
〈二時間経った。〉と書いたからこれでいいと思ったのですが、〈二時間経った。〉という説明だけではだめだったのでしょうか。
A4:〈二時間経った。〉と書けば、作中の時計を進めることはできますが、読んでいる人も二時間経ったような気にさせたいです。そのためには心情を書いたり、「二時間の変化」(時計の針が進むなど)を書くといいです。普通はもっと字数が必要ですが、やるだけやってみましょう。
実体験を小説に押し上げるには?
特集「誰でも一生に一冊小説が出せる」
公開全文はこちらから!