クラブ別戦力評価#13 ガンバ大阪
記事編集日:2023年1月28日
みなさん、こんにちは。
本日より、2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが新体制発表、キャンプインなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第13回は、ガンバ大阪編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。
移籍市場
ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。
<考察>
このオフの補強としては、「クラブとして」必要な戦力を慰留することに成功したうえで、ほしい戦力を獲得できたのかなと思います。
小野瀬選手とパトリック選手の契約満了という「サポーターとして」みるとなかなか納得のいかなさそうな退団もありましたが、この2選手に関してはクラブ側から0円提示をしているのでクラブとしては想定内という話でしょう。
その後釜として、ロアッソ熊本で活躍してきた杉山選手の獲得に成功しています。J2で得点という結果も残してきたウインガーで小野瀬選手の後釜として期待がかかります。
チュニジア代表の主軸としてワールドカップにも参戦したジェバリ選手も注目です。パトリック選手が退団した最前線にすっぽり収まるものと思いますが、現役のワールドカップ戦士ということもあり、期待値が高くなるのも当然です。もしかしたら、柏レイソルに在籍していたオルンガレベルの活躍も見せるかもしれません。
アンカーとして獲得したであろうネタ選手を実績十分な選手です。
イスラエルの名門、マッカビ・ハイファの下部組織出身の選手で、トップチームでバリバリの主力、そしてキャプテンと主軸選手でしたが、自身初めての移籍先として大阪を選びました。
今年より完全移籍に移行したダワン選手や昨夏に東京ヴェルディより加入したものの負傷により出場機会を得られなかった山本理選手とのポジション争いが繰り広げられるであろうアンカーのポジションはJリーグ屈指の戦力層といえます。
長崎から加入した江川選手、山形から加入した半田選手はいずれの選手も若くしてクラブの主力になってきた選手です。
特に、半田選手は一時期はイタリアの名門、ASローマからの関心が伝えられるほどの選手で、パリ五輪代表候補であり、未来の代表候補です。半田選手が自身初となるJ1の舞台でどの程度のパフォーマンスを見せられるかは1つ、鍵となりそうです。
評価
GK
最初にGKです。
湘南ベルマーレで複数年にわたり武者修行を行ってきた谷選手は日本代表に選ばれるまでに成長しました。一時は海外挑戦の噂もありましたが、最終的には下部組織を過ごしたガンバ大阪へ復帰することになりました。
では、谷選手がレギュラーなのかといえばそうではなく、大ベテランの東口選手も健在で日本代表レベルの二人と、一森選手を加えた激しいポジション争いが繰り広げられるでしょう。
日本代表レベルのGKが二人いるという陣容を踏まえても、GKの評価は最高評価の『SS』が妥当ではないでしょうか。
DF
つぎに、ディフェンダーです。
昨季の主力選手のうち退団したのは、鹿島アントラーズへ移籍した昌子選手のみでした。昨季はスリーバックを採用することもあり、そのような試合では主力級の力を持ったセンターバックが3枚必要でしたが、新たにポヤトス監督が就任した今季はフォーバックが基本軸となるでしょうから三浦選手とクォン選手が残留していることを踏まえてもそこまで大きな負担にはならないでしょう。
また、昨季もバックアップとして貢献した福岡選手のほか、後半戦にレンタル移籍したベガルタ仙台でいぶし銀の活躍を見せた佐藤選手が復帰。長崎で若くして多くの出場機会を得ていた江川選手を獲得していることを踏まえると、十分に満足の行く戦力と言えそうです。
サイドバックに関しては、右は高尾選手にくわえ、山形から加入した半田選手もいます。左は黒川選手、藤春選手と昨季と同様のスカッドであり、ディフェンダーは全体を通してポジティブな印象を受けます。
昨季と監督が変わるため、戦い方も変化するでしょうから一概には言えませんが、昨季の失点数は44でした。
昨季よりポジティブな印象を受けるとはいえ、いきなり「J1屈指」かといえばそうではなく、評価は『A』にしました。
MF
次に、ミッドフィルダーです。
補強の目玉は、マッカビ・ハイファより加入したネタ・ラヴィ選手です。
チームの中心選手として、チャンピオンズ・リーグにも出場しており、実績だけ見れば他の選手と比べても圧倒的です。
そのネタ選手のメインポジションはアンカーであると思いますが、齊藤未月選手が退団したとはいえ、今季より完全移籍に移行したダワン選手もJ1屈指の選手でとても面白いポジション争いが繰り広げられるでしょう。
また、昨夏に加入したものの負傷の影響でなかなか出場機会を得られなかった山本理選手もヴェルディ時代にポゼッションサッカーに精通しており、前述した二人を差し置いて主力になるという可能性もゼロではないでしょう。
インサイドハーフに関しては、キャンプを通して宇佐美選手とファン・アラーノ選手がこのポジションに挑戦しているという情報があります。ただ、ふたりとも自由に動き回る選手ですので、彼ら二人でコンビを組むということは考えにくいです。
そうなると、バランサーという意味合いもこめて山本悠選手は有効な選択肢かもしれません。他にも、奥野選手、倉田選手など実力のある選手もいます。
ミッドフィルダーは、実績・実力のある選手のみで複数のくみあわせを考えられるほど充実の陣容になっており、評価は『SS』としました。
FW
つぎにフォワードです。
パトリック選手こそ退団しているものの、新たに加入したジェバリ選手はチュニジア代表の中心選手であり、ワールドカップにも出場していることも考えると中央のファーストチョイスになるでしょう。
一方で、負傷の噂も流れており、開幕戦にいるかは不透明ですが、そのような場合には鈴木武蔵選手が控えています。
他にも海外経験のある食野選手も在籍しており、名前は豪華ですが昨季の得点数は非常に少なく、昨季の課題の一つは「得点力」でした。
そして、頼みの綱でもあったパトリック選手が退団していることもあり、既存の選手や新加入のジェバリ選手の奮起が求められます。
このようなことを踏まえ、現時点では「奮輝すれば」という条件付きになってしまうため、評価は『C』としました。
その他
最後に、その他です。
昨季は、片野坂監督を招聘し、ポゼッションサッカーに舵をきったものの見事にうまく行かず、最終的には途中解任。後任の松田監督が現実的なサッカーで勝ち点を獲得した残留しました。
今季は、徳島からポヤトス監督を招聘し、昨季とは性格こそ違うものの、再度ポゼッションサッカーに挑みます。
昨季の失敗ということは不安要素ですが、短い間とはいえポゼッションサッカーを経験している人が多くいることはポジティブです。
また、「代表」という肩書がある選手が多くいることや、ポヤトス監督にとってJ1が初ではないということをふまえ、評価は『A』にしました。
フォーメーション
フォーメーションはポヤトス監督が徳島時代に用いていたワンアンカーの4-3-3と考えました。
GKは、基本的には日本代表レベルの東口選手と谷選手のポジション争いになるでしょう。
昨季は負傷もあったものの東口選手のパフォーマンスが素晴らしく、現時点では谷選手ではなく東口選手を一番で予想していますがほぼほぼ横一線の争いと言えそうです。
右サイドバックには、山形から加入した半田選手を入れています。
高尾選手が主に主力となっていたポジションですが、高尾選手にとっては「未来の日本代表候補」と強力なライバルがくる格好になりました。
監督が変わったこともあり、また、ゼロベースからのポジション争いになるでしょうが、期待値なども込めて半田選手を一番手にしています。また、前所属の山形でクラモフスキー監督の元、ポゼッションサッカーをやっていることもポジティブです。
センターバックは、元日本代表の三浦選手と韓国代表のクォン選手の2枚のくみあわせを予想します。
実績・実力でいえばこの組み合わせを予想するのが妥当な流れでしょう。一方で、バックアッパーとして貢献した福岡選手やJ2で力をつけた/発揮した江川選手や佐藤選手にもチャンスがないわけではありません。
むしろ、このメンバーの中で主力になれば代表も近づいてくると言えそうです。
左サイドバックは、昨季とメンバー構成に変更がなく黒川選手を一番手とした上で、藤春選手が2番手となりそうです。
アンカーは一番予想が難しかったポジションと言えます。
昨季も主力であったのはダワン選手ですが、実績としてはマッカビ・ハイファでキャプテンマークも巻いていたネタ選手に軍配が上がります。
また、ポゼッションサッカーへの精通度合いという観点に立つと東京ヴェルディユース出身で足元の技術には定評のある山本理選手が入ってきますので予想が難しかったですが、現時点では実績豊富なネタ選手を入れています。
が、まだ来日していないはずですので序盤戦はダワン選手や山本理選手が起用される可能性もあるでしょう。
インサイドハーフです。
昨季はサイドでの起用も多かった宇佐美選手とファン・アラーノ選手がキャンプからこのポジションにチャレンジしているそうです。
ただ、ふたりとも典型的な10番タイプの選手であり、この二人を同時に並べるのは考えにくいです。仮にこの二人を同時に並べると守備面に関しての不安が露呈し、アンカーがこなさなくてはならなくなる守備のタスクが増大してしまいます。そこで、この二人のうち一人を起用しつつ、もうひとりはバランスの取れる山本悠選手を予想しました。
他にも、倉田選手や奥野選手などもいますが、キャンプで山本悠選手のパフォーマンスがかなり良いとのことなのでこうしました。
ウイングに関しては、宇佐美選手とファン・アラーノ選手をインサイドハーフに持ってきましたので昨季の起用回数なども踏まえ左に食野選手を入れました。
右ウイングに関しては、小野瀬選手の後釜として獲得したであろう杉山選手がそのまま入るのではないでしょうか。
他の候補としては、福田選手や石毛選手ですが、彼らは中央によってくるプレースタイルでインサイドハーフの宇佐美選手などとかぶる危険性があると考えこうしました。
最後に最前線ですが、鈴木武蔵選手と新加入のジェバリ選手を中心にポジション争いが繰り広げられそうです。
鈴木武蔵選手も海外経験や代表経験もある選手ですが、昨季後半戦は目立った結果を残すことができていなかったため、現役チュニジア代表としてワールドカップにも参戦したジェバリ選手を一番で予想しています。
まとめ
これまでの評価をまとめます。
目標
現実的な目標は、「ACL出場権獲得」になるでしょう。
近年のガンバ大阪は低迷してしまっていますが、「古豪」ガンバ大阪が復活することが日本サッカー発展のために重大でもあります。
今季は、昨季の主力選手を残した上で、各国代表レベルの選手を複数名獲得するなど本気度が窺える補強で、今季こそ目に見える結果を残したいでしょう。
最後に
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