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クラブ別戦力評価#18 サガン鳥栖

記事編集日:2023年2月3日

みなさん、こんにちは。
本日より、2023シーズン開幕に先立ちまして、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、各クラブが新体制発表、キャンプインなどという状態になってきました。
「クラブ別戦力評価」の第18回は、サガン鳥栖編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。

移籍市場

ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。

<考察>

 今季のサガン鳥栖の移籍市場も非常に動きが多いものとなりました。
 しかしながら、例年と比べると主力選手の移籍は少ない印象で、レンタルで加入していた宮代選手や垣田選手が復帰。小泉選手、ジエゴ選手が完全移籍ということで全員の主力が残留したわけではありませんが、それでも例年と比べると多くの主力を残すことに成功したイメージです。

 また、中盤で絶対的な地位を築いていた小泉選手の退団は非常にダメージが大きいですが、昨夏に手塚選手を柏レイソルから獲得している他、ベテランの福田選手や藤田選手も在籍しています。
 そして、何よりも大きいのはJ2のロアッソ熊本より河原選手を獲得しました。
 J1クラブ9チームからオファーが来たとの話もあった中、争奪戦を制して加入しました。
 2021シーズンのJ3、2022シーズンのJ2で圧倒的なパフォーマンスを見せてきた選手でいきなり主力候補と言える獲得と言えます。

 また、昨年は期限付き移籍で加入しており、活躍によって日本代表にも選出された岩崎選手を完全移籍に切り替えることに成功し、非常に大きな慰留となりました。
 他にも、J3の松本山雅でパリ五輪世代でありながら素晴らしいパフォーマンスを見せていた横山選手を獲得し、宮代選手や垣田選手が退団してしまったFWには、横浜FマリノスやFC東京でのJ1でのプレー経験も豊富な富樫選手も新たなエース候補として獲得しています。

 個人的に、一番大きいと思っているのは樺山選手の獲得です。
 高卒ルーキーとしてマリノスに加入した年に開幕スタメンを飾ったものの徐々に出場機会を減らしており、J2の山形へ期限付き移籍して活躍していました。その樺山選手を「完全移籍」で獲得できたことは非常に大きいと思います。
 「期限付き移籍からの復帰」という形での退団はないということも含め、J2屈指のサイドアタッカーかつプレーメーカーということもありJ1でも欠かせない選手になりそうです。

評価

GK

 GKに関しては、パクイルギュ選手が絶対的な守護神として君臨していた控えに岡本選手がいるというのが基本的な構成でした。

 深谷選手が退団していますが、試合に絡んでいたという条件下においては退団した選手はおらず戦力値の低下という面では少ないでしょう。

 一方、藤枝MYFCより加入した内山選手は注目です。
 昨季の藤枝で守護神として活躍し、チーム史上初のJ2昇格に大きく貢献した選手で、はれてJ1へのステップアップを掴みました。
 最初は、岡本選手とのセカンドGK争いになるでしょうが、「打倒・パクイルギュ」という観点に立てば最有力候補と言えるかもしれません。

 評価としては、守護神が残留していることなどを踏まえても、大きな戦力ダウンと言える要素は全くなく、むしろ内山選手の加入によって総合力は上昇している印象です。
 一方で、昨季の失点数44は極めて平均的であることを踏まえても『A』評価としました。

DF

次にDFです。

 3バックの一角として絶対的な地位を築いており、ロングスローでの貢献も大きかったジエゴ選手が柏レイソルに移籍したものの、ファン・ソッコ選手をはじめとして多くの選手は残留しています。

 3バックという観点に立てば、モンテディオ山形で圧倒的な守備データを記録していた山崎選手を獲得しており、愛媛時代には川井監督と共闘していることを踏まえても戦術への理解は早いでしょうから、いきなり主力となっても不思議ではありません。
 実績面を考慮してもジエゴ選手と大きく差があるわけではなく全体を通しての「戦力ダウン」などという面でもあまり影響は大きくないのではないでしょうか。

 また、アクム選手に関してはボランチでのプレー経験もあるようでビルドアップ能力も高い選手であると思います。一方で、実力が客観的にはかりにくいというのが正直なところでどの程度通用するのかは未知数かもしれません。

 また、「鳥栖」というチームはルーキーや若手の出場機会が多いのが特徴であるチームでもあり、ユースから昇格した竹内選手と大里選手、大卒ルーキーの平瀬選手がいきなり試合に絡んでも不思議ではありません。

 総合的に見れば、戦力値でのダウンは微小であり、一方で期待の若手も多いということがあり、ポジティブな印象を受けます。
 そのため、評価は『A』としました。

MF

 次に、MFです。

 一番大きいのは、昨季MVP級の活躍を見せていた小泉選手がFC東京へ移籍してしまったことではないでしょうか。
 中盤の「狩人」としてピッチを縦横無尽に走り回っていたタフネスマンの移籍は非常に影響が大きいと言えます。

 しかしながら、ベテランの福田選手、藤田選手が残留しておりバランスが取れていることや、2021シーズンのJ3、2022シーズンのJ2でいずれもMVP級の活躍を見せた河原選手を争奪戦を制して獲得していることは非常にポジティブな印象で、いきなり主力になっても不思議ではありません

 また、昨夏に加入した手塚選手もなかなか試合に絡むことができなかったですが、2年目となり戦術理解度も高まっていくでしょうから、ボランチ2枚に関しては安定して良いパフォーマンスを見せることのできるメンバー構成と言えるでしょう。

 昨夏にサンフレッチェ広島より加入し、いきなり得点を決めるなど活躍した長沼選手が、「2年目のジンクス」のようなものがなく活躍できるかは鍵となりそうです。

 高校医大から抜群のサッカーセンスやテクニック力で観客を魅了し、高卒ルーキー開幕スタメンという偉業も経験している樺山選手は、マリノスより完全移籍で獲得しており、ウイングバックでの起用が多くなりそうですが、樺山選手・岩崎選手といった攻撃面に特徴のある選手がいかに前を向いてプレーできるかが鍵となる気がします。

 他にも、高卒ルーキーで期待値のたかい楢原選手もいきなり試合に絡んでもおかしくない実力の選手で、スタメン候補・控え候補がいずれも実力者・期待の若手のような構図になっていることを踏まえても好印象です。
 一方で、優勝するチームには絶対にいる「アイコン」のような絶対的な・圧倒的な選手がいるかと言えばそうではなく評価は『S』としました。

FW

 次に、FWです。

 昨季は、期限付き移籍で加入していた宮代選手、垣田選手がそれぞれ本所属チームへ復帰しました。昨季の先発回数で言うと、宮代選手が18試合で垣田選手が10試合ということでほとんどの試合で二人のうちのいずれかが先発出場をしていました。
 一方で、今期に向けてはベガルタ仙台から富樫選手を獲得しています。
 横浜FマリノスとFC東京でJ1でのプレー経験があることを踏まえてもFWの一番手として期待されます。
 また、若くして出場機会を掴んでいた横山選手がどの程度通用するかも期待です。

 また、シャドーのポジションにはこちらも期限付き移籍中の西川選手がいることや、ウイングバックでの起用が濃厚な岩崎選手がいるなど、こちらも「圧倒的」とは言えない状況ですが「戦える」とは言える陣容が揃っていると言えるのではないでしょうか。

 他方で、昨季の得点数は45と平均値程度の数値であり、特別高い評価をしにくいということや補強はしているものの昨季の主力2人が退団していることも踏まえ『C』評価にしました。

その他

 最後に「その他」です。

 今季は、川井監督体制2年目となります。
 J1での指揮経験がなく経験値が不安視された昨季でありましたが、安定したパフォーマンスを見せ、例年通り「曲者」としてリーグを盛り上げました。

 就任2年目という点で戦術理解度などポジティブな面が多いです。一方で、多くの主力選手を慰留したとは言え他のチームと比べると依然として入れ替えが多いというのが現状であり懸念点でもあります。

 そのようなことを踏まえ評価は平均値の『B』としました。

フォーメーション

監督が続投ということも含め、昨年同様3バックでのフォーメーションを予想しました。

 GKは、一番手パクイルギュ選手ということは変化がないでしょう。
 主力の引き抜きが多いチームでありながらも、ずっと残留している選手でありサポーターからの人気も高い選手です。
 昨季もリーグ戦全試合に先発出場しており主力の地位は譲らなそうです。
 一方で、昨年の藤枝MYFCで守護神として活躍し、圧倒的なパフォーマンスを見せた内山選手も加入しているので牙城を崩す最有力候補かもしれません。

 次に3バックです。
 ジエゴ選手が退団したものの、山形より山崎選手を獲得し、その他の選手は残留しています。
 3バックの中央に君臨しており、経験値もあるファン・ソッコ選手を軸として組んでいくと思います。元々は左サイドの選手であった中野選手ですが、岩崎選手が左ウイングバックに定着しているため、中野選手が3バックの一角で起用されるのではないでしょうか。
 右側には、島川選手と山崎選手の一騎打ちとなる気がしていますが、愛媛で川井監督と共闘していることも踏まえ山崎選手を予想しています。
 また、新加入のアクム選手や若手の坂本選手、ルーキーの平瀬選手、大里選手、竹内選手など期待値の高い選手が非常に多い印象で彼らがどの程度試合に絡んでくるのかが注目です。

 左ウイングバックでは、日本代表にも選出された岩崎選手が主力として考えて問題ないでしょう。
 控え候補には、ルーキーの楢原選手を予想します。
 近年、急速に力をつけている鳥栖のアカデミー出身の選手で一年目から多くのチャンスを掴んでもなんら不思議ではありません。

 右ウイングバックの一番手には、横浜Fマリノスより加入した樺山選手を予想しました。
 左サイドもできる選手ですが、岩崎選手がいることもありこちらに予想しています
 他にも、長沼選手や原田選手もいますが、「創造性」という観点で考えたときに樺山選手を起用した方がより攻撃面において良いアクセントとなるのではないかなと考えています。

 ダブルボランチとしては主力の小泉選手が移籍していますが、ベテランの福田選手、藤田選手が所属しています。
 昨年も小泉選手と多くの試合でコンビを組んでいた福田選手を軸として考えました。
 小泉選手と同じタスクをこなすことができるのは藤田選手であるとは思いますが、J3、J2で活躍を見せており加入した河原選手が年齢的な面を見ても主力になってもおかしくないのではないかと考えています。
 他にも、経験がありながらなかなか主力になりきれていない森谷選手や手塚選手にも期待したい他、「期待のアカデミー組」の一人である坂井選手にも期待です。

 シャドーに関しては、西川選手、本田選手、堀米選手、菊地選手の4人が中心となってポジション争いを繰り広げそうです。
 菊地選手に関しては身長などネックな要素もありますが、この4人のうち二人がチョイスされると考えるのが自然だと思います。また、堀米選手はプレースキッカーにもなることができます。

 最前線に関しては、宮代選手と垣田選手が退団していますがベガルタ仙台より富樫選手、松本山雅より横山選手を獲得しています。
 経験のある富樫選手と期待の若手の横山選手ということで、経験値や実績の面から富樫選手をスタメン予想していますが、横山選手がスピードを活かして主力になる可能性もありそうです。

まとめ

これまでの評価をまとめます。

目標

 現実的な目標は、「トップハーフ」になるでしょう。
 例年より戦力の維持を図ることができたと言える今季ですので、例年通り安定したパフォーマンスを見せ、なんとかトップハーフでフィニッシュしたいと言えるのではないでしょうか。

最後に

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