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全ての経験は“糧”になる 倭姫命版ヒーローズジャーニー29ことの葉綴り九九七

小雪でも、気温は20度秋晴れ

おはようございます。秋晴れの心地よい朝ですね。
十一月二十二日(火)の暦、二十四節気では「小雪しょうせつ」。運気の変わり目なので、神社仏閣へのお参りにいいですね。
北風が強くなり、北の国では初雪が降るころとされます。空気も乾燥してきます。
とはいえ今日は気温20度超えになりそう。
六曜は「友引」で、朝と夕が吉。何ごとも勝ち負けのない日といわれます。十二直は「❘定《さだん》」で、物事の善悪が定まる日。引っ越し、種まき、建築、開店開業、婚礼の取り決めに吉。二十八宿は「❘尾《び》」で、婚礼、開店開業、建築、設備などの工事、引越し、お薬の飲み始めに吉。
そしてご神事やお参り、お墓参りにいい「|神吉日」です。
温かな晩秋の一日、皆さん、佳き日でありますように。いつも、ありがとうございます。


倭姫命版ヒーローズジャーニー29

二年年前、天照大御神さまを伊勢の神宮にお祀りされた倭姫命やまとひめのみことさまのご巡幸の物語『倭姫命世記やまとひめのみことせいき』を、主人公は、「英雄は旅立ち、成し遂げ、生還する」という神話の法則の倭姫版「ヒーローズジャーニー」として、考察しています。

①    「分離」旅だち →仲間や賢者と出会い
②    移行「試練、通過儀礼」 難関やドラゴンという敵や恐れと対峙し→やがてそれを乗り越えて、成長し旅の経験を③「統合」し、英雄へと「変容」し、帰還する。

倭姫命やまとひめのみことさまも、天照大御神さまが永久にお鎮まりになる聖地を求めて、四十年の歳月をかけて、重臣たちの“仲間”ともに、ときに荒ぶる神と対峙し、ご巡幸のゆく先々で、地元の神と出会い、伊勢の国に入っても、なかなか候補地はみつからず、ときに仲間とも離れ、険しい山中を歩きながらの旅を続けられました。

やがて、信頼する“相棒”の大若子命おおわくごのみことが、「宇治川の川上に佳き候補地があります」と、嬉しいニュースを持って出迎えがあり、宮川から伊勢湾へ出て、その|佳き宮処の候補地を目指します!


二見浦

どんな経験も“糧”となる

伊勢湾、海に出ました!

そして、ある浦に御船を停められます。

砂浜が続き、遥か彼方に富士山も望める美しい浜でした。
倭姫命やまとひめのみことさまが、大若子命おおわくごのみことに、その地の名を聞くと
「速両二見国(すでに二度もご覧になる二見の国です)」


二見浦の夫婦岩

そここそ、夫婦岩で有名な、伊勢の二見浦です!
夫婦岩からの初日の出も有名ですし、お伊勢参りには、浜参宮として、この二見浦で禊をしてお清めをしてから、神宮に向かう……のも有名です。

この二見浦の浜の先では、耳の聞こえない佐見都姫さみつひめが、心を込めて差し出してきたのが、堅く焼き固めたお塩でした。


佐見都姫命を祀る「堅田神社」

この堅塩は、今も、神宮のご神事に奉られる「ご神饌(御料)」になっています。
現在も「御塩殿みしおどの神社」で、堅塩は、この古来の方法を受けつぎ製塩されています。

御塩殿神社


この宇治川へ向かうあたりから、ゆく先々で出会われた神やものは、伊勢の神宮で、天照大御神さまに、お供えするご神饌(御料)となっていきます。
フィナーレに向けて、ゴールに向けて、宝物を1つ1つ手に入れている感じでしょうか(^^)

倭姫命やまとひめのみことさまのこれまでの長きにわたるご巡幸地の、その地域の特産品が、伊勢の神宮に天照大御神さまがお祀りされてからも、奉納が続いていきます。
たとえば、旅の始まりの頃の、伊賀国「穴穂宮あなほのみや」の、簗漁で獲れた鮎の「干し鮎」。
尾張国「中嶋宮」の、ご神饌用の土器のお皿……などなど。

こうしてみると、長~い旅のご経験は、“良い悪い”、“楽しい悲しい”などのあらゆる感情は思考を超えて、経験1つ1つにどれも意味があり、今後の「糧」となっているように思います。

私たちの人生も、ときに、自分や他者を「善悪」「できるできない「損得」の基準で判断をしたり、ときに、「好き嫌い」喜怒哀楽の感情の波に翻弄されることもあります。
でも、後から振り返ると、出会いと別れを繰り返しながら、辛かった経験が、生きる力となり、悲しみから優しさを覚え、怒りから、自分の倫理を問い直し、不安や迷いから、神聖なるものへと委ね、迷うからこそ、真実を探そうとし、侘しさから心が和らなくなり、喜びは、人と分け合いと、どれも生きる糧になっていますもんね。
涙の数だけ、慈しみの心も育まれますもんね。


二見浦

―次回へ

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