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元明天皇千三百年式年祭 『古事記』完成の御世~ ことの葉綴り六七四

新たな一年の幕開け、三日目。
おはようございます。
皆さま、きっとお元気でお過ごしかと思います。
一月三日(月)の暦は、六曜は、「赤口しゃっこう」でお昼前後が吉。
十二直は「さだん」で物事の善悪が決まる日。婚礼の取り決め、種まきにも吉。
二十八宿は「ひつ」で、祭祀、お参りに吉!工事の開始も吉。不動産の取得もよし。
そして、夜中の三時三三分に山羊座の新月!
二日の夜、どんな夢を見ましたか? 初夢は?
今年初めての新月に、今年の願いを立てましょう。

「ことの葉綴り」は、神話『古事記』の物語を綴っています。
お正月明けから、「下つ巻」へと入ります。
一月二日、宮中では、この『古事記』に関係する天皇さまの祭祀がおこなわれたそうです。

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元明げんめい天皇千三百年式年祭の儀」!

宮中では、天皇が身罷られたあとは、三年、五年、十年、五十年、百年後のご命日、宮中三殿の「皇霊殿」と「山稜」にて、式年祭という祭祀が執り行われます。
神道の家でも、法事として、その御霊を偲び、三年祭、五年祭、十年祭、五十年祭のご神事をとりおこないます。

この令和四年(712年)一月二日は、第四三代の元明げんめい天皇(女性)さまが、六一歳で身罷られてから、ちょうど千三百年!!
そして、「元明げんめい天皇千三百年式年祭の儀」という宮中祭祀が執り行われたのですね!

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”ふることぶみ”に尽力した二人の女性天皇

元明げんめい天皇さま(在位七〇七~七一五年)は、第三八代天智てんじ天皇の第四皇女です。
この天智てんじ天皇の弟で、第四十代の天武てんむ天皇さまが、晩年に、神代より伝わる正しい『帝紀』や、豪族や氏族の家にさまざまに伝わる歴史や、神話や伝説に乱れがあることを心配されて、「真の記録を残して後世に伝えたい」と、「ふることぶみ(古事記)」の編纂を立案されて、優れた語り部の稗田阿礼ひえだのあれいに、神代からの神話、伝説を習い覚え伝えるように、太安萬侶おおのやすまろに、書き記すように命じられました。

それが、『古事記』です。


残念ながら、天武てんむ天皇は、その完成を見ることなく薨去され、皇后だった持統じとう天皇が、皇位を受け継がれ、第四一代の天皇に即位されます。
持統じとう天皇さまも、元明げんめい天皇さま天智てんじ天皇の皇女で、異母姉妹にあたります。

元明げんめい天皇さまは、夫で皇子の草壁くさかべの皇子(天武天皇と持統天皇の皇子)若くして亡くされてしまいます。
また、第四二代文武もんむ天皇の母です。
息子の文武もんむ天皇も、若くして薨去されたため、孫である後の聖武しょうむ天皇が成長されるまで、天皇として、政務をお勤めになられたのです。
皇女、皇后、母、祖母として、大切な人々をずっと守られて、お国のこともされていたのですね。

そして、元明げんめい天皇さまの御代和銅五年正月廿八日(七一二年)。ようやく「ふることぶみ(古事記)」が完成し、太安萬侶おおのやすまろにより、元明げんめい天皇さまさまに献上されたことで完成したのでした!!

と、ややこしかったでしょうか?
私たちが、今も神話を読んだり楽しめているのは、天武天皇さまの立案・企画があり、妻である持統天皇さまと、その異母姉妹であり、皇子の后だった元明げんめい天皇さまという、二人の女性天皇のご尽力があったのですね。

ふることぶみ
いにしへに、手を合わせて感謝です。(写真は昨年、皇居外苑で撮った光)

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―次回へ
#一度は行きたいあの場所
#みんなでつくるアルバム


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