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人生の「分岐点」 伊邪那岐・伊邪那美さま⑲神様も失敗して成長した ことの葉綴り。其の七一

“ワレ”を失う

おはようございます。超サボり屋が、日曜の朝noteに向かうひとときです。
神話の神さまたちも、人間と同じように悩み苦しみ傷つき涙した。
その“お姿”は、今を生きる私たちに勇気を与えてくれる。
それを伝えたいと思っています。
いつも、お読みいただきありがとうございます。
今回も、「神生み」で、神さまに漢字が多いです!(苦笑)

最愛の妻を亡くされたショックから
伊邪那岐命さまは、
葬送儀礼の「殯」(もがり)で
いのちの蘇りを祈られ、
やがて、比婆の山に
伊邪那美命さまを埋葬なさいました。

そして
あまりの悔しさから
ワレ”を失われ
あまりの悲しみから

その死の原因となった
大火傷のはてにお産みになった
火の神の迦具土命さまを

十拳の剣で、そのお首を
斬り落としてしまわれたのでした……。

この場合の”ワレ“とはなんでしょう。

私たちの”自我“というのではなく、
宇宙の大元の神さま
その「いのち」と「ひかり」
神のみこころを
受け継がれてきた
その“ワレ”=神の御心ではなかったでしょうか。

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人生の分岐点 明けない夜はない

人は、思いもよらない出来事に遭遇したとき
パニックになり、我を見失なってしまう。

このとき、大元の神さまの
「いのち」「ひかり」を受け継いだ
自分の中の神聖さからも
分離してしまう。


悲しみ
怒り
悔しさ
憤怒
絶望


人は皆、誰しもが
人生の「分岐点」で、こんな経験をします。
そのとき、
知らず知らずのうちに
自分の中にある「神聖さ」と
繋がりが切れた状態になることが
あるのではないでしょうか

共に、国生み、神生みと
共に歩まれてきた伴侶
その喪失感や
想像するにあまりありません。


伊邪那岐命さまも、
その憤怒、悔しさ、
その奥にある、深い深い悲しみから

その“原因”と思われた
迦具土神さまの首を斬り落とされた
のではないでしょうか。

けれど、ここから、とても強い神さまたちが
新たに誕生していくのです。

死は生の一環である。

どれほどの、悲しみ、苦しみからも
必ず、次の何かは、立ち現われる……。

明けない夜はないのですから……。

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火の神の死から誕生した神々 十拳の剣編

伊邪那岐命さまが、
十拳の剣という長い剣で
火之迦具土さまの首を斬ってしまわれると、
その剣の、きっ先についていた血は
「湯津石村」(ゆついはむら)
という、五百個ほどの清らかな石が固まった岩石

飛び散っていきました。

すると、そこから
岩石を裂くほどの威力をお持ちの
石折神(いはさくのかみ)

土の中に埋もれている石の根さえも切り裂く
根折神(ねさくのかみ)

がお生まれになりました。

次に、岩石の霊威の強さを現し
石の粒をも切り裂く
石筒之男神(いはつつのをのかみ)

が誕生しました。

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さらに、十拳の剣の鍔(つば)に付いた血も
清らかな多くの岩石の群れに飛び散り
甕速日神(みかはやひのかみ)という
素早く一瞬にして切り裂く神さま
と、

火のように両断していく
樋速日神(ひはやひのかみ)さま
という、火の根源である太陽をたたえる
二柱の神さまが誕生
しました。

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鹿島神宮の神さまも!

さらに、まだ神さまが誕生します!

そして、次にお生まれになったのは
鹿島神宮のご祭神で、有名な神さま
建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)さま

が、お生まれになりました。
この神さまは、またのお名前を
建布都神(たけふつのかみ)
豐布都神(とよふつのかみ)

とおっしゃいます。
この男神さまは、とても勇猛な雷(いかずち)の神さまで、
雷と剣の神様なのです。
茨城県の鹿島神宮のご祭神
ですね。

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ちなみに、武甕槌神とも書きますが、
この神さまは、地震を起こす大鯰(おおなまず)を
要石で、しっかりと地中に抑え込んでくださっていると、
今も信仰されています。
鹿島の七不思議
また武神としても、とても信仰厚い
です。

神話の「国譲り」でも、たいそうご活躍なさいます。


十拳の剣の柄(つか)に集まった血が、
手の指からも流れていく
中で
お生まれになったのが
闇淤加美神(くらおかみのかみ)と、
闇御津羽神(くらみつはのかみ)という
渓谷の水をつかさどる神さま
がお生まれになります。

伊邪那岐命さまの
十拳の剣からは、
石折神さま~闇御津羽神さままで
八柱の神さまが、お生まれになりました。


そして、斬り落とされた
火之迦具土神さまの頭(かしら)からも
神さまが誕生していく
のです。

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それは、また次回にー

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