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高千穂へ天孫降臨  神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百四八

信頼できる五伴緒(いつとものを)


こんにちは。雨の日曜日「ことの葉綴り。」に向かっていると雨が上がり、雲と太陽も顔を出しました。夏の空です。さて、神話の物語……。

天照大御神さまの孫神の邇邇芸命さまが、
地上へと、天降ろうとしたとき、天と地の間の分かれ道の「天の八衢」に、見たことのない背も高く、鼻も大きな風貌の異様な神が、
立ちはだかっていました。

天照大御神さまに申しつけられて、その神に近づいていったのは、どんな相手にも気後れしない女神の天宇受賣神さまでした。

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自然体な姿態で、どんな相手も警戒も解いて気を許す女神の問いかけに、見知らぬ神は、名前は、猿田毘古神ということ。
天つ神の御子が、天降ると知り、道案内に参りました
と、心を許して、自ら名乗ったのです。

天照大御神さまも、邇邇芸命さまも、
それは、ご安心なさったことでしょう。

そして可愛い孫神の邇邇芸命さまの地上への旅路に、
信頼のおける五部族の神々「五伴緒(いつとものを)」を
配下として従わせた
のです。

「五伴緒」は、天照大御神さまが、天の石屋戸に
お隠れになったときに、骨をおり、力を合わせて、
玉と鏡つくりに関わって、ご神事をおこない、
岩戸から出てもらうために貢献した神さま
たちです。

天皃屋命(あめのこやねのみこと)は、祝詞を奏上された神で、中臣氏の祖先神です。

布刀玉命(ふとだまのみこと) 真榊を建てて祈祷された神で、忌部氏の祖先神です。
伊斯許理賣命(いしこりとめのみこと)八咫鏡をつくられた神で、鏡作の祖神です。
玉祖命(たまのやのみこと)御幣にかける玉をつくられた、玉作の祖神。
裸で舞い踊った天宇受賣命(あめのうずめのみこと)神。


そして、天照大御神さまは、この神々に「三種の神器」である、
八咫鏡、八尺瓊勾玉、草薙の剣をお預けになられたのです。

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筑紫の日向、高千穂に降臨

天照大御神さまは、ご自身の信頼を寄せる
二柱の神様も、孫神のために随行させました

その神さまは、
常世思金神(とこよのおもいかねのかみ)は、知恵の神さま。
天石門別神(あめのいわとわけのかみ)という門を守る岩石の神。

天照大御神さまは、ご自身がもっとも“信頼できる”神さまたちを
邇邇芸命さまのお伴として、選ばれたのです

そしてこう仰いました。

邇邇芸命よ、あなたはこの鏡を、私の御魂だと思い仕え
私を祀るがごこくお祀りしなさい。
思金神よ、あなたは神たちの朝廷の政(まつりごと)を
とりおこないなさい。

これで、孫神を送り出す準備が整いました

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国つ神の、猿田毘古神が先導し、天照大御神さまが、厚い信頼のもと孫神のためにとお伴に選ばれ委任した天津つ神たちと、
邇邇芸命さまは、天の八衢から、地上へと出立なさいました。

邇邇芸命さまは、高天原の神の御座をこれで離れ、
高天原の天空に、八重にたなびく雲を押し分けて、
威風堂堂としたご神威により、道をかき分けて、
天の浮橋にある浮島にたたれて

やがて、筑紫の日向の高千穂のくじふる嶺(たけ)という
霊峰に、降りくだられた
のです。

高天原から、無事に、豊葦原の瑞穂の国へと降りてこられました。

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―次回へ。

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