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今も続く卜占 伊邪那岐伊邪那美⑧神様も失敗して成長した ことの葉綴り其の五八

天つ神さまへご相談

おはようございます。サボりくせのある私が、今朝もnoteに向かいます。
“失敗”や“困難”と思う出来事は、生きる力を強くする!
神話の神代と今とを、“往復”しながら、“失敗”をされて成長されていく神さま通して、私が学びながら綴っています。

ご結婚された伊邪那(いざな)岐(ぎ)・伊邪那(いざな)美(み)さまですが、
誕生した赤ちゃんとの別れが待ち受けていました。
小さく柔らかく骨のないような水蛭子(ひるこ)だったのです。

葦でつくった小さなお船にお乗せになり海へと流されました。
次に生まれた、淡島という赤ちゃんも、泡のようでした・・・…。

「私たちが、産んだ赤ちゃんたちは、どうも丈夫ではなくよくありませんでしたね。
一度、高天原へのぼり、天つ神様のご意見を聞いてみましょう」

伊邪那(いざな)岐(ぎ)・伊邪那(いざな)美(み)さまは、傷心のまま、
天つ神さまのいらっしゃる高天原へと昇っていかれました。

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天つ神さまたちに、これまでの地上に降りてからの
お話を聞いていただきました。
天の御柱を立てて、その柱を巡り出会って、声をかけあい
そして、みとのまぐはいをなさった・・・…。

「天つ神様、どう思われますか? わたしたちはどうすればいいのでしょう。どうかお教えください」
と、お尋ねになりました。
このままでは、天つ神さまより委ねられた
「国をつくり固める修める」という、
使命を果たすこともできません。

お話を聞いていた、天つ神さまがたは、
すぐ簡単には、ご意見をおっしゃったりしません。
「それでは太占(ふとまに)の占いで、ご神意を確かめてみよう」
そう仰ったのでした。

太占(ふとまに)の占い……

太占の占いとは、鹿の骨を、朱桜の皮で焼きます。
そして骨にどうヒビが入るかで吉凶を判断する古代の占いです。

さて、天つ神様がこの太占占いをなぜされたのか?
天つ神さも、自分たちの意見を述べるのではなく
慎みをもたれて、
大元の宇宙の真ん中に在られる
天之御中主神さま(あめのみなかぬし)の
ご神意を、御心を
太占という占いを通してお教え願ったのです。

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太占……卜占(ぼくせん)って何?

実はこの太占占いは、卜占(ぼくせん)ともいい、
日本では縄文時代末期から弥生時代初期のころから、
おこなわれていた、古代、神さまのご神意を問う方法です。
鹿のほかにも、その後、亀の甲を用いるようになりました。
古代の、律令制度では、朝廷の大切なことを決めるときに
卜部(うらべ)という役職が置かれ、
斎戒をして身を清めた卜部が、卜庭神(うらにわかみ)を
お祀りしたうえで、亀トがおこなわたのです。

伊勢の神宮でも、斎王制度があった時代、天皇がご即位されると
天皇に代わり伊勢の神宮にお仕えるすための斎王を、
未婚の内親王または女王の中から、
卜定(ぼくじょう)と呼ばれる占いの儀式で選ばれていました。

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宮中祭祀でも、皇位継承に伴うもっとも重要な祭祀
「大嘗祭(大嘗祭)」で、ご神前にお供えするお米の地域を選ぶ
「斎田点定(さいでんてんてい)」において、
亀卜(きぼく)が行われます。
これは、昨年の天皇陛下御即位の「大嘗祭」のときに
ニュースでも取り上げられていました。

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神話に登場する卜占が、
この今の時代にも受け継がれています。
今も執り行われています。
びっくりしませんか?

普段、私たちは知らずに暮らしていますが、
神さまと人とのつながりの深さ
それを今の時代にも受け継いでいるのです。

人生の重荷を自分一人で背負っている
そう感じているとき、
困難、壁、孤独……が、押し寄せてきます。

もし、自分一人ではない。
命の連鎖
私の命は、親、祖父母、曾祖父母……
遠い昔から、
いえ神代から
この伊邪那岐・伊邪那美命が遠祖(とおつみおや)
その命の連続性の先端にいるのが、自分
もし、もし、
そう感じることができたなら……。
背中に背負った荷が
少しだけ“軽く”なる気がします。

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太占の結果

さて、神話の物語に戻ります
伊邪那岐・伊邪那美さまの、悲しい赤ちゃんとの別れ。
なぜ、死産だったのか?
国生み・神生みの使命を果たすために、どうすればいいのか?

いざ、結果はどうだったのでしょうか?

あなたは、どう予想されるでしょうか?


「女神の伊邪那美命が、柱を巡ったときに、
先に言葉をいったのがよくなかった。
また地上に帰り降りて、改めてやりなおすのがよい」


という、ご神意が示されたのでした。

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―次回へ

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