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天照大御神さまの言よさし③ 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百二七

三年音沙汰なし 天忍穂耳命


こんにちは。雨の日曜日「ことの葉綴り。」に向かいます。そして、今日は満月ですね。

神さまも、さまざまな“失敗”を経験されて成長されていく神話。
「地上の穀物が豊かに成長する豊葦原の水穂國は、
我が御子、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)が
治めるべき国です」
と、言よさしをされた天照大御神さま。

長男の天つ神の天忍穂耳命さまは、天の浮橋から
地上の様子が騒がしいのをご覧になり、
高天原へ戻られました

報告をうけた天照大御神さまと、
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)さまをはじめ、知恵の神・思金神さまや八百万の神々は、会議を開きました。

そして、
天照大御神さまと須佐之男命さまの「誓約(うけひ)」で
生まれた男神の第二子・天菩比神(あめのほひのかみ)さまを
葦原中つ国へ派遣されました。

天照大御神さまは、息子の天菩比神に
地上の国つ神たちに「言向け」させようとしました。
言向けとは、相手に服属の言葉を言わせて従わせること
この言向けをさせた後、御子神を地上の降ろそうと考えたのです。


天菩比の菩比(ほひ)とは、秀でているという神様。
天照大御神さまはじめ、天つ神たち、みんなの期待を一身に受けて、高天原を出発し、地上へと降り立ちました!

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ところが……時は過ぎていき……。
天照大御神さまはじめ、天上界では待ちわびているのに、
3年たっても、地上に遣わせた天菩比神(あめのほひのかみ)さまからは、音沙汰がありませんでした

いったい、どうしたのでしょうか?

実は、天菩比神(あめのほひのかみ)さま、
地上の葦原中つ国に降りられると、
大国主神さまからの、たいそう歓迎を受けていました
そして、うまく話をされて、丸めこまれてしまい
気がつくと大国主神さまにへつらい従っていたのです。

きっと、豊かな水穂の国で、楽しく暮らしていたんでしょうね。

ご自分の使命を果たすことなく、
音信不通となってしまっていたのでした。

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二度目の派遣 天若日子に期待して

高天原では、天菩比神(あめのほひのかみ)さまの様子を
お知りになった天照大御神さま。

はあ~嘆かわしや~

高御産巣日神さまと、天照大御神さまは、
再び、高天原の神々を集めて、会議をひらかれました。
そこで、みなに向けてこう仰いました。

葦原中つ国に派遣した天菩比神(あめのほひのかみ)。
行ったきりで久しく帰ってきておらず、何の知らせもない。
ほかに別の神を、葦原中つ国へと遣わそうと思うが、
いずれの神を派遣すればよいだろうか?

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ここで、知恵の神の思金神さまが、一柱の神さまを提案されました。

「それでは、天の国魂の神である、天津国玉神の子の、
天若日子(あめのわかひこ)がよろしいかと思います」

うなずかれた天照大御神さまは、
鹿を射る聖なる弓矢「天之麻迦古弓(あめのまかこゆみ)」と、
大きな羽のついた矢「天之波波矢(あめのははや)」を
天若日子にお授けになり、こうおっしゃいました。

この聖なる弓と矢で、国つ神を言向けし、服属させてくるのです

はは~

吉報を待っていますよ

天若日子も、天照大御神さまはじめ、天つ神たちに見送られて
地上へと降りていきました。

さあ、二回目の派遣です。
それは、天つ神たちも期待しておりました。

ところが……。

ところが……。

1年、2年、いえ3年……過ぎても何の連絡もありません!

時短、時短を求める現代では、3年なしのつぶてって
信じられませんね。

ところが4年、5年、6年、
ええ~っ! 7年、8年たっても
まったく連絡がありませんでした!!!

いったい、 地上の葦原中つ国はどうなっているの~??

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―次回へ

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