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和み鎮める「鎮花祭」を 元伊勢五三 神話は今も生きている ことの葉綴り三八〇

 疫病流行を鎮める、十六団子

こんにちは。お天気のよい火曜日。お元気ですか?
私も早起きして、お参りとヨガへ。
桜も咲いていて美しかったです。
そして午後から「ことの葉綴り」に向かいます。
三月十六日は、「十六団子」の日でもあります。
これは、山と麓を行き来する、「田の神さま」が、里へと下りてこられる日といわれます。
そこで、里の人たちは、十六個のおだんごをつくり、田の神さまへとお供えをして、おもてなしをして、今年の農業の「豊作を祈願」したのです。
八四八年、京都の賀茂神社(上賀茂神社さんこと『賀茂別雷神社』かもわけいかづりじんじゃさんと、下鴨神社こと『賀茂御祖神社』かもみおやじんじゃさん)に、”疫病の流行を治めるため”に、十六の和菓子を、お供えしたのが由来だそうです。
今年は、疫病流行が早く収まり鎮まるように、お団子お供えをして、いただくのもいいですね(^^)

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鎮花祭(はなしずめのまつり)

前々回、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、伊勢の国で、荒ぶる伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)神をお鎮めになる祭祀をおこなったと、ご紹介しましたが、古には、荒ぶる神、祟り神、疫病の流行、疫神をと、お鎮めするためのご神事も、けっこうありました。

鎮花祭(ちんかさい)」もそうです。これは、はなしずめのまつりともいいます。
しかも、“国家で決められていた”のもおもしろいですよね。
古来から、が咲きはじめるころは、花の花粉季節の変わり目の不調心が乱れやすい時期と、ちゃんと、みんなに認知されていて、それを国をあげて、疫神を鎮めるための祭祀を、公で執り行っていたのです。


鎮花祭(はなしずめのまつり)」の由来も、もともとは、現在綴っている「元伊勢」物語の発端となった、第十代、崇神天皇さまです。

崇神天皇の御代、疫病が流行し、多くの人が亡くなりました。
そのことに心を傷められた崇神天皇さま。
奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)のご祭神の大物主神さまをお祀りしたのが、「鎮花祭(はなしずめのまつり)」のはじまりです。
それから、桜の花が咲き始めるころに、大神神社(おおみわじんじゃ)の大物主神(おおものぬしのかみ)さまの、荒魂(あらみたま)が祀られている、狭井(さい)神社でおこなわれるようになりました。


それ以降、多くの神社でも、「鎮花祭」がおこなれるようになり、神さまのご神前には、桜花の枝が奉られます

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今と昔、北風と太陽、禍に団子?

この時代には、春、花が風にのり舞うように飛散していくのと共に、疫神も四方に飛んでいって、疫病を起こすと考えられていたのです。
って、花粉症もウイルスも、今もそうですよね。

今に置き換えて、ちょっと考えてみたいと思います。
流行するウィルス、花粉症の辛さ、春の心の不調を、鎮まり退散して「鎮まってほしい」と、多くの人が願っていますよね。
文明や、科学技術が進んでいる現代。
禍やウィルス、菌と戦いながらも、苦戦しています。

古来、見えないもの、未知のものを、禍をもたらすものを、”これ以上、流行せぬように”と、疫神、荒ぶる神を、おもてなしをして、和み鎮まっていただくお祭りをしたように、花粉さん、ウィルスさん、心の不調さん、花の季節に風で飛んで流行する禍さんたちに、
ご苦労様です。もう十分ですよね? まあお団子でも食べて、お鎮まりください」と、おもてなしで和んでもらい、鎮まるのを祈る

北風と太陽のお話みたい……と、感じるのは私だけでしょうか?

あっ、「鎮花祭」のことで終わってしまいそうだ~(苦笑)

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はじまりは、崇神(すじん)天皇の御代

元伊勢」の物語に登場される、豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまは、第十代、崇神天皇の皇女です。
崇神天皇さまの御代は、「鎮花祭」もそうですが、天照大御神さまのご巡幸もはじまり、各地にお宮も建てられてと、神さまをお祀りすることで、皆が無事に安全に暮らせるよう、平らかに、安らかにな御代、社会を、心底願われていたのでしょうね。

豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまの使命を受け継いだ倭姫命(やまとひめのみこと)さま。
伊勢の国の阿佐加(あさか)の「藤方片樋宮(ふじかたかたひのみや)」で、荒ぶる神を鎮められましたよね。

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倭姫命さまの祈りを見守る神々


前回、前々回でご紹介した、「藤方片樋宮(ふじかたかたひのみや)」の「元伊勢」とされる「加良比乃神社」からひのじんじゃ)」は、
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さまが、である天照大御神さまに「高天原を統べるように」と、委ねられた御頸珠(みすまるのたま)のさまと、
凶事を吉へと変える「伊豆能賣神(いずのめのかみ)」さまが、ご祭神でしたよね。

倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、
荒ぶる神を鎮めるために祈られたときです。
きっと、皇祖神の天照大御神さまも、その父、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さま、さらに天つ神さまたちも、みな、倭姫命(やまとひめのみこと)さまの祈りをサポートされた気がしませんか?

父、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さまの、
娘、天照大御神さまへの想い委ねた愛と光を感じます。
きっと今も、高天原から見守ってくださっている気がするのです。

桜が咲き始めるころ、私たちも、「鎮花祭(はなしずめのまつり)」のように、花粉さん、ウイルスさん、鬱っぽく沈みがちな気持ちさんに、「お団子でもどうぞ」と、おもてなしの気持ちで、お供えして「まあ、お鎮まりください」と、手を合わせて、和んでもらう、古来の祈りの方法も“あり”かもしれませんね(^^)
あっ、#この春、やってみたいこと。
お団子で、おうちで、鎮花祭!」やってみます(笑)
長くなりました。お団子買いにいってきま~す。

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―次回へ

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