見出し画像

“色を好む”英雄?! 神様も失敗して成長した 大国主神⑬ ことのは綴り 其の二九

モテ男の大国主神
 


「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
こんにちわ。更新復帰18回目。テレワークのおかげで綴っています。
神話の神さまも、“失敗”されている。私たちも生き方や考え方を学べるといいな~と。自宅で過ごされている、どなかたの何かしら生きるヒントにでもなれば、うれしいです。


さて、さまざまな難関を乗り越えて成長し
葦原中つ国で、初めての王となられた大国主神さまは
根の堅洲国の王の須佐之男命さまがおっしゃった通り
娘神の須勢理比売を正妻として迎え
出雲の国の宇迦山のふもとに
天高くそびゆる柱のある荘厳な宮殿をかまえて、
初めての王となられました。

この宇迦山は出雲大社の近くの山だと言われています。
神話が今も息づいているのですね。


そこに、現れたのが
兄の八十神たちに向かい、
「私は、大穴牟遅神さまに嫁ぎます」
と、宣言された稲羽(いなば)の八上比売(やがみひめ)さまです。

久しぶりに再会されて、
逞しく成長され、
眼光も強くなられ
王としても威厳と気迫みなぎる
大国主神となられた“フィアンセ”を見て
それは、胸キュン💛されたでしょう。

大国主神さまも、八上比売さまとの再会を喜ばれました。
一目会って、結婚の約束をしたあの日……。
大喜びで、ご自分の宮殿に迎えいれられて、
2柱の神は燃え上がったのでした。

そして、約束通り、結婚されました。

????

あれ? 須勢理比売さまは??

そうです。

須佐之男命さまの姫神、根の堅洲国で運命の出会いをして
大国主神さまの絶対絶命のピンチを何度も救った
パートナーであり同士でもあります。

結婚も今の「一夫一妻制」とはちがいます。


元カノと正妻?!

古来、私たちの祖先は、性におおらかだったようですよ。
男女が自然に結ばれており、
そして「妻問婚(つまどいこん)」と呼ばれる自由恋愛による結婚の形。
男性が、女性の家に行って、求婚の歌を詠み
それに女性が返答したようです。

花嫁IMG_9502

ほら、『源氏物語』の光源氏
幾人もの姫と恋をした
すごいモテ男でしたよね。

この大国主神さまも、
神話一のモテ男! かもしれません。

そうはいっても、女性としては他の女性がいたら、
「ムムムッ メラメラ!!」
嫉妬の炎が燃えがります。

正妻になられたとはいえ、須勢理比売さまも
根の堅洲国という故郷を捨てて
親に反抗して駆け落ちまでして
恋の炎が燃え上がったのに……。

もともと気性も激しくプライドもある姫神です。
なんといっても、須佐之男命さまの娘ですから。


葦原の中つ国に来てみれば
他に結婚の約束した、姫がいただと~~!!
なんじゃい、そりゃ~!!!

なって当然のようにも思います。

八上比売さまからしても、
「妻問婚」でプロポーズされて
呼ばれてきたのに……
でも、怖い、怖い正妻の姫がいる!!

八上比売さまは、大国主神さまと結ばれて
子を身ごもります。

でも、きっと宮殿の中で、
毎日、暮らしながら
大国主神さまは好き
でも、正妻の須勢理比売さまがいる。
私に、すごい嫉妬されていて、怖い。

どうしたらいいんだろう

悶々と悩まれたのでしょう。

十月十日
お腹がどんどん大きくなっていきます。

私は、どうしよう

悩み抜かれたのではないでしょうか

八上比売さまも、兄神たちの求婚を退けて
まだ“いじめられっ子”だった大国主神さまの
神格(人格)や才能、魅力を
誰よりも早く見抜き
「この人に嫁ぎます」
と宣言された意志の強い姫神さま。

それでも、正妻である須勢理比売さまの
嫉妬の炎はすさまじかったのでしょう。
怖い、このままではいけない。
誰も幸せになれない、おそろしい……。


やがて赤ちゃんが生まれると、
八上比売さまは、決心されます。

生まれたての愛らしい赤ちゃんを
木の俣(また)に挟んで、
我が子を、「お願いします」と
一人(一柱)で、
稲羽のご実家へと
戻っていかれたのでした……。

故に、その赤ちゃん神は
木俣神(きのまたのかみ)
または、御井神(みいのかみ)とよばれました。

意志の強い女性神2柱
それぞれに嫉妬、苦悩されたでしょう。

実家に戻られた八上比売さまも、
ご自身で、歩む道を選ばれたのではないでしょうか。


でも須勢理比売さまのご苦労は消えたわけではありませんでした。

大国主神さまは、八上比売さまがいなくなられたことを悲しまれて
淋しさを感じられたようです。

そして、また、浮気……しちゃうんです。

あら、あら……

須勢理比売さまも大変です。

運命の出会いの恋で燃え上がったご夫婦の神様ですが
この先、どうなるのでしょうか。


―次回へ

桜IMG_9337


この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?