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最期の決意 七歳の王子と老齢の臣下 安康天皇十二 神話は今も生きている ことの葉綴り七六一

大安+平 平らかでありますように

おはようございます。温かな春を感じられそうな三月三十日(水)は、万事よしの「大安吉日」です(^^)皆さん、佳日でありますように。年度末でお忙しい方も多いでしょうし、四月からの新生活をスタートする方もいらっしゃいますよね。
大安」は、引っ越し、旅行、新たなことのスタートもよし! 結婚もすべて一日中吉日です。十二直も「たいら」も、物事が平等円満、平らかになる日。お祝いごと、相談ごとすべて障りなし。地固め、柱立て、壁塗りなどの建築ごと、引っ越し、旅行、結婚もよし。
二十八宿は「しん」も、婚礼、縁談、お祝い事、旅行に吉!物を仕入れたり、取引をスタートしたり、設備の工事もよし。
そして、ご神事、お参りに関する吉日「神吉日」です。
美しい桜を愛でながら、ちょっと遠出のお参りいかがでしょう?

早速神話の物語に入ります。
<神話の物語マガジン>
最新マガジンは、「仁徳天皇さまの物語」です。宜しくお願いします。

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<物語のふりかえり>

大長谷谷王おおはつせのみこは、兄の安康あんこう天皇さまを暗殺され、仇を取るために、天皇を殺した養い子で七歳の目弱王まよわのみこをかくまう年老いた家臣都夫良意富美つぶらおほみの屋敷へと攻撃をしかけていきます。

大長谷谷王おおはつせのみこにとって、都夫良意富美つぶらおほみは、結婚を約束した訶良比賣からひめの父でした。
都夫良意富美つぶらおほみは、娘の訶良比賣からひめを、后にと嫁がせることを大長谷谷王おおはつせのみこに告げます。
ただ、臣下である自分の屋敷に皇子が逃げ込んできたことは、古来から今に至るまで一切なかったことだと語り、「幼い身で臣下のもとに逃げ込んできたの目弱王まよわのみこを、我が身が命を落としても、さし出すわけにはいかない」と、告げると、地面に置いた武具を手にすると、大長谷谷王おおはつせのみこに背中を向けると屋敷の中へと入っていってしまったのです。

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都夫良意富美つぶらおほみ目弱王まよわのみこ

戦が再び始まりました。
弓矢が、両軍から飛び交っていきますが……次第に、都夫良意富美つぶらおほみの兵士から放つ矢は少なくなっていき、兵士たちも負傷し、戦力が落ちていきます。

屋敷の中にいる兵士も、弓矢も食料も……すべて限りがあります。
大長谷谷王おおはつせのみこの軍隊と比べると、その差は明らかでした。

それでも、年老いた都夫良意富美つぶらおほみは、自分を頼ってきた目弱王まよわのみこを懸命に守ろうとしていました。

屋敷のあちこちに火の手も上がっています。
都夫良意富美つぶらおほみも、敵方の弓矢に射抜かれてケガをしてしまいます。
それでも、なんとか持ちこたえていたのですが……

やがて……都夫良意富美つぶらおほみの兵士たちの力も、そして射る弓矢さえ、一本もなくなってしまいました。

そのときになり、都夫良意富美つぶらおほみは、目弱王まよわのみこに向かいあい、ゆっくりとこう語りました。

目弱王まよわのみこさま。私は負傷し痛手をおいました。そして、我が兵士の矢も尽き果ててしまいました……もう、戦えませぬ…………目弱王まよわのみこさま、どういたしましょうか? 爺である意富美《おほみ》は、王子みこさまに従いまするぞ

目の前に繰り広げられている戦の様、皆が命を打ちない、傷を負い、弓矢もなく、屋敷中が燃え始めている……七歳とはいえ、目弱王まよわのみこにも、何が起きているのかは、理解できていたのです…………そして……。

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―次回へ


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