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婚約者は守りたい 安康天皇十 神話は今も生きている ことの葉綴り七五九

二十八日は不動明王さまのご縁日

おはようございます。毎月二十八日は「不動明王さまのご縁日」。
全国のお不動さんでは、護摩炊きがおこなわれます。
人々の迷い、苦しみ、煩悩と悪を絶ち、すべての人々を救う慈しみのお心から、不動明王さまは、献身的に他者に奉仕する青黒色の肌の「奴僕ぬぼく」のお姿をされているそうです。
煩悩を焼き尽くすお護摩の聖なる火に、心も浄められそうですね。
三月二十八日(月)の暦は、六曜は「先負せんぶ」で、午後が吉。万事に平静を心掛けたい日。勝負ごとや急用はさけてよし。十二直は、障害を取り除く「のぞく」。病院へのかかりはじめ、薬も飲み始めにいい日。もちろんゴミやほこりを取り除くお掃除、体内のデトックスもいいですね。
二十八宿の「ひつ」は、祭祀、お参り、建築や工事の開始。不動産取得、葬儀に吉です。
お不動さまにお参りして、桜のお花見もよさそうですね。

さて、神話の物語に入ります。
<神話の物語マガジン>
最新マガジンは、「仁徳天皇さまの物語」です。宜しくお願いします。

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安康あんこう天皇さまの物語振り返り>

第二十代、安康あんこう天皇さまは、可愛い末弟の后にと縁談を持ち掛けた叔父、大日下王おおくさかのみこを、使者の「嘘」により、誤解をしたまま殺害してしまいます。
叔父の妻であった長田大郎女ながたのいらつめを、皇后に、幼き子目弱王まよわのみこも養い子として引き取りました。
七歳の目弱王まよわのみこは、ふとしたことから、父を殺したのが安康あんこう天皇さまと知ってしまい、父の仇討ちに、天皇を殺してしまい、幼い手を血に染めます。
そして、父に長年仕えていた年老いた家臣、都夫良意富美つぶらおほみの屋敷に逃げ込んだのです。
一方、兄の天皇が、目弱王まよわのみこに殺されたことを知った、末弟の大長谷谷王おおはつせのみこは、あまりの悲しみと憤怒から、二人の兄黑日子王くろひこのみこ白日子王しろひこのみこに、「仇討ちを」を持ち掛けますが、煮え切らぬ態度に、兄二人を殺めてしまいます。

そして、自ら軍隊を起こし、目弱王まよわのみこが逃げ込んだ、都夫良意富美つぶらおほみの屋敷を取り囲み、弓矢を放ちます。
都夫良意富美つぶらおほみも、応戦しますが……。

攻撃をやめい!
大長谷谷王おおはつせのみこは、屋敷の門へと近づいていき、都夫良意富美つぶらおほみへと、こう呼びかけたのです。


私が婚姻を約束した乙女、訶良比賣からひめは、この屋敷にいるのではないか?

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許嫁いいなずけ訶良比賣からひめ

都夫良意富美つぶらおほみも、この皇子の問いかけを聞くと、兵士の攻撃の手をとめさせて、自ら屋敷の門へと進みでました。
そして、武具を解くと、大長谷谷王おおはつせのみこに、丁寧に八度拝で、うやうやしく頭を垂れてから、こう答えました。

大長谷谷王おおはつせのみこさま。たしかに、先日、御子さまが、妻にとお召しになられた娘の訶良比賣からひめは、こちらにおります。娘は、御子さまのお側にお仕えするでありましょう。加えて、五ヵ所の私の葛城の私有地の屯倉みやけを添えて、娘をあなたさまへとおくりだしましょうぞ

うむ
大長谷谷王おおはつせのみこも、どこか安堵したようにうなづきました。
このまま戦が続けば、軍隊の規模からいって、都夫良意富美つぶらおほみたちは全滅するでしょう。そうなれば、結婚を誓った訶良比賣からひめも命を落とすことになってしまいます。
訶良比賣からひめの命は守りたい! 私の后にどうしても迎えたい。それは叶いそうだ。

一方、年老いた都夫良意富美つぶらおほみは、ゆっくりと堂々と、冷静に、さらに話を続けていきます。

しかしながら、私の屋敷におられる目弱王まよわのみこさまを、お引き渡すわけには参りませぬ!!

なぬ?!! 何故?

妃の父となる都夫良意富美つぶらおほみの予想外の一言に、大長谷谷王おおはつせのみこも、驚きを隠せません。
娘が嫁げば、舅となり義父になる間柄になるのです。

では、都夫良意富美つぶらおほみのその真意はいかに……。

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―次回へ


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