神に仕える宮人赤猪子雄略天皇十二 神話は今も生きている ことの葉綴り七八四
婚礼に吉日の土曜日
おはようございます。皆さん、今週一週間お疲れ様でした。
週末はゆっくりできますか?
さて四月二十三日の暦は、「先勝」で、午前が吉。急用や訴訟にいいとされる日。先手必勝!ですね。
十二直は「満」で、すべてが満たされる日。でも控えめがよし。祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、引っ越し、旅行、建築、新たな事業、種まきに吉。
二十八宿は「胃」で婚礼、開店開業、就職、仕事探し、設備の工事、引っ越しに吉
あとは、特に婚礼によいとされる「母倉日」で、母子を慈しむように人々を慈しむ日。そして、「神吉日」で、ご神事やお参り、ご先祖をお祀りすること、お墓参りも吉。
そしてお月様は下弦の月です。
皆さん、ゴールデンウィークも間近。楽しい週末をお過ごしくださいね。私は、今日からまた旅に出て参ります!
さて、今日も神話の物語に入ります。
<第二十一代雄略天皇さまがご即位されるまでの波乱の物語はこちら>
謀反に策略、家臣の裏切り、深い忠誠心、復讐が復讐を生んだ悲劇の連鎖……そこで生き残り、大長谷谷王が、ご即位されるまでの物語はこちらです。
神に仕えた引田部の赤猪子
雄略天皇さまは、かつて引田部の赤猪子という容姿端麗を、「宮中に召し上げる」と告げてそのままお忘れになってしましました。
齢を重ねて老女となって表れた赤猪子の、変わらぬ乙女心に、心動かされて、赤猪子の御歌を詠まれました。
神聖なる三輪山のお社のご神威のある樫の木。
この神聖なる樫の木のように、近寄ることが忌みはばかれるよ
三輪の橿原の乙女よ
引田部の若い栗林のように
ああ、若いころに、そなたと一緒に共寝をすればよかったのに……
すっかり老いてしまった……
この御歌に、媼となった赤猪子も、待ち続けた長い歳月の想いが受け止められて、感激のあまり溢れだした涙がとまりませんでした。
身に着けた赤く摺りつけた衣の袖を、嬉し涙で濡らすほどでした。
そして雄略天皇さまの御歌に答えて次のような歌を詠みました。
三輪のお社の神さまのお社に
築かれた玉垣
築き残しのように盛りを過ぎて取り残された私は
今は、誰に頼ればいいのでしょう。
神さまのお宮にお仕えしている宮人(巫女)の私は……。
あら? ここからわかることがありますね。
赤猪子さんは、神さまにお仕えする巫女なのですね。
引田部とは、神社の祭祀にたずさわる民だったようです。赤猪子さんの猪も、神さまにお仕えする聖獣なんですね。
天皇が詠まれた“三輪の橿原の乙女よ”も
神さまにお仕えする宮人、御子の赤猪子さんのことなのですね。
赤猪子さんは、またもう一首歌を詠まれます。
それは次回にー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?