不滅の想いを紡ぐ……ことの葉綴り一〇一六
おはようございます。十二月十一日の日曜日。
暦は、六曜は「仏滅」で勝負なしの日とされますが、十二直は、「開」で、開き通じる日。運を開くために、祭祀、お参り、建築、引越しに吉。二十八宿は「星」とかいて「せい」で、祭祀、お参り、治療はじめ(日曜ですが)、トイレ改修に吉。
少し曇り空で寒いですが、皆さん、お元気でお過ごしくださいね。
「能 狂言『鬼滅の刃』」
野村萬斎さんが、演出を務められて、さらに謡本補綴。しかも、鬼無辻無惨、竈門炭次郎の父の炭十郎、育ての鱗滝左近次、なんと、炭次郎の鎹烏の四役も務められていました。
能楽師観世流の若手、大槻祐一さんが、炭次郎
狂言の萬斎さんの息子の野村裕基さんが、我妻善逸と、錆兎役。
狂言の野村太一郎さんが、嘴平伊之助を。
人間国宝の能楽師の大槻文藏さんが、監修と、那田蜘蛛山の下弦の鬼、塁で登場されて……
人も鬼、鬼も人
苦しさ、人の悲しさ、鬼の虚しさ
『鬼滅の刃』のテーマでもある、「受け継いでいく」
を、古典芸能の道を“受け継ぐ”ことを、若手の方との共演で、また脇で支えながら体現されているのも感動しました。
冒頭、萬斎さんが、“あの”マイケル・ジャクソンとも呼ばれる、黒スーツ姿の鬼無辻無惨で登場!
次には、「翁=新作儀礼 日の神」として、炭次郎が、「ヒノカミ神楽」を、父、炭十郎から伝授、伝承されていく姿が描かれます。
鎹烏鎹烏たちや、刀鍛冶の鋼鐵塚の場面もありと、重厚さの中にまた狂言のコミカルなおもしろさもあり、かまぼこ隊(炭十郎、善逸、猪之助)を演じる若手の活躍もあり、本当に、生で、しかも古典芸能で、『鬼滅の刃』の世界観が、そこに存在していて、素晴らしかったです。
感動しました。
能楽堂の舞台には、正面奥の「鏡板」には、大きな松が描かれていて、これは春日大社の松を模したものだそう。木造建築の質素でシンプル、でも格式ある品があり。その一つ一つの意味の奥深さ。
「橋掛かり」という、入場の通路(歌舞伎だと花道っぽい)があります。
ここは、まさしく「異界」と「現世」を繋げるところ。
能でも、「ワキ」の方が、僧侶役が、鬼や霊を迎えて受け止めて成仏させる演習が多くあるそうです。
能楽堂の舞台そのものも、一つの「聖地」。そして「鎮魂」する場でもあり、また日本の古来から伝承されている真髄には、「人は鬼、鬼も人」と、鬼や霊(多様性)を受け止めて、そして鎮める……
まさにこれは、いつも綴っている「倭姫命さまのご巡幸の物語」にも登場する、荒ぶる神を、もてなして鎮める……その真髄のこころそのものだなと痛感し、『鬼滅の刃』を好きな理由とともに、古典芸能の能、狂言の奥深さ、深い深い叡智、それを受け継がれている姿にも、本当に感動しました。
まさしく
人も鬼、鬼も人
不滅の想いを紡ぎ、舞う
公演回数がとても少ないので、もっと公演してほしい!! と願わずにはいられませんでした。
抽選があたり、目にすることができて本当にうれしかったです。
公演終わりに能楽堂を出ると、冬空には満月に近い美しい月が出ていました。今回は、『能狂言 鬼滅の刃』になってしまいました(^^)
―次回へ
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