和歌・わたしに恋ひ死ねということですか
「夕されば蛍よりけに燃ゆれども
光見ねばやひとのつれなき」
古今和歌集・紀友則
(夜になれば蛍よりも明らかにわたしは恋心を燃やしているのに、この光が見えていないのだろうか。愛しいあの人はつれない)
夜になると一層、
あなたが恋しくてたまらなくなる。
わたしは蛍よりも
身を焦がして恋心を燃やしている。
あなたが愛しい、
わたしのこの想いに気づいて欲しいと、
命懸けで恋心を燃やしている。
それなのに、あの人はつれない。
わたしはあなたに気づかれないまま、
恋の炎で身を燃やし尽くして
死んでしまいそうです。
わたしに恋ひ死ねということですか。
なんて、ひどい人。
それでも
あなたに恋せずにはいられないのです。
どうかお願い、こっちを向いて。
振り向いて。
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