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臨床心理教本。

描写よりも心理学の教科書的な説明文がやや多め。
ものがたりも、臨床心理の手法を軸に進んでいく。
正義とは何かではなく、深層心理を突いた推理小説。

淡い恋心のようなものでカモフラージュされつづけた曖昧さによって、
主人公の抱える掴みどころのなさへと、読者まで引きずり込まれていく。

この読後感の気まずさすら、著者による心理作戦なのか。
そうだとしたら、思いっきりしてやられた。

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僕たちの正義』平沼正樹
 ★★★☆☆
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