中川多理 Tari Nakagawa

◇人形作家 ◇作品の悪質転売と裁判の経過報告、ギャラリーストーカー問題について書き留め…

中川多理 Tari Nakagawa

◇人形作家 ◇作品の悪質転売と裁判の経過報告、ギャラリーストーカー問題について書き留めています ◇本のこと・読書についての覚え書き ◇ ☞https://twitter.com/kostnicehttps://www.kostnice.net/

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【新刊】『人形歌集 羽あるいは骨』 川野芽生/中川多理

『人形歌集 羽あるいは骨』ができるまで まさに企画が生まれた瞬間のお話です。 こちらもぜひご覧ください。 川野芽生『かわいいピンクの竜になる』 川野芽生さんから初のエッセイ集『かわいいピンクの竜になる』を御恵贈いただきました。左右社さんでのweb連載を楽しみに拝読していたのですが、この度一冊の本に纏まったとのこと。おめでとうございます!(現在#1のみ無料公開されています。) #3章「人形は頷かない」でパラボリカ・ビスの個展に足を運んでくれていたエピソードが書かれていま

    • #今年のベスト本・漫画・映画

      #2023年上半期の本ベスト約10冊 『サハリン島』チェーホフ 『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子 『春と修羅』宮沢賢治 『薔薇色の脚』中川多理人形作品集 『地図と拳』小川哲 『安西冬衛全詩集』安西冬衛 『タタール人の砂漠』ブッツァーティ 『迷宮遊覧飛行』山尾悠子 『ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家』エイミー・ノヴェスキー他 『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一 『薔薇色の脚』中川多理人形作品集を入れたのは手前味噌ですが、御寄稿頂いた掌編・

      • 中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」③

        中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné 最後の小鳥たち 山尾悠子さんの掌編『小鳥たち』より生まれた連作、小鳥と少女の形態を使い分けるよう厳しく躾けられた編み上げ靴の侍女たち。沢山の侍女が羽ばたいていきましたが、この度最後の3体を送り出す事となりました。 シリーズ連作の作品は、大きさやクオリティを揃えるために型を使用して制作しています。また、より強固な素材に変換する為の作業でもあります(石粉粘土→モデリングキャスト、ビスクなど)。私の場合は、だいた

        • 中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」②

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」 Petit(プティ)-bisque ver. パラボリカ・ビスの企画「Little creatures展」で生まれた10センチサイズの革ボディのシリーズです。こちらもビスクで焼いたらどうなるかな?という好奇心のもと制作してみました。 かなり縮むだろうし、人形にするの難しいかな?と思ったけれど、ボディのサイズや手足の大きさでバランスを取って、良い感じに仕上がりました。 今までの子よりちょっとだけ小さい、弟

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        【新刊】『人形歌集 羽あるいは骨』 川野芽生/中川多理

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        • 作品の取り扱いについて
          4本

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          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」①

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」 12月15日からオープンしております「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」。ちびっ子の動物達と灰鳥さんと小鳥の侍女の饗宴です。 きっかけは、久しぶりに小さな子達を作ったので「プチっとした展示がしたいな」という所から始まりました。ちょっと変わった場所を押さえてくださったので、そちらに向けて準備をしていたのですが、この会場がポシャってしまい…改めて仕切り直しとなりました。 その顛末はこちらよりど

          中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」①

          メルカリ転売者②・続き

          ヤフオク・メルカリ等、フリマ系プラットフォームを悪用した、第三者による不当な転売が後を絶ちません。 メルカリには出版社直販で作品集を卸しています。直販(一次販売)で適正価格で出品する事によって、転売屋の商品に手を出す人が実質居なくなる事を目的としています。  この辺りはこちらも併読ください。様々な転売屋対策に皆頭を悩ませています。 (「サイン本を1万冊制作して物理で価値を下げる」が豪腕でした…(笑)) そして、毎回こういうのが沸いてくるんですが、第三者による転売を禁止し

          メルカリ転売者②・続き

          メルカリ転売者①:anyaネコネコ

          1:事の起こり こちらの記事のメルカリアカウント:anyaネコネコは「松井冬子サイン入り夜想」の頃からパラボリカ・ビスを狙い打ちし、作家サイン本を展示会場で入手しては高額転売を繰り返しています。 フリマアプリ「メルカリ」で anyaネコネコさんが販売中 素知らぬ顔で展示会場に現れては、作品のファンの素振りをしつつ会場限定本を入手して、メルカリで高額転売しています。 作品を観に来てくださった大切なお客様として、真摯に対応に当たっていたスタッフも、作家も大変なダメージとシ

          メルカリ転売者①:anyaネコネコ

          【新刊】『薔薇色の脚』中川多理人形作品集

          著者最新の人形作品集『薔薇色の脚』が発売になります。 近年取り組んでいた、山尾悠子さんとのコラボレーションにより生まれた「小鳥たち」「薔薇色の脚」の人形達が全収録されています。 作品集を纏める際に、いつも「この子も載せたい…」「構成上この子は外して、こちらを入れて…」とクォリティを上げるために泣く泣く沢山の人形達の中から取捨選択しているのですが、今回は全員取りこぼしなく掲載されています。こういった形で纏まるのは初めての試みなので、とても嬉しいです。 それでもカタログ的には

          【新刊】『薔薇色の脚』中川多理人形作品集

          はじめに

          ・主なコンテンツ 悪質転売者による転売・誹謗中傷行為と裁判について書き留めています。 悪質転売者、転売店による作品の取り扱いについての問題を書き留めています。 読書についての覚え書き。本にまつわるメモなど。 作品について、少し長めのお話。 「転売裁判関連」「本のこと」「人形のこと」の3項目を中心に更新しています。 お好きなマガジンをどうぞ御登録ください。

          『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』より宮沢賢治『春と修羅』へ

          梯久美子:著『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』は、ある想いを持ってサハリンを目指した作家達の軌跡を辿る旅の記録です。目指すというよりも、その時樺太/サハリンへ行かざるを得なかった作家としてチェーホフ、そして宮沢賢治の道程を追っています。 + 以前、宮沢賢治の詩から連想して「薄明穹(はくめいきゅう)」をテーマに「水琴窟」という鈍色に光る眼の、方舟のような作品を制作しました。賢治の詩には何度か「薄明穹」という言葉が登場しています。月や天体を表したものではないかと言われ

          『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』より宮沢賢治『春と修羅』へ

          『ゴールデンカムイ』からチェーホフ『サハリン島』へ

          PASSAGEの書棚で「樺太/サハリン」特集を組んでいます。 昨年完結した『ゴールデンカムイ』連載を追いかけながら、いつかロシア”極東の玄関口”ウラジオストク、あるいは”樺太”サハリンを訪れてみたいと思っていました。 しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、それも叶わぬ事となりました。サハリンはビザこそ必要なものの、稚内からコルサコフまで定期連絡船で4時間半、往復36,000円で行けたのです。現在、稚内・コルサコフ定期航路の運行再開は絶望的とのこと。こんな情勢になるとは

          『ゴールデンカムイ』からチェーホフ『サハリン島』へ

          『薔薇色の脚』出版記念個展に寄せて

          2023年2月23日から新刊作品集『薔薇色の脚』の出版記念個展を行います。昨年末より手がけていたビスク作品を初お披露目します。 これまで、人形を作る時に眼前に浮かぶビジョンとして、 遠い先の世界(同じ時間軸には無い世界かもしれない)に、風化し漂白された骨の様な姿の人形達が安らかに目を閉じて遺跡の様に立ち現れる姿があり、そういった象の人形達を繰り返し、忘れない様に粘土で制作してきました。 いつか百年を超えてその姿を保ち続けるビスクの手法でこの子達を制作したいと思い描いていま

          『薔薇色の脚』出版記念個展に寄せて

          『私が選ぶ国書刊行会の3冊』

          国書刊行会創業50周年記念小冊子『私が選ぶ国書刊行会の3冊』に寄稿いたしました。錚々たる顔触れの選者の一人として加えて頂き光栄です。創業40周年の記念冊子を手にしていた時は(あれから10年…!)まさかこんな日が来るとは思ってもいませんでした。 私が選書したのは ・『山尾悠子作品集成』山尾悠子 ・『腐爛の華』ジョリス=カルル・ユイスマンス 田辺貞之助訳(新装版) ・『ネクロフィリア』ガブリエル・ヴィットコップ 野呂康、安井亜希子訳 以上の三冊です。 この三冊については是非『

          『私が選ぶ国書刊行会の3冊』

          PASSAGEーポール・エリュアール広場2番地

          このたび神保町PASSAGE by ALL REVIEWSで一棚書店の店主になりました。 ポール・エリュアール広場2番地(入り口右手3列目・1番上)です。その時気になっている本、好きな本を紹介しています。是非訪れてみてください。 以前から気になっていたのですが、ポール・エリュアールの棚が空いていたので思わずゲットしました(書架の一番上で、おそらくちびっ子には脚立必須なので、良き場所が空けば引っ越しを目論んでおります(笑)) フランスの詩人ポール・エリュアールは、ハンス・ベ

          PASSAGEーポール・エリュアール広場2番地

          川野芽生『無垢なる花たちのためのユートピア』 読了

          読書についての覚え書き。 はっきりいって裁判中は、膨大な訴訟関連書籍・資料の読み込みと組み立てに脳のリソースを使うので、同じ文章といえど、文学や物語を読むことが全くできませんでした。その中において、山尾悠子さんの作品を賜り、薔薇色の脚を制作できたことはとても有り難かったです。何度も読んだ大好きな作品だからこそ、するすると身体に入っていくし、物語と接するリハビリとなりました。(今現在は慣れたので、並行して読書を楽しめる様になりましたが)。 + そんな訳で、ゆっくりと味わう

          川野芽生『無垢なる花たちのためのユートピア』 読了

          【Caution:作品の購入方法について】

          ※海外の方からのお問い合わせが増えているので、作品の購入方法をアップデートしました。 1:Please read more about how to purchase my doll here. (English Ver.) Tari Nakagawa's original works are sold directly only at Parabolica-bis Gallery. Works can be purchased at gallery-sponsored

          【Caution:作品の購入方法について】