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開業から3ヶ月・・自分に合った起業の形

開業から3ヶ月が過ぎたカウンセリングルームHAKONIWA。
「え?まだ3ヶ月?」
と思うぐらい濃縮、かつ目まぐるしい日々でした。

2022年もそろそろ終わり・・・ということで、起業して感じた事や見えたものを振り返ってみようと思います。

◆偶然は必然。

そもそもルームの立ち上げを決定付けたのは、古民家を格安で借りられるチャンスを頂いたからでした。

ではそのチャンスはどうやって降って来たかと言うと、2021年~2022年にかけて降り続いた大雪が原因でした。
現在、ルームとして使わせてもらっている大家さん宅も我が家も、大雪のせいで屋根が破損。ご近所だったためちょこちょこ外で会話をするようになり、業者さんの手配や対応を相談するうち信頼関係が生まれ、賃貸の契約をすることになりました。

2021年12月27日の大雪

この大雪が無かったらいまだにオンラインカウンセリングしかできず、ネット集客に頭を悩ませていたと思います。
店舗があるからこそお客様にも来て頂けるし、子どもたちを焚き火や工作で遊ばせてあげられます。地域の方にも応援して頂けています。

偶然とはいえ、私の人生においては必然な出来事になりました。
そもそもこの古い家に引っ越していなければこの出会いも無く、また、子どもが不登校になっていなければカウンセラーになる事も引っ越す事も無く・・・。
さらに言えば、2回の離婚をしていなければ・・、あの仕事を辞めていなければ・・。あの親に育ててもらわなければ・・・と、キリがありません(笑)。

どんな偶然も必然。
しみじみ感じます。

◆失礼を受け取る。

私の住む集落では、おばあちゃんやおじいちゃんたちがよく物をくれます。

「失礼かと思ったんやけど・・。」
と使わなくなった文房具や、収穫した野菜、果物、自家製のお漬物などなど。未使用の防寒手袋や懐中電灯まで頂いたことがあります。

頂いた大量のさくらんぼ

この「失礼」というのは受け取り手に全てが委ねられます。
「うちが貧乏だと思って!」とか「こんなお古を使わせるなんて!」と変なプライドびんびんでいると素直に受け取れません。「失礼ね!」となってイライラ悶々の原因となりメンタルヘルス上よくありません。

昔仲の良かったあるお母さんは
「あげると言われたら躊躇なくもらう!なんでももらう!」
と目をキラキラさせて話していました。

彼女は人が使わない物をアイデアで蘇らせる知恵と技術を持っていました。タダで人生を豊かにできる強者です。

「失礼かと思ったんだけど」
の言葉の裏には、そこに至るまでに色々思案してくれた思いがあります。
その思いを素直に受け止められるよう、自分の心のケアは常に心掛けたいところです。

また、起業をする上で人からの支援は無くてはならないものです。それがあるからこそ深いつながりが築けたり、助け合える仲間が生まれたりする。
「失礼かしら」と思いながらも差し出してくれた思い。
モノと共に相手の心も受け取れる人間でいたいと思う今日この頃です。

◆謙虚より無鉄砲。

実は、ルームの大家さんに「家を貸して欲しい」とお願いするまで約2週間かかりました。

頭の中で多くのメンターたちが議論していて、結論が出ないまま時間ばかりが過ぎていました。

・「そんな事頼める間柄じゃないだろ」
・「言ってみなきゃわからん」
・「あっさり断られて落ち込むに決まってる」
・「変なプライドは行動の邪魔」
・「お金もないのに無鉄砲過ぎ」
・「そうやって格好つけて生きてきた結果が今だろ」

などなど。
勝手にメンターの言葉を想像して、盛り上がったり落ち込んだりしていました。

でも最終的に決めたのは
(あ~もう、白黒つかない状態が苦しい!)
という私の性格的なせっかちでした。
さっさと答えを出して、ダメならダメで次を考えるというのが良くも悪くも私の性格です。煮え切らない状態はどんどん自分を嫌いになって苦しくなります。

壁紙を張り替える前のルーム

結果、今のカウンセリングルーム開業となったわけですが、つくづく、人生は謙虚さよりも無鉄砲な図々しさだと思います。
どう思うかは相手次第です。そこまでこちらはコントロールできない。

いつか図々しいお願いをする事になるかもしれない・・・。
その時に断られても円満な関係を続けられるよう、やっぱり思いやりを持ったコミュニケーションは大切です。

そしてやらない後悔よりやった後悔です。
謙虚でいるよりも恥を覚悟の無鉄砲に振り切れるかどうか。

安定とは程遠いですが、たった一度の人生なのでバカになり切るのも悪くない。

日本の起業家の割合は1.1%とも言われています。(参考→https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kigyouishiki_220126_1.pdf
そのうち女性の起業家は26%程度。
希少中の希少。レア中のレア。いうなれば変わり者です。

どうせ「変わってるね~」と言われるなら、とことん波乱万丈に振り切って命を燃やして生きるのもありです。

◆ぷろふぇっしょなる

小さいながらも起業すると出会いが増えます。
普通に暮らしていては出会えないようなタイプの人と深い話ができるようになります。

色んな人と出会いましたが、集客を楽しみ(マーケティング)、お客様の喜ぶ顔で幸福を感じ(セルフマネジメント)、常に学びに徹する人(ブレインストーミング)は見ていて清々しいです。価値観が固定されてないので視野が広く柔軟です。
「よし!やろう!」
と即決できる覚悟のある人も面白い。ダメ元の精神も肩の力が抜けて楽になれます。
そばにいると色々大変な事もありますが、走りながら勉強できるので無駄が無いです。

どうせやるなら三方良しの理念を掲げてぷろふぇっしょなるな起業家でありたい。

私的な「ぷろふぇっしょなる」の条件は
・自分や仕事の課題に向き合える
・人と違うことが快感
・幸せは自分で作る(自分の機嫌は自分でとる)
・困難(ストレス)をゲーム感覚で楽しめる
・とにかく先にGIVE
・お金も悩みもため込まない
・喜んでもらえないと満足しない

こんな感じかと思っています。
やっぱり人間力。お客様を笑顔にするためには、自分のメンタルを健全に保つ事です。
「私を幸せにして」と考える経営者は見透かされます。本業のカウンセリングにおいても「傾聴」ができません。

やるからにはぷろふぇっしょなる。
まだまだ学ぶことは山盛りです。

◆焦ると地獄

今まで色んな仕事をしてきましたが、今回はそんな過去の反省点を生かした仕事のやり方ができていると感じます。
どことなく腹が座っている心持ち。年齢を重ねたせいかもしれません。

若い時は元気に任せて突っ走ってはずっこけて、立ち上がりもしていないのにまた飛び出す・・・といったハチャメチャな状態で生きていました。

そもそも人に使われるのが嫌な性格。その辺も全く理解出来ていませんでした。振り返ると自分が自分でなかったと感じます。
人の目ばかり気にして、上か下かの人間関係。正直、地獄でした。

そう・・。
自分が自分でいられない状態は非常に苦しいものです。言葉一つ、行動一つ。操られている感覚があると心はどんどん疲れていきます。

「大丈夫。私は私でしかないんだから。私を楽しもう。」
今そんな風に考えられるには、矛盾しているようですが地獄を見たからなのかもしれません。

TVコマーシャルに振り回され、子どもからの情報に踊らされ、幸せとはモノを買うことと信じ切っていた私。
「普通の社会人になる事がこんなにハードルの高いものなのか・・・。」と絶望していました。私じゃ無理だ、と。

でも子どもを育てなければいけないので諦める訳にはいきません。そうなると焦ります。もっと働かなきゃ、もっと動かなきゃ。
家事一つ、出来ていない自分を責めたりします。悪循環です

「はこ・びば」での山への散策と工作品

最近
「お客さんは来てくれるけど、まだ私のお給料もらってないんですけどぉ。」
と長女が冗談めかしに愚痴ります。

確かに今はまだ、家賃払って光熱費払って、その他もろもろ清算したら人件費が出ない状態です。
私もずっとただ働き。なんなら私の財布から出ていく事も多々あります。

でも私は言います。
「焦りは禁物。焦るとろくな事にならない。今来てくれてる人を大切にするのが最優先。大切にしてたら2年後3年後に、偶然は必然だったと思えるようになるから。とにかく楽しもう。」

長女は私と違って石橋を叩いて叩いて、叩き割って同じ場所にいるタイプです。
それも良しです。そんなタイプは今の自分を大切にでき、むやみに傷つかなくて済みます。

大事なのは自分を知ること。それができたら、人と比べて焦ることも自分を否定することも無くなります。

焦ると平常心が無くなって自分を見失ってしまいます。自分が自分でいられない状態は地獄と同じです。
そして焦りは人を大切にできなくさせます。
人を大切にできないと、人に大切にしてもらえません。人間関係の基本です。

今、周りにいてくれる人を何よりも大切に。
HAKONIWAに集ってくれる人や応援してくれる人を大切に。勿論家族も友人も。

人生にもビジネスにも近道は無いと心から思います。
丹念に丁寧に今日を生きること。その結果どうなるかはお楽しみでいいと思っています。

焦らない。慌てない。自分を見失わない。
それが大切なのだとたくさん失敗してたどり着きました。

イベントをする和室

◆自分に合った起業の形

少し前に流行った「イカゲーム」という韓国ドラマを見たのですが、その中で「ただ遊びたかっただけ」というセリフがありました。
私はこの言葉にいたく共感しました。

今HAKONIWAでやっている焚き火や親子イベント(はこ・びば)、ナイトイベント(ゆる夜)は、私の「ただみんなで遊びたい」という思いを商業化しただけのように感じます。
そしてその根底には、子どもの頃、友達と鬼ごっこしたり魚取りしたり、ドロケーしたり秘密基地を作ったりした楽しい思い出があった。

私は大人になった今もただただ遊びたいだけなのかもしれません。

遊ぶにはリアルで出会える人たちが必要です。大好きな焚き火も、やっぱり横にいて「煙っ!」とか「暖かいね~。」と場を共有してもらう事で喜びが生まれます。私にはそれが必要でした。

でも、プログラムが好きな人は1人が基本ですし、アーティストは自分の世界に浸る必要があります。
仕事はその人その人の特性に合った形になっていくものです。

私は古民家を一軒あてがわれた事で自由に遊べるようになりました。次から次へ企画が湧いてきて、娘に「ちょっと休もう。」と言われるくらいです。

樫の木ワークでできた作品
「はこ・びば」でお母さんが作られた工作ツリー

自分に合った起業の形。
簡単にできる時代だからこそ、世間や情報に振り回されず見極めなければいけないと感じます。

そしてその為には「自分を知る」ことです。
何が好きで何が嫌いか。何がやりたくて何がやりたくないか。
頭の中で常識と非常識のせめぎ合いをしながら、自分らしさを見つける他ないと思っています。カウンセリングにも通じるところです。

せっかく多様化が容認され始めた時代です。
起業は勿論、子育ても夫婦の在り方も人生も。安心して自分らしくいられたらいいですね。

◆最後に

カウンセリングに訪れる方の多くが「安心して暮らしたい」と言われます。
安心して自分を表現したい。人の目を気にせず生きたい。
その苦しみは我がことのようにひしひしと感じます。自分が自分でいられないことは本当に苦しいです。

HAKONIWAで提供している遊びのイベントは、そんな不安と真正面から向き合うのではなく、なんとなく薄めていく作用があると思っています。

ひとことふたこと会話した初めて会った人。よその子の様子を見たり、焚き火に薪をくべたり山へ行ったり。
自分の弱さは横に置いて、まずは「誰も怒らない。誰も干渉しない。誰も価値観を押し付けない。」そんな環境に身を置いて頂くことが自分を掘り起こすにはとても大切な事だと考えています。

できないことを許される。なんなら、できないことがチャームポイントになる。そんな環境が作れたらいいなと思っています。
私もできないことが多すぎて、結局起業するしかありませんでした。早起きは苦手です(笑)。

できないこと、嫌なことを尊重すればできることが見えて来ます。現代のお母さん達にはそんな「わがまま」を持って欲しいと思います。それが家族の笑顔に繋がりますから。

そしてお母さん達が「ちょっとくらいわがまま言ってもいいよね。」と思えるよう、HAKONIWAがほんの少し支えてあげられたらいいなぁと願っています。

玄関

HAKONIWAは私の遊び場です。
でもそこには、私の半生をかけてたどり着いた「本当の自分に出会うためのロジック」を詰め込んだつもりです。

開業してまだ4ヶ月足らず。まだまだやるべきことはたくさんあります。
ただ、私が楽しんでいなければお客様に安心して頂けません。
これからも試行錯誤しながら、来る人皆がはちきれんばかりの笑顔になれるよう尽力したいと思います。

来年はみんなで薪拾いでも行こうかと考えています。薪割り体験も楽しそうです。その薪でお餅を焼いて食べてもいい。
ご近所の高齢者と子ども達を繋げたり、不用品の物々交換も面白い。手作り品の即売会や、高校生が小学生に勉強を教える場所も作りたい。なんなら子ども達に企画してもらうのもありです。

場所さえあればなんでもできます。
発達障害もHSPも関係ありません。子どもは子ども。みんな同じ。それぞれの個性を持った可能性の塊です。
後は大人がどこまで後押しして応援してあげられるかだけ。HAKONIWAはそんな大人を支えられる場所でありたいと思っています。

遊び心が無くなったらこの世は無機質でつまらないものになります。
大人の遊び心を最大限に伸ばしていく。
HAKONIWAはこれからも大人の遊び場でありたいと思います。

まだまだ走り出したばかり。課題も山積みです。
でも、今いてくれる人たちを大切にして、来年もますます奮闘できたらと思います。

子どもを笑顔にするために大人を笑顔にする。
その為に、私は今日も焚き火に火をつけます(笑)。
末っ子に「くさい」と言われながら・・・。

「ゆる夜」の様子

最後に、皆々様のご健康とご多幸をお祈りしながら締めくくろうと思います。
皆様のおかげで幸せな年末が迎えられました。本当にありがとうございます。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。
そして、来年もよろしくお願いします。
一緒に、たくさん遊びましょう。

HAKONIWAのウェルカムボード

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