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教育×コーチング 〜相手が選択・決断する、きっかけ作り〜

コーチング的関わりをした事で学生に劇的な変化が起こって感動した話。

やっぱり、答は相手の中にある。そして彼らは可能性の塊だ。相手の中に眠っている答や可能性を引き出せるのがコーチング。やっぱりすごい。


夏休み中はサマースクールというものがある。いわゆる夏期講習。

留学生も私も、夏休みやのに休みがなーい!

サマースクールは、基本対面授業なのだけど、ある一人の学生は個別対応で完全オンラインで進めていた。毎週のコース経過報告を見ると、進みが非常に遅い。このままでは絶対に期間内には終わらないペース。

上司は彼の過去の経験から「やっぱり無理じゃないか」的な反応。

そう。この学生は、実は以前もオンライン受講を経験していて、その時は拒否反応がすごく、ズタボロだった。課題にはほぼ手を付けず、オンライン受講どころか、誰かと画面上で話す事さえもままならない程、ふさぎ込んだ学生だった。

Zoom画面で彼は画面から姿を消すという行動を取っていた。

正直私も「うぉー、このままこの子はやってけるのかー?」と思った。

でもそんな彼の行動や反応は否定・批判せず、こちらも強要せず、でも私の想いは伝え「きっとやっていける」と想い、関わり続けるうちに少しずつ彼は心を開いてくれた様に思う。


今振り返ると、あの時コーチ的関わり方を通してゆっくりと信頼関係が築けていたのかもしれない。


サマースクールの取り組み過程で、今、一体何がどうなっているのか、先ずここをヒアリングしてみねば、と思い、彼の話を聞いてみた。

コーチングを知る前の私だったら

・現状を伝え

・やるべき事を見せ

・こうしたらいい、こうしてみたら、というアドバイスを伝える

をしていただろう。

でもコーチング的関わりを意識して「答は相手の中にある」「彼は出来る」と信じて、

・現状を聞く

・コース全体はいつ完了するのかを聞く

・現状と完了の間にある現実は何かを聞く

・完了したらどんな気持ちになるかを聞く

・完了するために今から出来そうなことは何かを聞く

こんな感じで聞くことで、彼が考え、気付き、最終的にその先の行動について選択・決断するきっかけ提供みたいなアプローチが出来た。

見えて来た現状としては、毎日丸一日時間がある中で、たった1時間だけ課題に取り組んでいたらしい。

(そら少ないわ。間に合わへんはずやわ。というツッコミをグッと堪える。ここは自分との闘い。)

「内容理解は出来ているから、1日3時間くらいに増やすことは、今すぐにでも出来る。」と彼は言った。

私「出来そう?」

学生「はい、出来ます」

私「よし、じゃあそれやってみよう!」


翌週から、上がってくる経過報告レポートが劇的に変わった。

私は、彼の行動が結果を大きく変化させた事を称賛した。

そして今週、コース終了期間より2週間も早いペースで彼はオンラインコースを完了させた!しかもほぼ100%の成績!すごい!!!

嬉しい。何が嬉しいって、他者との関わりを拒否していたあの彼が、花開き始めているこの状況。

彼が自分で決めた事を実行し、その行動が結果を導いた。全部彼自身が行動して引き起こした結果。彼は自分で出来る事を証明した。

周りの人はきっと最初のイメージから彼を色眼鏡でみていた節もあったと思う。でもその眼鏡を取って関わると、人って変わる!


「勉強時間を1時間から3時間に変える。」

ごく当たり前に聞こえるし、事実やったことはここなんだけど、そこにたどり着くプロセスが、今を変えた。と私は思う。

彼のアイディア、選択、決断。

今回は、そのきっかけ作り(問いかけ)が、うまいタイミングで出来たんだと思う。プロコーチはここ、確実なタイミングで導くんやろなー。


私は、コーチになりたいというよりは、コーチングを学び、コーチング的関わりを通して実際体験したり、気付いたりした事を発信したい。発信する事でコーチング的関わり方に関心を持つ大人が増えて欲しい。そんな大人が増えて子供達と関われば、本来その子達が持っているものが開花する機会が増えるはず。多くの日本の子供達にそんな機会を与えたい。なぜなら、彼らは可能性の種を必ず持っているから。その種を育てるには、適切な環境設定を提供する事が重要。

留学生を見ていると、みんなペースは違うけど、その種が開花していく様子が分かる。そこがたまらん。






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