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エッセイ・コラム・日記

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#冬

新年の句

新年の句

古年の
記憶を肴に
酒を呑む

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昨年たった一度会うことが出来た大切な人との思い出を、スルメのようにしがみながら。
その人とはそれからずっと会っていないし、会える目処も立っていない。

冬の句

冬の句

狛犬の
阿吽乱れる
大マスク

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鶴岡八幡宮にて。
階段落ち狛犬として、その筋では有名らしい。

句を詠んだことは今まで一度もないが、ふと五七五に音を乗せてみたくなることがある。
このご時世、マスクは冬の季語と言えるのだろうか。

11月の終わりの空気

11月の終わりの空気

マフラーと手袋がいよいよ手放せなくなってきた。
息を吸うと冷たい空気が肺を満たし、気が引き締まる思いがする。
それが何とも心地よく、いつもは憂鬱な通勤列車を待つ時間が楽しく感じられる。

「いうてる間に冬になってもうたなぁ」
「やっと秋らしくなってきたさぁ」

背後に立つ女性と私の言葉はほとんど同時だった。お互い思わず振り返って「えっ」と顔を見合わせた。
「それ、どういう意味?」と聞く間もなく電車

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