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エッセイ・コラム・日記

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#掌編小説

母が魔女だった時

母が魔女だった時

 4歳ぐらいのある日、眠れずに部屋を出るとぼんやりとした灯りのみがぼうっと影を作る暗い部屋に母が一人佇んでいた。灯りをよくよく見ると、とても小さな炎だった。
「……」
母は無言だった。薬草のような香りが匂いが立ち込めていた。やがて炎が消えると、その炎を支えていた器を口に運んだ。
「魔女の嗜みってやつよ」
保育園で読んだ絵本の中の魔女を鮮明に思い出した。全身を覆う黒い服を着て、派手な装飾品を身につけ

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11月の終わりの空気

11月の終わりの空気

マフラーと手袋がいよいよ手放せなくなってきた。
息を吸うと冷たい空気が肺を満たし、気が引き締まる思いがする。
それが何とも心地よく、いつもは憂鬱な通勤列車を待つ時間が楽しく感じられる。

「いうてる間に冬になってもうたなぁ」
「やっと秋らしくなってきたさぁ」

背後に立つ女性と私の言葉はほとんど同時だった。お互い思わず振り返って「えっ」と顔を見合わせた。
「それ、どういう意味?」と聞く間もなく電車

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