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古着と生活

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社会との了解

社会との了解

古着とは中古だ。袖が短いとか汚れがあるといった「欠落」がある。しかしその「欠落」をどうファッションとして楽しみ、「活かして」いくかというところにその人の個性を発揮する余白がある。それは目の前の洋服と自分をどう「了解」するかという問いだ。

古着屋の店員は、お客様がその「了解」を得られるためのサポートをする役目だ。そしてその先は、お客様と「社会」がどのような了解を得るのかという問いに繋がっていく。そ

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第65回 東京高円寺阿波おどり。

第65回 東京高円寺阿波おどり。

1957年に始まった東京高円寺阿波おどりは今年で第65回目を迎える。阿波踊りの発祥地である徳島県を含めて、戦後の復興と共に高円寺には沢山の地方出身者が住み着いたそうだ。

一般的には、お盆が終わるとそろそろ夏の終わりを感じ始めるのだが、高円寺の夏は2日間の阿波踊りを終えるまでは続く。まさに夏の風物詩といえる。

別に、祭事を行う事で世界の何が変わるわけでもない。しかし僕らにとって世界は、人間の認識

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帰省

帰省

 220km。東京から妻の実家のある福島県喜多方市までの直線距離だ。それは古着屋の従業員として生活する日常から心理的距離をとるには十分な距離になる。実際には、福島県と栃木県の県境には山地が広がるため、車で移動する際には東京から郡山に向かい新潟方面へ迂回するルートをとらなくてはいけない。高速道路をノンストップで走って4時間強かかる上に、ましてや1歳児を連れての帰省となると移動には丸1日かかってしまう

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