「デンマークにいたほうがいいよ!」と言われたという自慢話
デンマークの学校にて、アユールヴェーダを学んでいる。
アユールヴェーダでは3つのエネルギーが体を構成していると考えている。それぞれの特性を習った。例えば、このタイプをたくさん持っている人は、身体や目が大きいという身体特徴があるよ、言動が全てに遅い傾向があるよなど。
タイプ診断が人気なのは海を超えても同じなようで、みんな興味を持って自分はどれかな?とワクワクしながら話を聞いていた。
身体的特徴のはなしで、アジア人はみんな黒髪なので髪質で判断するが、ヨーロッパ人は、目の色や髪の色で簡単に判別しやすい、と言っていた。
だから授業後、ベトナム人の女の子とわたしが、デンマーク人のおじさんを見て「すごくきれいな青い目をしているね!典型的なこのタイプだね!」と、落ちてきそうなほど透き通っている瞳を見せてもらった。
「目が大きいという話もあったよね」「アジア人でこのタイプはなかなかいないのかもね笑」なんてベトナム人の女の子ととわたしで話す。
つづけて「目を大きく見せたいと思うから、詐欺メイクとかするんだよ!」と画像検索でひっかかった詐欺メイクのビフォーアフター画像を見せる。「すごくない?こんなことしてる人デンマークにいないよね」と。
ベトナムの子も「そうそう、ベトナムじゃこんなスッピンじゃいられないよ!あはは」と言っている。
「なんで目が大きいほうがいいの?ちょっと目を見せて」とデンマークおじさん。そして数秒後。
「デンマークにいたほうがいいよ、ふたりともとても綺麗な目をしてるんだから」( You should stay in Denmark.Two of you have very beautiful eyes.)
デンマーク人のおじさんが、その青すぎる瞳でまっすぐと言ってくれた。
そして「そのままで十分美しいのに、あなたたち二人や、生まれたままの姿を美しいといえない国には帰るべきじゃない。だからデンマークにいなよ」と続けた。
軽い気持ちで話した自分を少し反省した2秒後、本当にその通りだよなあと思って、ちょっと泣きそうになった。
「デンマークにいるべき」に対して賛成しているのではないし(むしろ日本との半々を希望します)デンマーク人だって、絶対外見を気にしている節はある。絶対に。
それでも特別美人というわけでもないわたしに、綺麗な目で、すごく美しい目をしてるじゃないと言ってくれる人がいる。
いつからこんなに自虐するのに慣れてしまっていたんだろう。
いつからもっとこうだったらいいのに、ああだったらいいのにと、他人と比較して、他人の目を気にするのが当たり前になっていたんだろう。
自分のなかであまりにも、共通の「美」に近づけるための努力が必須で、そのためのバズコスメを見て、ありすぎてわからなくて疲れることに、慣れてしまっている。
誰かのような「美」に近づけるよりも、自分を愛でるほうがよっぽど美しいことのはずなのに。
メイクアップした自分も美しいけれど、何もしなくても十分美しい。
鏡に向かってそれを言える自信はまだない。
ぜんぶ、きれいごとかもしれない。
それでもわたしたちは「生まれたままで美しい」と思ってもいい世界に生きている。そのことを、とても幸せに思った。
心の底から美しいと思えたときのわたしたちの瞳は、詐欺メイクをしたときよりも、とびきりよどみのない瞳として、誰かの目に映るのだろう。
(いちおう)
きっと詐欺メイク自体も悪くはなくて、それによって自信を得ている姿は美しいと思う。ただ、目がでかくないわたしはブスだって思ってしまわないように、いのってます。
お返しの愛は無限大、一緒に幸せに貪欲になりましょうね!!