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地丹法(気功的食養)についてちょっと小話

内丹(仙道)小周天について調べると『地丹法』というのを目にすることがあります。

これに関してしばしば『薬用養命酒』(養命酒製造株式会社)がすすめられることもあるようです、笑。

地丹法とは?

地丹法とは、ザッと言うと気功的食養のことです

栄養滋養、薬効のあるものを摂取して精・気を養うことです。
健康養生の目的でもなされますが、気功に関して言うと、精・気を養い練功の効果を高めようとして地丹法に関心を持つことがあるようです。

高藤聡一郎氏の書籍にも言及があります。

精のつく肉類やニンニク、ネギ類、ショウガなどの香味野菜、スパイス、健康食品、漢方薬やそれに使われる生薬などがすすめられます。

また生薬などを酒に漬け込んだ薬酒が用いられることもあります。

地丹法は必要なのか?

地丹法は現代日本においては、何か事情が無い限り必要ないと考えています。

栄養滋養に富むものを、一般庶民が手に入れるのが難しいような時代、地域なら三大栄養素すら足りていない栄養失調気味の人が多いわけで、ハチミツとか枸杞の実とかシシ肉とか食べると、すぐに効果テキメン!なこともあるでしょう。

餃子(水餃子)の起源は、一説には、張 仲景という有名な医者が作った薬だったという話もあります。
食料、栄養の乏しい状況だと餃子も薬になるわけです。

しかし日本ではそうではありません。むしろ食べ過ぎ注意とか節制とかのほうが重要だったりします。
ラーメン(炭水化物)のおかずにライス(炭水化物そのまんま)をつけて、さらに餃子です。
アブラマシマシ、ニンニクマシマシとか、なんだあれは?って感じです。

地丹法はバランスの良い食事をしている場合には特に必要ないと考えています。

地丹法に養命酒?

私は地丹法は必要ないと考えているので、関心ないし実践してません。

 しかし気になる人はいると思います。実際に気功、内丹では練功の効果を高めるために現代でもすすめられることもあるようです。
 関連:ヨガ、気功、呼吸法について ↓ ↓

以前私が習っていた内丹系の気功教室の中国人老師もしばしば地丹法に言及することがありました。
しかし健康な人にはあまり必要ないとか高齢者向けとも言ってましたが。

地丹法としてネットでは、養命酒(養命酒製造株式会社)が人気があるようです、笑。

サイトを見てみると確かに養命酒や「ハーブのお酒」、健康食品には地丹法で用いられている生薬が使用されています。

精や気を補い(人参、地黄、杜仲、淫羊藿など)、血の巡りをよくして体を温めたり(紅花、芍薬、桂皮、丁子など)などが見られます。

ちょっと関連⇒【しょうが湯 辛熱性!!】風邪、インフルエンザの季節に生姜湯

私は試しに漢方薬店から生薬を入手して薬酒をつくってみたことはあります。

関連note:薬酒(薬用酒、健康酒)について。ヨガや気功に役立つ?


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生薬

地丹法や薬酒に用いられる生薬を「精」「気」を補うものを中心にあげておきます(ニンニク、山芋、キクラゲなどありふれた食品は除く)。
もし何か利用される場合には医薬品の分類、アレルギー、副作用、禁忌、用量などは調べて自己責任でお願いします。

おすすめサイト:「健康食品」の安全性・有効性情報 「素材情報」データベース


「精」「気」「陰」「陽」といった用語が出てきます。

雑で乱暴な説明だと――――

とは「滋養成分、活動のもとになる栄養成分。精」
とは「エネルギー、活動力、神経や内分泌系の働き」。
とは「滋養、潤いに関わる。静的。冷やすもの。収斂作用」
とは「活気、活動力に関わる。温熱、乾燥。発散作用」


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枸杞子(クコシ、ゴジベリー)

枸杞(クコ)の実ゴジベリー)は手に入れやすい滋養食です。中医・漢方の伝統では陰陽平補(陰陽をバランス良く補う)、「肝腎」を補い、目に良く、精をつけるとされます。

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美肌にも良いとされます(←これに関しては「クコの実」「美白」「資生堂」などのワードで検索)。

下半身的な地丹法でもしばしば用いられます。

ただ月経促進効果の可能性があるとか、妊娠中、授乳中には避けた方が良いとの情報も見られます。

似たようなものに女貞子(ジョテイシ、ねずみもち)、菟絲子(トシシ)などがあります。これらも栄養ドリンクなどに用いられています。


人参(オタネニンジン)

人参(薬用ニンジン、オタネニンジン)は漢方、栄養ドリンク、サプリなどに幅広く用いられている非常に有名な生薬です。アダプトゲンとされることもあります。

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気を補うとされます。蒸気で蒸したものを紅参といい、薬効が高まるとされます。

伝統的には強精強壮、疲労回復、胃腸機能、性機能、アンチエイジング、低血圧、貧血など幅広く用いられてきました。
血圧調整の効果もあるとされますが高血圧、発熱など「陽」や「熱」といった傾向がある時は用いられません。

カフェインや他の医薬品成分との相互作用に注意した方が良いとされます。

伝統的には「上品」とされますが、長期服用は避けた方が良いのではないかという情報もあります。
また理論上、エストロゲン様作用などによるホルモン感受性疾患のリスクが指摘されることもあるようです。

実は北アメリカにも人参(アメリカ人参、西洋人参、貿易取引・栽培の由来から広東人参とも)があって古くから先住民に利用されていました。
こちらのアメリカ人参の方が陰の性質があり、作用が穏やかとされます。

他に気を補うものとしては黄耆(オウギ)が有名で、「参耆」として人参と共に用いられています。
ちなみに黄耆は有名な韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』で主人公チャングム(イ・ヨンエ)が栽培に成功した生薬です。

鹿茸、熟地黄

鹿茸(ロクジョウ)は精や気を強力に補うとされます。伝統的な解釈では、陽を強力に補い、強精強壮、強筋骨、補血養血。発育不良や重い貧血などに用いられます。元気がある人には用いられません。

「参茸」としてよく人参とともに用いられます。

栄養ドリンクにも用いられていますが、特にグレードが高いものは高価です。価格上昇傾向のようです。高級生薬です。
代用として健康食品などでは、トナカイの角が用いられるようです。

漢方薬局の店主に聞いたことがあるのですが、昔は中国の生産地では新鮮なものを酒のつまみや料理としてバクバク食べられていたようです、笑。

しかし、ホルモン剤みたいなもので、常用多用すると副作用の恐れがあるとされます。

下半身的な精力剤としても用いられます。おもしろい記事↓↓


熟地黄は地黄を酒で蒸したものです。伝統的には滋陰滋潤で精を補い、血を養うとされます。

杜仲(樹皮)、淫羊藿

杜仲茶では葉が用いられますが、生薬では樹皮がもちいられます。
伝統的には肝腎を補い、筋骨を強め、強壮強精の効果があるとされます。

淫羊藿(インヨウカク、イカリソウ)は(下半身的な)精力剤としては有名です。天然のバイアグラなど言われてもいます、笑。
伝統的には腎を補い精をつけると言われています。しかし「陽」の作用が強く「陰」を傷つけやすいとされます。
イカリソウ↓↓

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他に似たものとしては巴戟天(ハゲキテン)、肉従蓉(ニクジュヨウ)などがあります。
淫羊藿は杜仲、巴戟天、肉従蓉よりも陽の偏りが強いとされます。

五味子、他

五味子(ゴミシ)は韓国の五味子茶が有名です。

伝統的には肝腎を養い滋養強壮の効果があるとされ疲労回復、食欲増進などに用いられます。

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目にも良いとされ枸杞子、菟絲子、女貞子など共に用いられたりします。

漢方薬、薬酒などで「精」「気」を補う配合では、上述した生薬以外にも甘草(カンゾウ)、芍薬(シャクヤク)、麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、陳皮(チンピ、ミカンの皮)などが用いられます。

大棗(タイソウ、ナツメ)↓↓ 。よくショウガなどと共に配合される。滋養。気を益し中(胃腸)を補う(補中益気)。

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ただ、中国、漢方などの伝統医薬の効果については、どれほどのしっかりしたエビデンスがあるのかについては、疑問もあるのは事実です。

代表的なニンジンについても、しっかりしたエビデンスは不足気味?
参考↓↓

アロマテラピーの精油

小周天のために高藤聡一郎氏の書籍にある「武息」のような強めの呼吸法を用いる場合には意味がないかもしれませんが、瞑想(文息、半文息・調息)のような穏やかな方法を用いる場合には、アロマテラピーも良いかもしれません。

おすすめは森林浴、フィトンチッド系の精油、ブレンドです。
瞑想において賦活、活性の作用があるのが良いと思います。
アトラスシダー、ローズウッド、ナルデなどがあります。

他にはサンダルウッド(白檀)やベチバーも良いと思われます。
サンダルウッドはウッドチップも良いかもしれません。