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ねがてぃ部活動のご案内

大学のとき、仲のいい先輩と「ねがてぃ部」を作っていた。
由来はその名の通り、「ネガティブ」から。

基本的に先輩も私も、周りからは明るくて社交的な人と思われていた。
それは確かにそうなのだけれど、私は人前で必要以上に明るく元気に(時にうざいほど…)振舞う傾向があった。それは、本来の私が超ネガティブで卑屈な部分を抱えていたからなのだと思う。

ある時、先輩と二人で話す時があった。
「私、実は超ネガティブなんですよ。いっつもいろいろ思い返して、ああすればよかった、こうすればよかったとかぐるぐる考えちゃうんです。」
「え、俺もだよ?俺も超ネガティブ。」
「え、先輩が…?」
「そうそう。もうねー、やんなるくらい毎日毎日後悔ばっか。」
「わかります…!もう生きててごめんなさい的な気分になったり…」
「あるよねー。やんなっちゃうよねー。
 …もうさ、俺らこんなにネガティブなら、これ部活動にしちゃう?」
「部活動?」
「そう、部活動。部の名前はほら、そうだ、『ねがてぃ部』。
 部活動のあいだは、ネガティブな気持ちになって全然OK。
 とことんネガティブになって、一旦リセットするの。
 そんで部活動の時間が終わったら、もうネガティブは卒業する。」
「『ねがてぃ部』かぁ。いいですね、それ」
「でしょ?いつも『ぽじてぃ部』じゃ疲れるってー。」

かくして、「ねがてぃ部」は発足した。
部活動の中身は、主にひたすらネガティブなことを吐き出す
デトックス飲み会」。

馬鹿馬鹿しく思えるかもしれないが、
このデトックス飲み会は結構効き目があった。
嫌なことが続いている日も、「もうすぐデトックス飲み会!」と思えば
なんとか乗り切れた。
先輩から「デトックス飲み会しよう!」と言われれば、
「あ、先輩はいろいろ吐き出したいから誘っているんだな」
と、こちらも心構えができた。

この、「ネガティブに対して心構えができている」というのが割と重要。
たまに突如として、ネガティブ発言を延々と人から聞かされるときがある。
こういう予期せぬネガティブとの遭遇は、かなりダメージをくらう。

人は誰しも落ち込むときがある。
ネガティブ思考のループにはまってしまうときもある。
そんなときは一旦、「これは『ねがてぃ部』活動をしよう!」と
とことんネガティブになるのもいいかもしれない。
ネガティブな自分を許すのだ。

「ああ、また自分ネガティブなってる。
 自分はだめだ。
 ああ、これもネガティブ思考…」
とぐるぐる考え込んでしまうよりは、自分の中のネガティブパワーを
一度放出した方がいい。

ちなみに大学卒業後の今も私の「ねがてぃ部」活動は続いている。
もう「ねがてぃ部」の中ではだいぶ先輩になったと思う。
来週も友人とのデトックス飲み会がある。
今回のデトックス飲み会の言い出しっぺは彼女の方。
だから私はとことん聞き手に回るつもりだ。心構えはできている。
今は元気だけれど、私も落ち込んだら、デトックス飲み会を主催しよう。

持ちつ持たれつ。Let's negative!

ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。