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【全三十話】私にヨガの先生はできません!【完結済み】

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【創作大賞2024】お仕事小説部門に参加中!いいね・コメントありがとうございます⭐︎全三十話。
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記事一覧

私にヨガの先生はできません!【第三十話(最終話)】笹舟にのって

【第三十話:笹舟にのって】  八月の土曜日。  私は閉店後のホットヨガスタジオで前屈をし…

私にヨガの先生はできません!【第二十九話】祝日プログラム

【第二十九話:祝日プログラム】  七月の祝日。海の日がやってきた。朝から開催している試飲…

私にヨガの先生はできません!【第二十八話】七夕の夜に

【第二十八話:七夕の夜に】 「笹永さん!」  一ノ瀬さんの声に、はっと飛び起きる。 「え?…

私にヨガの先生はできません!【第二十七話】カフェ・くじら座で見る夢は

【カフェ・くじら座で見る夢は】  その後、八時まで働いた私は、カフェ・くじら座に寄ること…

私にヨガの先生はできません!【第二十六話】準備する日々

 【第二十六話:準備する日々】  翌日、ホットヨガスタジオ・ベガに出勤した私はすぐさま、…

私にヨガの先生はできません!【第二十五話】電車に揺られながら

【第二十五話:電車に揺られながら】  駅のホームでカレンに今から戻るとメッセージを送る。…

私にヨガの先生はできません!【第二十四話】ひとつ増えた理由

【第二十四話:ひとつ増えた理由】 「笹永さん、本当にありがとうございました!」  雲井さんとアロマディフューザーを片付けていると、彼女はあらためてお礼を伝えてくれた。 「ぜんぜん。こちらこそ、色々お借りできて助かりました。あ、あの、ちょっと気になったんですけど」 「はい! なんでしょう?」 「たしか、橘さんってもともとミュージカルのダンサーをされていて、その後、一度フリーのインストラクターとして活動されていますよね?」 「はい。私もそう聞いたことがあります」  雲井さんがア

私にヨガの先生はできません!【第二十三話】橘さんもかつては

【第二十一話:橘さんもかつては】  フィットネスクラブ・アルタイルに到着したのは、十四時…

私にヨガの先生はできません!【第二十二話】突然の電話

【第二十二話:突然の電話】  翌日は午後からカレンの家を訪れていた。アクセサリーの梱包作…

私にヨガの先生はできません!【第二十一話】物販って大変だ!

【第二十一話:物販って大変だ!】  七月五日。  ホットヨガスタジオ・Vegaの店内は、ささ…

私にヨガの先生はできません!【第二十話】自信がないのなら

 やるしかない、とあらためて思ったのは本社の最寄り駅のプラットホームで電車を待っていると…

私にヨガの先生はできません!【第十九話】ルイボスティーは売れない?

「はじめまして! 片井虎太郎と申します」  スーツを着た長身の男性はハキハキとした口調で…

私にヨガの先生はできません!【第十八話】本社会議

【第十八話:本社会議】 「ねっむ」  あれから、結局一睡もできないまま朝を迎えてしまった…

私にヨガの先生はできません!【第十七話】最悪なこと

【第十七話:最悪なこと】  ホットヨガスタジオはいつも通りの温かさだった。照明の加減も、床のクッション性も、音の響き方も、すべてがおんなじ。  でも、なんだか視界にモヤがかかっているような感じがする。ピントが合わないカメラを覗き込んでいるような、彩度の低い古びた映像を見ているときのような、そんな感覚だ。  いや、今は気にしてなんかいられない。 だって、レッスンの参加人数が三十人。憧れていた満席だ。  私は俄然やる気になった。人気インストラクターとしての一歩を踏み出したのだ!