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私は、あなたといられて幸せだった。あなたも、きっとそう、たぶん。

4年半付き合っていた彼と別れた。
もう、別れて1ヶ月半も経ったのか。

出会ってから、8年。
恋人になってから、4年半。
大好きだった。
その割に、この1ヶ月半は、思っていたよりあっけなく過ぎた。

私は、彼が大好きだった。
大好きで、憧れで、おまけに顔も体型も好みで。
ライターとして、心から尊敬していた。
彼とならどんな日だって笑顔になれたし、どんなにつまらない映画が話のネタでも爆笑できた。一緒に生きる未来だけが、見えなくなっちゃった。

それなのに、別れてからの日々はあっけなく、あっさりしていた。
どうしてよ。
私と彼が別れるなんて、と泣きわめき、熱を出し、怒り狂うような情熱を帯びた恋だったはずなのに。

今でも彼のことは大好きで、一緒になれたらと思う。

でも、ありのままの私たちでは、一緒にはいられない。そう、お互いが確信してる。

私たちは、

「友達としては最高。
でも、人生のパートナーにはなれない」

と、私たちの関係に結論を出した。


私は、彼のことが大好き。
今でも。

彼に「ドナーになって肝臓を提供をしてください」と言われたら、0秒で快諾するし、ついでに頼まれてもいない腎臓もあげる。
あんなに面白くて、話していて楽しい人だもの。あんなにもたくさんの人の心を救う文章が書ける人だもの。
その人の命に代わるなら、私も、私の臓器も本望。
もし私に万が一のことが起きても、彼なら強く幸せに生きられるし。

恋人として。
パートナーとして。
私よりも彼と相性が良い女性、きっといくらでもいる。私よりも可愛くて、スタイルが良い女性だって、数え切れないほどたくさんいる。

でも、私以上に彼を好きになる人は、なかなかいないよ。

なんだろう。
恋人として過ごした4年半、ずっと「片想い」のような感覚があった。

可愛いと褒められたことはない。
「好きだ」と言われたことも
下の名前で呼ばれたことも
旅行へ行ったことも、ない。
愛されていたことは分かってる。今、それを恨んでるわけじゃない。彼は、そういう人だったんだもの。ちゃんと分かってたもの。

言葉そのものが欲しかったんじゃない。旅行できなかったことが悲しかったんじゃないの。

ただ、私は、私が望む愛情表現の形を否定され続けたことが、悲しかったの。

気づいた頃にはもう、だんだん、私が叶えたい彼ととの未来も、受け入れてもらえないんだろうなと思い始めていた。
好き、も言ってくれない彼が、「一生一緒にいよう」なんて言ってくれるわけないよね。

最初は、ただの愛情表現だと分かってた。でも、少しずつ、彼の愛情そのものが信じられなくなっていった。

そして、それを伝えられなかった。
嫌われるのが怖かったから。

キスだってたくさんしたし、一緒に寝れば恋人らしいことだって、もちろんした。でも、どこかで「私だけが、彼を好き」な気がしていた。
冷静に考えれば「彼が私を好き」なことも分かってたけど、どんどん、信じられなくなった。

彼だけのせいじゃない。
きっと、私の心の問題はかなり大きい。生まれも育ちもね。それから環境と、タイミング。

後悔と反省ばっかりで、あんなに好きだった人と一緒にいられなかったことが悲しくて、自分の心の弱さを憎まずにはいられない。

公私ともに、彼を支え続けたかった。
愛されたかった。
愛し続けたかった。
当たり前に一緒にいる未来を叶えたかった。

今、ここに書いた気持ちを、
素直に伝えてみたかった。


彼への「好き」を前に、本当はとてもわがままで弱い私は、どんどん顔を出せなくなった。愛されない弱い私は、どんどん出てこれなくなった。こんなに好きになった人を信じられないなんて、やっぱり私の問題なんだろうな。

出てこれないなら、弱い私なんてそのままいなくなれば良かったのに。結局、弱い私は、どうしようもなく根強く、私の一部なんだね。
彼とは別れたのに、弱い私は今もまだここにいる。いらないよ。

私は、正直でありのままの私なんかより、彼と一緒にいたかった。


こんなにもたくさんの後悔と反省ばかりなのに、いま、私の心の中はとてもすっきりしている。

きっと、愛し尽くしたんだと思う。

今この瞬間も、

「あー、大好きだったなー」

と、酸味の強い幸福感が、心に瑞々しく溢れてくる。

でも、彼と一緒にいることを選ぶことはない。

そのくらい、彼と幸せになるために悩み苦しんで、足掻いたし、大好きだった。

でも、本当に、本当に、本当に、心の底に一ミリだけ。
一度だけでいいから、“大好きだよ”って、“かわいい”って言われたかったと、今でも思う。

私は、あなたが大好きだった。今も、大好きだよ。きっとまだしばらくこれからも、大好きだと思うよ。
でも、友達でいようね。

短い間だったけど、私を彼女にしてくれて、ありがとう。

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