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ある一冊との出会いから自分を好きになれた気がした。
こんにちは、小松優衣です。
最近ある本を読みました。
小野美由紀さんの『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』(幻冬舎文庫)です。
きっかけ
この本に出会ったきっかけ。
それは、就活系ユーチューバー・Utsuさんが進めていたからです。
別にutsuさんのファンでもないし、むしろ嫌いでした。
なぜかというと、就活生にウケそうなネタを配信して、就活生の支持を集めていて、就活生に”正しい”道を教えている、そんな人だと思っていたからです。”思っていた”というように、ustuさんの動画はほとんど見たことはありませんでした。
食わず嫌いです。
でも最近、もっと色んな人の情報発信をみて、就活生からどうして支持を集めているのか、就活生は何を思って、どうしてそういった情報をインプットしているのか、知る必要があると思い、色んな方向にアンテナを張っていました。
そんなときにこの動画を視聴しました。
https://www.youtube.com/watch?v=6HEVmXEfmpg&feature=youtu.be
ユーチューバーがすすめる書籍。
就活生の私だったら「忙しいから」「うさんくさいから」といって見向きもしなかっただろう。
少し前のわたしだったら「こんなユーチューバーがすすめる書籍なんてみるわけない」といって切り捨てていただろう。
でも、ちょうどさっき述べたような理由から、
リサーチの意味合いも込めて、即Amazonで購入したのが
『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』でした。
ざっと
就活に失敗した女性が色んな人との出会いや旅を通して自分を見つめなおす、そんなエッセイ。
高学歴で、留学経験もあって、TOEICも高得点で、サマーインターンもいっぱい参加した。なのに、就活は50社全落ち。最後は、最終面接手前でパニック障害を起こしてその場から逃げてしまう。就活からも、家庭の問題からも、日本からも、すべてから離れてスペインに旅立ち、彼女が気づいたこととはーーー。
そんな感じで要約できると思う(なにも見ないで書きました)。でも、こんな一言では表しきれないくらい、心の機微をありのままに表現されていて、思わず彼女の人生にのめりこんでしまうようでした。
つい先ほど読み終えた感想
語彙力のないわたしが一言で言うと、それは、「感動」。
その一言に尽きます。
この本に出会えてよかった。久々にそんな本に出会えました。
細かい部分は忘れていくかもしれないけど、
この感動は一生忘れないし、忘れたくない。
言葉のチョイス一つ一つが素晴らしい。
飾らない。ありのまま。自分らしい文章。それであってわかりやすい。だからまっすぐに伝わる。
著者の小野さんは全くそんなつもりないと思いますが、
わたしにとってこの本は”教科書”または”お手本”。
わたしが伝えるべき、伝えたかったメッセージがじっくり、ぎっしり詰め込んであるからです。
例えば
『うまくいかなかったのは、社会とか、システムのせいじゃない。ただ、私自身が私にウソをついていたからだ。』(目次:魂の速度 より)
人は弱いから、うまくいかない時、原因を他者に押し付けることが多いです。
そういった能力もある程度は必要でしょう。なんでもかんでも自分を責めてばっかりいたら、自分が潰れてしまうから。
でも、自分の人生を、自分の道を決定するようなそんな大事なシチュエーションで、目をそらしてしまってはダメだと思います。
自分と向き合うのって、テストの問題を解く何百倍も難しいはずです。
でも、就活って、これからの自分の行く道を決定するための、とても大事な場面だから、親のせいとか、仕組みのせいとか、誰か/何かのせいにしてたら、自分を見失っちゃうから、だからこそ、自分を知ることって必要だと思いました(就活用語でいってしまうと、”自己分析”なんだろうけど、なんだか薄っぺらく聞こえてしまう気がします)。
また、著者はこのようにも述べていました。
『これだけ就活に関する自殺や、3年でやめる若者が増えているのに、同じスタイルを撮り続けていることは確かにおかしいことではあるけれど、でも、一番おかしいのは、それに何の疑問も持たずに、乗っかってきた自分じゃないのか。』(目次:毎日が休日だと思える仕事 より)
これは、かなりグサッときました。
まさに、自分のことだったから。先述した「うまくいかない理由を他人に」というのは実は私には当てはまりません。そういった学生さんはこれまで見てきたけど、私自身は自責の念が人一番大きかったから、面接で理不尽に落とされたときも「わたしがダメだったから、求められないんだ」と考えていました。
私は、どんなに理不尽であっても、何も疑問を持たなかったのです。
疑問をもてなかったのは、周りにも、社会にも、なににも興味を持てなかったからなのではないかと今では思います。
大手一択という友達がいても「なんで大手に行きたいんだろう」とか思うこともなく、サークルの先輩がどんな会社に行ったのか、どんな進路を歩んでいるのかも全く聞こうと思わなかった。就活に限らず、私は周りのことに興味がなかったのです。
自分のことでいっぱいいっぱいで、羨望とか、嫉妬とか、あらゆる感情を抱きたくなくて、興味が持たないようにしていました。
今思うと、とても勿体ないなと思います。
ちょっと一歩引いて冷静に考えてみたら、今の自分の乗っている流れ(日本の就活)が不自然でいっぱいだったことに気づけたはずだったのに。
とても後悔しているけど、だからといって自分を責めることはありません。
それはどうしてかというと、本著にこんなことが述べられていました。
『ネガティブは力なんだ』
『誰もが芽を出すエネルギーを持っている』
『怒りや悲しみの負の感情も、愛も慈悲も、すべて、一人の人間の両端だ』
『ネガティブな感情は、その人の可能性だ。ただ、本人が気づいていないだけなのだ』
(目次:ネガティブはエネルギー より)
要するに、ポジティブな感情もネガティブな感情もすべてが”わたし”の構成物質であるということ。わたしをつくりあげるための、必要不可欠なものであるということ。そういうことなんじゃないかなと思います。
これがスッと私の中に入ってきたのは、最近、色んな方から似たお話を聞いていたからです。コーチングの先生や、ある会社の女性社長さん。
彼らも同じように、「全部ひっくるめて”自分”なんだよ」「ネガティブな感情を押しつぶさないであげて」そんな風にお話ししてくれていたのです。
最初は意味が分からなかった私も、何度も自分の中でそんなメッセージを反芻させて、この本を読んで、ようやく自分の中に落とし込めた気がします。
誰だって自分の嫌いなところがあるし、直したいところがあると思います。
でも、それがある限り、わたしはわたしを好きになれないのでしょうか。
そんなの、悲しいなって思いました。
自分で自分にルールを課して「これを達成しない限り、自分を好きになってはいけません」なんて、きつすぎます。
もちろん、ふんぞり返って開き直るのとは異なります。
自分のダメなところも、認めてあげて、折り合いをつけてあげる。
これができたらきっと少し楽になれると思うのです。
就活でも同じです。よく長所とか短所とか聞かれるけど、短所なんてあって当然だし、面接でうまくいかないことがあって当然だし、失敗したことで自分を責めて、自分を嫌いにならないでほしいなって思いました(過去の自分に言ってあげたい笑)。
就活って1つのカテゴリーとして区分されるけど、わかりやすくするためにそうしてるだけで、全部人生の一部で、学生から社会人への流れの中にあって、だから、「就活ではこうすべき」とか「就活はこういうものだ」とか、そういうのはあんまり好きじゃないなって思います。
この本では、就活に限らず、人生を振り返ったりするので、
すごく興味深いエピソードもあったし、学びもいっぱいあったのですが、
挙げていくとキリがないので、ここでストップにします。
おわりに
食わず嫌いせずに試しに買ってみてよかったなって思います。この本を読んだからといって私の人生が急変するわけではないけど、なんだかよくわからないけど、以前より自分を好きになれた気がするし、よし!がんばるぞ!という気になりました。
その結果、日曜日の日中、カフェでかれこれ1時間かけてこの文章(約3500字)を書き切りました。
明日の仕事も頑張ります。
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
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