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【就活ラプソディ】1年で辞めるつもりだった -プロローグ-

今の会社に入社したのは、ちょうど4年前。
前年の秋に起きた大きな水害被害のあとが色濃く町に残っていて、謎のウイルスが世界中に蔓延し始めてきた春のことだった。

前の職場を辞めた途端、台風が来て、愛車が水没した。車検に出してタイヤを買い替えたばかりだった。チープな任意保険に加入していたのでお見舞金は10万円。車検代がチャラになったと思う事にした。これから半年間、職業訓練に通いながら仕事を探す地方住まいのわたしにとって車は必須だった。

市内ではたくさんの人が車を探していた。状態のいい中古車は早い者勝ちだった。ディーラーから代車を借りて休みのたびに車屋さんを回った。自宅周辺はしばらく湖だったので、少し高台にある徒歩10分のコンビニエンスストアにお願いしてしばらくはそこの敷地内に駐車させてもらうことになった。

無職の身でローンは組めないし組みたくないので、はじめは現金で買える安い中古車を探していた。だが2~3年でまた買い替えなくてはいけなくなったら、と思うと面倒になってきた。水没した愛車には15年以上乗っていた自分だ。この際、新車を買ってまた長く大事に乗った方が経済的かもしれない。わたしは、新車も含めてあらためて車屋さんまわりをはじめた。


そんな折、気になっていた新古車のキャンセルが出た。すべてはタイミング。金額を見て一瞬迷ったが、思い切って予約した。代車も一か月近く借りたままだったのでのんびりもしていられなかった。そこからどうにか工夫してローンを組み、わたしは人生二度目の車を手に入れた。嬉しかった。

車問題はどうにか解決したが(コンビニにも本当にお世話になった)全く予定していなかった突然の出費。無職にはかなり痛い。退職前に用意していた大事な貯金から、新しい車の頭金(最近の軽自動車の値段に驚愕。余計な装備を付けすぎでは??)や予備費を出したので節約は必至。さらに、わかっていたけど忘れかけていた住民税や想像していたけど想像以上に高い国保や年金代などでみるみる貯金は減っていくのだった。


〈つづく〉

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