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手作り副教材的なモノ!!〜おうぎ形〜

 塾での授業を見ていると、図形の問題やグラフの問題など、算数・数学での「形」や「動き」を読み取る力やイメージする力、それらをイラストや数式などにアウトプットする力が不足しているように感じます。

 授業を通して、塾や学校のテキストだけを扱っていても、そういった力は身につけにくいのかなぁ、とも思いました。

 今は、パソコンやタブレット、スマートフォンを持っている方も少なくないので、動画などを補助教材として使うのも1つの方法でしょう。

 今回のnoteでは、またちょっと違った方向性といいますか……「図形(円やおうぎ形)」に関する問題を少しでも楽しい感じにできないかなぁと思い、工作してみました!

 このnoteが、誰かのお役に立てれば幸いです。


今回使用したもの

100均(セリア)で購入したデザインペーパー

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 とっても可愛い!!

と、一目惚れして、思わず購入したこちらのデザインペーパー。今回購入したのはケーキバージョンですが、ピザバージョンなど、他にも種類がありました。


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 今回購入したパックには上記の3種類が入っていました。見ているとお腹が空いてきますね……。とても美味しそうです!

 ケーキが好きな方、可愛いものが好きな方など、こちらのデザインペーパーを使って図形の学習を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 ちなみに、薄さはこんな感じです。

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 厚紙とかではなく、ペロンとそれなりに薄めなので、強度はあまり期待できないでしょう。使い方によっては、すぐにビリッと破れてしまうかもしれません。しかし、100円(+税)なので、必要に応じて買い直すなどしやすいのも魅力です。


レッツ!工作!

 まぁ工作といってもチョキチョキと切っていくだけなのですが。こんな感じに切り分けてみました!

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↑2等分(180°×2)


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↑3等分(120°×3)


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↑4等分(90°×4)


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↑5等分(72°×5)


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↑6等分(60°×6)


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↑8等分(45°×8)


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↑9等分(40°×9)


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↑10等分(36°×10)

※7等分は小数になってしまって切り分けづらいので、今回は作りませんでした。


作り方

①まず、デザインペーパーの中心を調べます。

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 作業しやすいようにマスキングテープでデザインペーパーを固定。適当な裏紙やコピー用紙を下敷きにします。
 デザインペーパーに弦を2本書き込みます。そして、それぞれの弦に垂直2等分線を引きます。
 垂直2等分線の交点ができましたね。これが、このデザインペーパー(円)の中心です。

(中学数学の作図の問題でこんな感じのものもありますね……笑)


②デザインペーパーを数枚キレイに重ねて、先ほど調べた円の中心にコンパスの針をグリグリ。まとめて複数枚のデザインペーパーの中心に穴をあけて印をつけます。1枚1枚垂直2等分線を引いて中心を調べるのは大変ですからね。

※コンパスの扱いには気をつけてくださいね!怪我をしないように。また、机を傷付けないように雑誌などを下敷きにするのが良いかと。


③分度器で角度を測りながら線を引いていきます。半径にしろ直径にしろ、しっかり中心を通るように注意していきます。2等分、3等分……と切り分け方を決めながら書き込んでいき、最後にハサミやカッターでキレイに切り離してみましょう。

※ハサミやカッターの取り扱いにも注意してください!怪我をしないように、机などを傷付けないように作業していきましょう。


 1人で準備するとなると、少々面倒な作業にもなってしまうと思うのですが、もし児童・生徒の皆さんが工作好きであれば、一緒に作ってみるのが楽しいのかなぁと考えています。デザインペーパーを購入する段階で、ケーキが良いのかピザが良いのかなど、選んでもらっても良いかもしれませんね!

 ※1パックに15枚(3柄×5枚ずつ)入っているので、2パック購入すると切り分けパターンも増やせるのでオススメです。


遊び方(使い方)のパターン

①角度の問題

 パズル感覚、クイズ感覚で遊びながら考えてもらうのが良いかと思います。
 例えば、いくつかの種類のおうぎ形をごちゃまぜにした状態で「キレイな円」を作ってみるゲーム。同じ形のおうぎ形を集めて円を作ってもいいし、違う形のおうぎ形を組み合わせて円にしてもいい。
 次に、出来上がった円の「角度」に注目してもらう。おうぎ形の1つ1つにあらかじめ角度を記入しておき、円を完成させた後「全部の角度を足したら360°になるか?」をチェックしてもらう。
 グルッと1周、円になったら360°。360°になったら、それは円。これを遊びを通して身につけてもらえたら良いのかなぁと。

〈違う形のおうぎ形の組み合わせ例〉

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 パッと見「円っぽいモノ」が出来上がっても、計算してみると360°にならない!ということもあります。「なんとなく」「それっぽい」で済ませない「考える練習」にも繋がればいいなぁと。


 他にも、1枚だけランダムにポンとおうぎ形を選んで「これは円を何等分した形になるでしょう?」というクイズはどうでしょうか。

〈例題1〉

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 360°÷45°で計算すれば、このおうぎ形が円を何等分にしたものなのかがわかります。答えは8。8等分した形です。

〈例題2〉

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 ではこちらは?中心の角度は72°と書いてありますね。このおうぎ形は、円を何等分した形でしょうか?どんな式で計算すれば答えが出てくるでしょうか?皆さんもよろしければ考えてみてください。


②おうぎ形の面積の問題

 中学校の数学では、おうぎ形の面積を求めるための公式も覚えることになりますが、小学生のうちは「公式」ではなく「工夫」で解いていくことになるでしょう。

〈今回工作したデザインペーパーを使ってできる練習例〉

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 青線で囲んだケーキ(おうぎ形)の1つ分の面積を求める問題。
 まずは、ケーキ全体(円)の面積を求めます。円の面積を求める公式は小学校の算数で学習します。

半径×半径×3.14=円の面積

ですね。

 円の面積を求めることができたら、次はわり算をします。ポイントは、そのおうぎ形が円を何等分したものなのか、ということです。上の〈例〉の場合は、10等分されたおうぎ形(1つ分の角度が36°)なので、

先ほど求めた円の面積÷10
=今回求めたいおうぎ形の面積


という計算で答えを出すことができます。


③おうぎ形の弧の問題

 ②と同じく、中学生であればおうぎ形の弧の長さを求める公式も習いますが、小学生だと「公式」で解くのではなく「工夫」で解くような問題、ということになるかと思います。

〈今回工作したデザインペーパーを使ってできる練習例〉

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 青線で囲んだケーキ(おうぎ形)の1つ分の弧の長さを求める問題。
 まず、ケーキ全体(円)の円周を求めます。円周の公式も小学校で学習する内容です。

直径×3.14=円周の長さ

ですね!
 
 円周を求めることができたら、次はわり算をします。ポイントは、そのおうぎ形が円を何等分にしたものなのかをチェックしてあげることです。上の例のおうぎ形は6等分されたもの(1つ分の角度が60°)なので、

先ほど求めた円周÷6
=今回求めたいおうぎ形の弧の長さ

という計算で答えを出すことができます。


 中学生の数学に登場するおうぎ形の面積や弧の長さに関する問題は、今回紹介したものよりも答えが少々複雑になることがあります(答えが割り切れない形、つまり分数の形の答えになることも……)。
 しかし、ここで練習する「おうぎ形の面積や弧の長さは、まず円全体の面積や弧の長さを考えてみると良い」というやり方・考え方は、後々おうぎ形の問題で迷ったときに役立つのではないでしょうか?


 今回のnoteはここまで。
 ただ教科書や問題集に向かって、例題や練習問題を「やらされている」だけ、「作業」のように機械的に手を動かしているだけでは「面白くない」と感じる方も少なくないでしょうし、知識や発想を身につけにくいと思います。
 しかし、図形の問題はパズル・クイズと同じような、頭の体操のような感覚のものが多いのです。楽しめる要素はたくさんあります。皆さんも、いろんなアイデアで楽しく図形に触れて、遊んでみてください!

 誤字・脱字や読みづらいところ、わかりづらいところは、見つけ次第修正・編集していきます。
 ここまで読んでいただき、ありがとうございました!よろしければ他の投稿もチェックしてみてください。



 このnoteではイチゴと生クリームのケーキ(のデザインペーパー)をメインに使っていきましたが、後日、他2種類のデザインペーパーもチョキチョキカットしました。

手作り副教材的なモノ!〜おうぎ形〜(おまけ)|さくらのはな🌸 @kokugo_nihongo|note(ノート)https://note.mu/kokugo_nihongo/n/ncc8cf56417f8

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