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サウナの“整う”を経験して魅力に目覚めた話

昔から少し憧れていることがあります。それは、サウナが好きなおじさんになってみたい、そしてサウナーがよく言う“整う”という状態にどうしてもなってみたいのです。

※サウナーとは、サウナが好きな人のことです。“整う”については後ほど

男ならば休日に、サウナに長時間入って水風呂に入る。それを何セットも繰り返し、日々の疲れを癒し明日への英気を養い、また忙しい日常に帰っていく。そんな日常を生きるのがカッコいい大人の男のあるべき姿ではないでしょうか。

■そんな持論を持つ僕ですが、めっぽうサウナが苦手だ。

サウナどころか長風呂すらできない。母親にはあんたの風呂は烏の行水か!と言われたことがある。

小学生の頃にスーパー銭湯でサウナに入ったが、暑すぎて1分くらいで出たことがある。友達と銭湯に行っても内心、みんな早く上がるって言い出さないかな、早く出てパズドラでもしたい、と何度も思った。

烏の行水【意味】入浴時間がきわめて短いことのたとえ。

水風呂に関しては全く意味がわからなかった。水風呂に入っている人に対して、この人たちお金払って水に浸かるってどういう神経なんだよ、お湯に浸かるために700円くらい払うもんでしょ。それなのに水に入るって。。と思ってました。

“整う”には水風呂が必要不可欠

まずは“整う”方法について解説します。僕の薄いサウナ知識の中で、これだけは知ってます。サウナと水風呂を繰り返すことにより整うことができる。

必要不可欠なのです。刺身には醤油、コーラを飲んだらゲップが出る。それくらい当たり前なことなのです。整うとどうなるのかはこれから体験します。

いざ行かん!スーパー銭湯へ

自宅から自転車で10分くらいのスーパー銭湯にやってきました。1年も住んでいるのに、何気に始めてきた。めちゃくちゃ立派な建物、サウナへの期待値もMAXキャッホーです。

浮かれて、たいめいけんの茂出木シェフの口癖が出てしまった。

訪れた時間は夜10時ごろだったにも関わらず、館内はそこそこ混み合っている。これはサウナー同士の陣取り合戦が繰り広げられているに違いない。

おめぇの汚いケツが触れたところなんて座れるってかバカヤロウ!とアウトレイジみたいな怒鳴り合いになっているはずだ。

その道の人たちの中にもサウナーは多いと聞いたことがある。以前、天王寺の銭湯でファッション系の刺青じゃない、本物刺青の人が入ってきて全く落ち着けなかった経験が脳裏をよぎったが、この銭湯の注意書きには刺青お断りだったので安心。これでサウナーデビューは安泰だ。

■風呂でまず、身体を洗ってサウナに備える。

人が多くて混みすぎておじさんだらけの押しくら饅頭だったら最悪だなと思ったけど、ちょうど風呂を上がるタイミングの人が多くて助かった。お客はおじさんよりも若い大学生くらいの年齢の人が多かった。

お風呂は何種類かあって立ち湯といって130cmの高さのお風呂や、サイダー風呂という健康に悪そうで何の味かわからない駄菓子屋に売ってるゼリーみたいな色の風呂があったりバラエティ豊かなお風呂があった。

今日のメインはこれじゃないので、一通りザッと入ってコンディションを整えつつサウナが空くのを待った。

いざ、サウナへ

この銭湯には2つサウナがあり、一つは写真にあるような普通のサウナ、もう一つがスチームサウナ。どっちがいいのかわからないかったけど、スチームサウナの方のドアが何故か小さい。

ロードオブザリングのホビット用なのかと思うほどだ。入ったら自分がガンダルフみたいになるのではと思ったが中の椅子は普通サイズ。

千利休が茶室の入り口をわざと小さく作ったように、サウナ発祥の地フィンランドのサウナマスターがサウナに入るときは誰でも全裸で頭を垂れよ!という教えを忠実に守っているのだろう。

僕は迷ったら面白そうな方を選ぶ人なので、まずはスチームの方に入ることにした。入ると先客が30歳くらいの人がいただけだったのでラッキー。そして、めっちゃ暑い。

スチームというだけあって、蒸気がすごくて呼吸がしんどい。苦しいし、暑いし、テレビも音楽もないので意識を他に向けることができない。まさに己との戦いでしょうか。

入って数秒で嫌になってきたけれど、先に入っていた30代男性より先に出るのは恥ずい。せめてサウナに入った感があるくらいはいておきたい。負けてられねぇ〜と思って待っていてもこの人、全然出る気配がない。

強い、これは整い慣れている人だ。頭にタオルを乗せて耐えている、減量中のボクサーのように見えてきた。スーパーライト級からライト級に階級を落として再起を願っている人だ。勝てないと思った僕はサウナを後にした。

いざ、水風呂へ

昔、サウナ好き芸能人であるサバンナの高橋が言っていた。水風呂に入る前はシャワーや、かけ湯をして身体についた汗を落としてから入るのがマナーだ。

これを思い出したので、サウナー達に迷惑をかける訳にはいかないと思いシャワーを浴びてから水風呂に向かった。

いきなり水風呂に入るのは危険なので、一旦、足に水をかけてみたが当然冷たい。カイジだったらキンキンに冷えてやがると言ってのたうち回るところだ。

すっごい冷たいものの歯を食いしばり我慢して、太腿くらいまでは使ったがここからが勇気がいる。女性の方はわからないかもしれないが、江戸時代風にいうとふぐり、つまり睾丸(キャンタマ)を冷やすというのに勇気がいる。

暑さに耐えて次は睾丸を冷やすことにも耐えないといけない。

辛い、泣きそうだけど、隣のおっちゃんは「気持ちええ〜」とどっぷり使っている。騙されたと思って僕も肩まで浸かった。平然とポーカーフェイスで浸かったが脳内では絶叫し悶絶している。

整え、整えと念じながら入る。そして思ったことは、

全く整わない、ただ寒い、早く出たい!整うって何よ!レゴで遊んだ後くらい散らかってる。おかんがレゴ踏んでキレられたときみたいな感じよ。無理や、死んでまう。

そう思い速攻で風呂に入って身体を温めた。整うって何なんだよ〜意味わかんないよ〜こんなに意味わからないものに出会ったのは高校数学以来だ。

リベンジ・ザ・サウナ

この程度の挫折で立ち上がらない男ではないのです。男というより漢と表現すべきでしょうか。次は普通のサウナに突撃じゃ〜討ち入りじゃ〜中に入ると先ほどよりは呼吸しやすいし、今度はTVが設置されていました。

さっきので少し慣れたのでマシな感じがしました。それでも暑いけれど、TVではダウンタウンなうが放送されていた。見ていると麒麟の川島がス○バは紙ストローに変えてから味が落ちたというフリートークをしていた。

川島さんのトークは高温に蒸された部屋の中でも安定の面白さと独自の着眼点があり引き込まれた。このトークが終わるまでは耐えようと思える。先ほどよりは確実に長く入れた気がする。体感時間では、5分くらいでしょうか。

そしてまた、水風呂へ入る。相変わらずの冷たさだけど、今度は体の芯がキュッとなってだんだんと温かくなっていく感じがした。蕎麦を湯がいて水で締めたような感覚だ。

ギューーーと内臓から締め上げられ、体内から口に向かって蒸気のようなものが出てきた感じがして、体が暑いとか寒いとかの感覚を失う。正座をして足が痺れたときに自分の足じゃないような感覚が全身に広がったような気がした。

もしかしてこれが整う???

まだわからなかった。でも不思議と1度目のような嫌な感じがせず、高揚感でいっぱいだった。水風呂を出てもしばらくはその感覚が続いて何をしたらいいのかわからずに無駄に歩き回ってしまった。

これが整うなのかもしれない、でもこれが正解かわからないし、もう一度やって確かめたい。人生初の3セット目のサウナに突入した。

最後はサウナに誰もいなかったが、僕が入ってからしばらくして2人組が入ってきた。僕は目が悪いのでサウナ内にある時計が読めなかったのですが、その2人組の会話を聞いていると「もう俺らが入ってから6分経ってるで」と言っていた。

圧倒的に成長している。最初は2・3分で限界を迎えていたのに今では気づけば6分も経過している。着実にサウナーとしてのステップを上がっている。

もうこれはTwitterのプロフィールにサウナ好きと繋がりたいと書いてもいいのではないかというレベルだ。

サウナを出たらまた水風呂が待っている。あれだけ嫌だった水風呂が楽しみになってしまった。ツンデレ系女子だったら、別にあんたのことなんて好きじゃないんだから!と言っているだろう。

〜三度、水風呂へダイブ〜

もはや何の抵抗もなく入れるようになった。最初に入ったときにおっさんが気持ちええええ〜と言っていたのがわかる。

気持ちがいい、水風呂に入っていると徐々に体が温かくなり、暑いとか寒いとか関係なくなるし、いろんなことがどうでもよくなる。脳が活性化されているのか逆効果なのかもよくわからない。

ただ今まで他では経験したことのないジャンルの快楽というのでしょうか。酒・タバコ・女では満たすことができない領域の快楽だと思います。

それを感じとった時に出てくる言葉、それが「整う」なのかもしれない。僕は風呂を出てからもその余韻に浸っていた。

整うのその先へ

整うを経験してサウナの魅力がわかったものの、これが本当の意味で整うなのかがわからない。ネットで調べても表現がバラバラで自分と合致する部分もあるけど、ピンとこないこともあるので前にサウナに行ったという先輩に連絡してみることにした。

その一歩先??

僕は一応3セットしたのですが、これでも足りないまだ先があるというのです。先輩が言うには、何セットも繰り返すと気持ち良さが半端じゃない領域まで達するらしく、先輩もまだ達したことがないらしい。

奥深い....サウナ道。

continue...

<おわり>
評判が良ければまたサウナについて書きます(笑)

サポートして頂ければ、そのお金でいっぱいご飯を食べます。(本当は将来のゲストハウス経営の為の軍資金にします。)