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「踊る大捜査線」青島と室井さんの関係〜「えんがお」濱野将行さんのしくみづくりを応援したいのはナゼ?

「踊る大捜査線」をご存じですか。
1997年にドラマ放映され、映画にもなった人気のあった作品です。

わたしにとっての名ゼリフ
青島「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きてるんだ!」
室井さんに被疑者を取り押さえる指示を求めるセリフ。
そして上層部とのやり取りが続いた後に
室井「青島、確保だ」

わたしだけでなく、多くのひとがこの「名ゼリフ」に感動を覚えているナゼに迫ります。


今日は人間関係や社会的行動の原理は交換で成り立っているという考えの紹介です。社会学者のホーマンズらが説いています。

あらゆる人間関係や社会的行動は、突き詰めれば交換であるとかんがえました。例えば、AさんがBさんに高価なプレゼントを贈った際に、Bさんが喜んで微笑んでくれたとします。このプレゼントを微笑みの交換において、Aさんはお金を支払うというエネルギーを消費しているのです。
そして、ホーマンズと同じく社会的交換理論を説くU・G・フォア(1916~1990)とE・B・フォア(1937~)は、交換されるもの(報酬・コスト)は具体的に「愛情」「サービス(奉仕)」「物品」「金」「情報」「地位」の6つだと考えました。

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ここで、青島と室井さんのこの場面の関係って「何を交換しあっていたんだろう?」と考えます。
室井さんが、青島に「確保」と命令するまでの間は「仕事=サービス(奉仕)」を「地位」と「愛情」のどちらに交換するか葛藤していた。
そして…「確保だ!」と最終的には「愛情」を交換したんです。

「愛情」以外の「サービス(奉仕)」「物品」「金」「情報」「地位」内での交換は比較的、イメージを想像しやすいと思います。
ナゼかは目に見えるから。
「愛情」は物質的には見えないものが多いですよね。その目にみえな愛情はより大きな、かけがえのない価値を生んでいるんです

ここで、生まれる関係性の重要さははホーソン実験が証明しています。

ホーソン実験とは1924年〜32年にかけて、シカゴ郊外にあった電話機メーカーのウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われました。

照明、休憩、賃金、作業時間などの物理的環境の変化が作業の生産性にどのような影響を及ぼすかを調べていました。
仮説は作業環境や労働条件を良くすれば、生産性が上がると考えていました。

ところが、照明を明るくしても、暗くしても生産性が上がってしまったのです。
つまり、物理的な環境や報奨金(金銭)は生産性にあまり影響しなかったのです。

さらに、働く環境が悪くても、意識やモチベーション、良い人間関係が生産性を上げることが分かったのです。

「意識」「モチベーション」「良い人間関係」を社会的交換理論にあてはめると、与えた、受け取ったものは「愛情」

その「愛情」に重きを置いたしくみ作りをしているのが
社団法人「えんがお」代表の濱野将行さん(栃木県大田原市)
そして、その見えにくい「愛情」を見える化している姿勢にも感動がありました。

「お金では手に入らない価値観を提供する」(目に見えない)
「成長の過程を言葉で伝える」(目に見える) 
  ※言葉は文字にすると目に見えます。


わたしは学生時代タイにボランティアに行ったことがあるんですが、
なんだかやり切った感というか、完結した感がなかったんです。もちろん、ボランティアに行く場所では終わりがないようなことばかりなのは分かってます。
よく、ボランティアが続かない理由は「燃え尽き症候群」と言われています。続かないではないし、このなんとスッキリしない氣持ちはなんだろうと思っていました。

その答えが分かりました。

それは「フィードバック」

ここでいう「フィードバック」とは相手に努力したことなどを承認してあげる行為ととらえてもらって大丈夫です。そして、その承認は必ずしもポジティブなフィードバックがやる気を高めるわけではないことや
結果に対するフィードバックよりも,プロセスに対するフィードバックの方が,やる気が上がりやすいということが研究を通して分かっているんです。

わたしが求めていたのはこの「フィードバック(目に見える化)」だったんですね。良い悪いもなく、ボランティアをおこなっていた過程や結果などに対してフィードバックが欲しかったんです。そして、当時フィードバックをしてくれた大人が居たらこのモヤモヤな氣もちは違っていたんじゃないかと思ってしまいました。
「成長の過程を言語化して手渡す」=フィードバック

大人になった今は、他者がいなくとも自分でもフィードバックしてあげるようにしようと思います。

小さな子どもや学生さんには、積極的にフィードバックしてあげられるといいですよね。

これが応援したい理由です。

濱野将行さんは2021年10月に本も出版されています。
「ごちゃまぜで社会は変えられるー地域づくりとビジネスの話」
読ませていただきましたが、事業内容はもちろん、大切にしてきたこと、作りたい社会など濱野さんの想いがいっぱい詰まっていました。
ユーモアセンスも交わって、とても読みやすい本でした。

社団法人「えんがお」さん、これからも応援しています!!


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