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小景 すい
2020年12月22日 20:14
ゆび先でかすかに触れたかなしみに「いいね」しかできなくってつらいもうぜんぶ気持ち悪くてだめ、あたしの知らないあたしだけ愛して気を抜くと心はドーナツになって 足踏みをしてしまえる今日だ「だれよりも早く起きて遅く寝ること」世界のひみつを知る方法十二月の格好したおっさんがすごい形相で走る冬の日オリオンに這わせた指から溶けだして心ばっかり碧くてだめだきみはまだ師走の風に吹かれてて
2020年12月22日 00:45
きっともうすぐ朝だから「会いたい」の気持ちに夜がついていかない 脱ぎかけの過去で蓋した 飲んだ水そのまま出てくるみたいな夜に「甘い」って味だから変 鼻をつく焦げた香りがそんな感じのポケットを逃げ出すカイロ貼りつけて こっそり上がる地球の温度たまにみじん切りにされる心から ため息みたいなしゃぼん玉帰り道 籠のたまごが跳ねるたび わたしの中で母が鳴いてるお湯はりのメーターひ
2020年11月20日 17:28
信号のボタン押したら手に入るそんな世界もあるって知ってた?面影がコップの底に貼りついて あと一口を残すきみの癖このとおり息も吸えない夜だから お許しくださいストロングゼロわたしたち間違えてたね いちばんに大事にすべきは自分だったのに撫でる風に冬の匂い タートルネックが汗ばんで 飽きないね、秋今もまだこころのなかに君はいて ひとつの枕を不思議がってるがんばって生きてるわたしを
2020年11月13日 14:04
まあるくてざらざらしててつめたそう かなしみの意思 かなしみの石すくったら指の隙間をすり抜けるつめたい雫に名づけよう「愛」といっぽんの煙草で朽ちた家があり 消し忘れたの火の消し方をオレンジの街が暮れたら赤緑 血糊をつけたサンタクローススコールが火照った心を冷ますから 傘のいらない雨の日もある一瞬は一瞬のまま微睡んで 光を呑んだ 淡い夢とおくやさしくて あたたかい あのぬるま
2020年11月9日 00:35
「好き」だけが降り積もっては溢れゆく 擦れる肩からふれあうゆびから照りかえす月の灯りが荒海をやわらかく凪ぐことも知らずにれいぞうこ ネギが窮屈そうにおり ドアを引くたび身構えており六畳の立方体に囚われて どこにも行けないわたしをどうする?わたしたちもう無理なんだね あつい背をなぞる夢すらさめてしまったぽたぽたと水滴石を穿つように緑がかったせかいにやられる喉のおく つっかえた
2020年11月9日 00:20
あふれてはこぼれおちてく言の葉をすくいとっても救いきれずに言葉だけ溢れてもむなしいばかりです 幸せになれないのなら(きみと)太陽のいない時間に起きちゃうし、きみがいうほどきれいじゃないよ食べる・寝る・書く・読む・話す・歩く ぜんぶつかれて、なんだっけ、休むってきみの黒いところをなぞる いつまでもぼくのために傷ついていてつかまえて離さないでいてあのときの気まぐれを運命だと証明して
2020年10月20日 10:14
2020.10.20 a.m.5:00 鴨川にて明け方、BGMはDAMチャンネルで、世界にふたりでもいいのになあ、白んだ空が青になり 鴨川はわたしをせかいでひとりにするまあ生きて、生きてゆきましょう 柴犬を散歩させるなどしながら鴨川、まじくそぬるかったです、指をにほん浸してみたんですけど見ず知らずのおじさんのために泣けそう、いろいろあったようですし鴨川は鴨がいるんで鴨川
2020年10月19日 01:06
ゆめであれ ひとひら千切って 嘘になれ こゆびの先から 火花かすかに酒を飲むそのたび死にたくなってしまう膝小僧しね脳味噌とけろいいよこの苦しみだって愛だってひとつ残らず詠んでやるから「おめでとう!」「びっくりした?」マンションは壁が薄くて今夜もひとりあしたなど止まない雨などなくていい ただこの一瞬息ができるなら退屈で美しいんだワンカップ、やわらかい風、めくる音とかみじかいき
2020年10月18日 00:55
#tanka つければ許される黒くよごれたわたしのこころ二十年生きても「おとな」になれなくて五十年後もそんな気がするれいぞうこ、あけてもみつからなかったな、いつかのわさび、わたしのいばしょキリトリセン切れたためしがありません はみ出つづけた人生でした傾いた地軸のように斜めだし、わたしひとごとみたいに恋する「きみが好き」言葉にすればあまりにもシンプルすぎてテンプレすぎて夜の風