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tanka #9 12.01〜12.13

ゆび先でかすかに触れたかなしみに「いいね」しかできなくってつらい





もうぜんぶ気持ち悪くてだめ、あたしの知らないあたしだけ愛して





気を抜くと心はドーナツになって 足踏みをしてしまえる今日だ





「だれよりも早く起きて遅く寝ること」世界のひみつを知る方法





十二月の格好したおっさんがすごい形相で走る冬の日





オリオンに這わせた指から溶けだして心ばっかり碧くてだめだ





きみはまだ師走の風に吹かれてて 睫毛を揺らす吐息は白く





かたちのないこころの縁へと子守唄 洒がれた闇さえ飲干して





眼の奥でなんだあなたか、揺れたのは。元気でやってるよ、そっちはどう?





対岸のしらない誰かに叫んだり、かわりに泣いてあげたりしよう





ねえ、いつか 追いかけっことかまたやろう、亀の石とか探したりしよう





きみのいない夜でも生きてゆけること 吸って吐いたら明日がくること





端っこのほうまでバター塗ってくれるやさしさが今日に沁みてゆく





鬱々とうつらうつらと ねえ、わたし息を吐くようにきみを殺せる





ゆっくりと瞼をとじるようにして 終わらせてまた、始めたりとか

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