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悪魔憑きと生命科学の革命
タイトルが刺激的なので、つい目をとめた記事があります。
タイトルのとおりですね。
自己免疫というのは、本来体内で悪い奴を退治する免疫機能が、健康な細胞まで傷つけてしまう、ある意味自傷行為です。1つ説明サイトをのせておきます。
悪魔憑きのケースでは、脳の神経細胞が異常をきたし、攻撃されてしまうというものです。統計的には、300万人に1人、日本でも年間1000人程度が発症しているらしいです。
この自分を傷つけるという奇妙な活動に直接的にかかわるのは、「T細胞」と呼ばれるものです。以前にもふれたので基礎事項はそちらにゆだねます。
上記記事後半にも書いている通り、T細胞自身が暴走(異物以外も攻撃)しないように、T細胞を抑える「Tレグ細胞(制御性T細胞)」というものがあります。
つまり、この細胞さえ制御できれば自己免疫疾患への治療につながりそうですね。
Tレグ細胞についても、とある日本人科学者が発見した経緯を過去にふれたので載せておきます。
世界的に注目されている(論文引用数が急増)Tレグ細胞ですが、つい最近こんなコラボレーション案が発表されています。
ようは、
iPS細胞からTレグ細胞に近いものをつくることに成功した、
という話です。
近い、というのがよくわからなかったですが、おそらくはT細胞を抑える機能を持ち合わせているのでしょう。
iPS細胞は、2006年に山中伸弥氏が発表した驚くべき細胞工学(遺伝子工学?)です。
すっかり有名になりましたが、改めて分かりやすく説明したサイトを紹介します。
成長した細胞を、山中因子を振りかけるだけで、初期のなんでも変化できる細胞に若返させるという夢の技術です。再生医療への期待がまずは大きいです。
ただ、簡単に書きましたが、やはり患者との相性はあるようで、そのパーソナライズ含めた品質管理はなかなか難しさもあるようです。
ところが、同じく革命的な遺伝工学技術、特にCRISPR-Cas9(とその系統)が登場して、簡単に遺伝子を編集することが出来る時代になり、両者がかけ合わさった新しいステージに進もうとしています。
これはよく「ゲノム編集iPS」と目にすることも増えました。過去にそれをテーマにした記事を載せておきます。
ようは、iPS細胞自体に遺伝子編集を施すことで患者に最適な材料にする、という技術です。
間違いなく、遺伝子と細胞工学の大発明が医療に革命をおこしているさなかですね。
エクソシストの方には申し訳ないですが、いつか悪魔憑き(自己免疫疾患の場合)が科学の力で撲滅されることを願っています。
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