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科学とアートの融合:細胞アートと初音ミクの心臓プロジェクト

以前に、アートを科学的に解析するという話題を取り上げました。

我々が美しいと感じるメカニズムを神経科学で掘り下げた研究を紹介しました。
アート作品は、アーティスト、つまり人工的なものだけでなく自然なふるまいも含まれます。

そんな背景で、面白い取り組みを見つけました。「細胞アート展」です。

この企画を主催しているのは日本臨床細胞学会(公益法人)で、下記が公式サイトです。

大阪・東京で展示会があるみたいで、都合があえば行ってみたいです。

関連で見つけたのが、「バイオアート」という造語です。これは1997年に提唱されたようで、1つだけ紹介サイトを載せておきます。

上記サイトで圧巻だったのが、「初音ミクの心臓」プロジェクトです。

初音ミクは、もう相当な有名人になりましたが、バーチャルシンガーです。

バーチャルなのに心臓?と思うかもしれませんが、iPS細胞から作られた心筋細胞に、人工的に作った初音ミクの遺伝子を組み込むことで、「初音ミクの心筋細胞」をゼロから生み出しました。

・・・すごい発想力です。

遺伝子は、日本人をベースに外見から推測される配列をつくったとのこと。当時の作者インタビュー記事がのこっていたので載せておきます。

このDNAを、iPS細胞、つまり赤ちゃん細胞に埋め込むことで心筋細胞に育て上げる、という流れなのでしょう。(実際にはそこまでやってないかなと思いますが)

上記を読み限り、狙いとしては、「生命と非生命・肉体と非肉体の境界は何なのか?」を考えさせたいとのことです。

いまから9年前(2015年)の企画としては斬新です。当時はしらなかったのですが、おそらくは賛否両論があったでしょう。(特にファンの心境が気になる)

ちなみに、このプロジェクトを展示した企画は石川県の美術館で行われ、今でもサイトは見れます。

展示会タイトルは「細胞の中の幽霊」。英語名は「Ghost in the Cell」となっており、バイオとアートの融合を目指しました。

おそらく英語名をみたら気づく方いるかもしれません。有名なSF作品「攻殻機動隊」の英訳「Ghost in the Shell」を意識してると思います。

作者のアーティストグループBCLは、バイオに関わらずサイエンスとアート・デザインのコラボレーションを方針にしているようです。公式サイトはこちら。

その作品に秘められた価値観や、作品をみてどう感じるかはぜひともどこかで体験してみたいです。

そして個人的には自分の細胞が動いている映像は怖いもの見たさで覗いてみたいですね。

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