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長年空想された「量子爆弾検知実験」を初めて実現

量子力学は原子より小さいサイズでのみ適用される超ミクロな法則です。

例えば、日常生活でボールをある方向になげるとそこにのみ到達します。
ところが量子力学ではそれがゆらいでいき、同時に波のような挙動も見せます。(どちらかに化けるのではなく、実験の仕方によって両方の性質が垣間見えます)

そんな量子力学で思考実験として長年構想されていたとあるケースが、初めて実験で成功しました。その紹介記事を載せておきます。

「量子爆弾テスター」と呼ばれるもので、下記の図で説明したほうが分かりやすいと思います。

上記記事内の図

状況を簡単に説明します。

2 つの廊下のうちの 1 つに爆弾があり、(量子効果が表れる)光子がこの廊下に向かうと、予想どおり爆弾が作動し、装置が粉々に吹き飛ばされ、どちらの検出器でも光子は検出されません。

しかし、光子が爆弾がない廊下を進むと、奇妙なことが起こります。

両方の回廊を進む際の光子の波動関数が、爆弾によって一方の回廊で短縮されます。そのとき粒子ではないため、波は爆弾を発射しません。
波の干渉は、粒子が D1 と D2 で同じ確率で検出されるように変更されます。したがって、D2 での信号は、物理的に相互作用することなく、光子が爆弾の存在を検出したことを意味します。

あくまで光子という超ミクロでの思考実験でしたが、なんと今回は日常の液滴で近い環境を作って再現した、というニュースです。

ようは、
「量子の世界に特有であると考えられている多くの例が、このような古典的なシステムによって再現できた」
ということです。

このように、従来は量子効果が表れないと思われていたシーンでその痕跡が確認できた、という実験はいくつか見つかっています。

2023年のノーベル化学賞も「量子ドット」効果で、ミクロの量子効果がディスプレイのような発光装置に応用されています。(まだ値段は高いですが普通に販売しています)

個人的に最も衝撃だったのが、我々の脳内でも量子現象がおこっているかもしれない、という実験結果です。

タイトルのとおりで、
脳内で量子もつれ(複数の素粒子が絡み合った状態で、どんなに離れても同時に干渉する不思議な遠隔作用で有名)現象が起こっているとしか思えない実験結果が確認されました。

これからもしかすると、測定装置の進化で解像度が上がり、日常生活での量子効果が確認できるかもしれません。

今は日常品でも「AI搭載」を掲げることが珍しくなくなりましたが、いずれは「量子搭載」がキャッチコピーになる日がくるかもしれませんね。

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