金星の雲に生命体が(続報)
火星の次に地球から移住出来る近場の惑星は「金星」です。
地球の大気は大体地表から15kmまでですが、金星は約 48 ~ 70 kmまで広がっています。
ただ、火星よりはその大気の構成条件が悪く、生命体がいる可能性は低いと思われていました。理由は大半が濃硫酸で満たされているからです。
それがこの数年の研究で、そんな雲の中で生命体が存在しうるかも?という記事を紹介しました。
ようは、
雲の中に生命の痕跡を示すアンモニアがあったので生命体がいるかもしれない、
という話でした。
生命の痕跡話はもう1つあり、エネルギー源リンの化合物「ホスフィン」の検出騒動もありました。こちらは過去記事紹介にとどめておきます。
今回の差分は1つ目です。こんな最新記事が飛び込んできました。
ようは、
地球上の生命にとって重要な要素が、金星の雲と同様の条件下でも生存できることを示した、
という話です。
生命有無を調査するときによく引用されるのは「水」の存在です。
金星は、大体地球と同じ時期に出来たとされ、太陽にわずかに近いがゆえに、遠い過去に水があったとしても蒸発して宇宙空間に散逸してしまったと考えられています。
ただ、冒頭の記事で(生命の痕跡)アンモニアが見つかってざわざわしていたところに、その理論的根拠となる説が唱えられました。
今回はより直接的な理論です。前述のとおり金星の大気は硫酸でおおわれており、一般的には生命にとっては劇薬です。
が、そんな過酷な条件下で、19種類のアミノ酸が生成しうることを示しました。元論文はこちらです。
そもそもですが、生命にとって必須のアミノ酸(たんぱく質の素)は20種類あると考えられています。
有機物としても複雑な部類で、それをはぐくむ役割としてはやはり「水」だろうと思われてきました。
水がなぜ生命に必須なのかについては、掘り下げた過去投稿記事の引用にゆだねます。
少し余談ですが、つい最近「水」が一滴だけでもゲットできると生命可能性を調査できる記事も最近出ています。
話を硫酸に戻します。
今回の実験では、硫酸下でもアミノ酸の骨子となる化学構造は壊れないことが示されました。
とはいえ、知的生命体がいる、というのは飛躍しすぎです。もしいたとしても微生物のような存在だと思います。
が、だとしても大きな一歩です。この試みは2025年1月にはさらに発展的な実験に踏み切るそうで、来年にはさらなる吉報が届くかもしれません。
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