ブランド価値=世間の評判
マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。
1.日本に昔からある無形資産「のれん」
「ブランド価値」「ブランディング」という言葉は、マーケティング戦略のひとつとして大手各社がCI(コーポレート・アイデンティティ)を導入しだした、1980年前後頃から使われ始めたようです。
当初は、ロゴやシンボルマークなどのビジュアルデザインが中心でしたが、現在は、企業そのものや商品・サービスに対する認知度や、良いイメージなども含めた、「人々の頭の中に形成される評価」に関することと認識されています。
それ以前には一般的に「ブランド」という概念は知られていなかったわけですが、日本には昔から、伝統の重みや得意先・世間からの評判などの無形資産である「のれん」というものがありました。
「ブランド価値向上」などとカタカナを使うよりも、我々日本人には「世間の評判を高める」「のれんの価値を高める」、逆に「のれんの価値を傷つける」と言った方がピンとくるかもしれませんね。
いずれにせよ、自分たちの「こうありたい」姿をイメージしないままPRを展開すると、いずれ必ず、知名度とブランド価値のギャップが生まれます。社会的な知名度が自社の目指す「ブランドイメージ=評判」と一致するような「意味のある知名度向上」を目指してください。
2.「真実味」と「信用度」がブランドに直結
テレビを見ていると、弁護士や医師、○○問題に詳しい専門家や評論家が情報難組などにレギュラー出演しています。テレビのギャラはせいぜい数万円。生放送は時間が固定されますし、事前の打ち合わせから収録終わりまで拘束時間は何時間にも及びます。
テレビに出たからといって、急にクライアントが押し寄せてくるものでもありません。彼らの本業の時給でみると、絶対に割に合わないはず。それでも専門家たちは「テレビ番組に呼ばれるほど有能は弁護士・医者」であり、「○○分野のエキスパート」であるという業界内のポジショニングを得るという目的でメディアに登場しているんです。
人は、ちゃんとしたマスメディアから流れてくる情報は、おおむね信用します。ということは、テレビや新聞に登場する人や会社は“それらしく見える”。極端な言い方ですが、人は「本物に見えれば信用してくれる」んですね。
CMや通販番組で紹介される「オススメ商品」と、ニュース番組の中で客観的な情報として報道される「巷で評判の商品」の最大の違いは、この「真実味」と「信用度」です。
3.縁がなかったところからオファーが来る
マスメディアに取り上げられることで得られる効果は、まずターゲット市場の中で、あなたの会社の評判が高まり、「○○分野のエキスパートであり、信用・信頼に足る会社である」という認識が次第に広がっていくことです。
マスメディアに登場することで、市場・業界の中でのポジションが高まると、それまで全く縁がなかった方面から声が掛かってくるようになります。
たとえば・・・
「○○という技術を持っておられるなら、当社の△△の開発に協力してもらえませんか?」
「今年度、県が表彰する『○○大賞』の候補に推薦したいのですが」
こうしたひとつひとつのオファーをきっかけに、新たな出会いが生まれ、全く新しいストーリーが展開していく。これが、中小企業にとってのブランド価値。
必ずしもカッコイイマークやロゴデザインを作ることがブランディングではないんですね。
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