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『詩』ランウェイ

ステージに立つ
とたんに足が震えだす 舞台裏で
何度も人という字を書いて
ボクは飲み込んできたはずなのに
鏡を見ては 指先で
口角を上げてきたはずなのに


シーリングに
フロントライトにサスペンションに
それからたくさんのフラッシュに
BGMは フラワーシャワーのように降り注いで
ハイテンションに
みんなの心臓まで踊り出す
足を踏み出してもいないのに
暑いのはライトのせいかしら?


大丈夫、と頭のなかで声がする
ガンバッテ! と
本物の声がステージに飛ぶ たくさんの眼が
ボクを見ている
ボクを見ている
歩き出さなくちゃいけない、歩き出さなくちゃ!


頭を上げて
ボクはまっすぐ前を見つめる
果てしなく続くように見えるランウェイが
ボクの眼の前に伸びている 客席を
ボクはぐるりと見回してみる
BGMに合わせて
手拍子や
足拍子や
振り上げたこぶし
体全体で
みんながリズムを取り始める
楽しくなって
心地よくなって 爪先で
ボクもリズムを取り始める
歩き出さなくっちゃ!


ボクはランウェイに飛び出してゆく MCの女性が
慌ててボクを押さえようとする
でももう間に合わない
ランウェイは文字通り滑走路だから
GOサインが出た飛行機のように ランウェイを
足が勝手に走りだす
ステージも観客席も出演者も
みんな一緒だ 誰一人
ボクは置いてきぼりになんかしない!


カラフルなウェアを身に纏って
両腕を広げてボクは走る
出演者も観客も BGMにスポットライトに MCの
きれいなおねえさんまで乗せて
ランウェイをボクは走る
徐々に気分が高まって
腕いっぱいに風を受けて
ランウェイの先端から ステージの外へ
ボクは舞い上がってゆく みんなと一緒に
誰一人 見捨てたりなんかしやしない
さあ、急いで会場の扉を開けて!
どこまでも
ボクらは一緒だ




コニシ木の子さんのこちらの記事・画像を拝見して生まれた詩です。

生まれた、というか、本当に、書かされた、といった感覚? 考えるより先にできていた、というのが正確かもしれません。もちろん実際にステージを拝見したわけではないので直接関係はないけれど、インスピレーションとはそうしたものだと考えてます。ランウェイ=滑走路なので、全然比喩にもなっていないけれど(汗)。
さていかがでしょうか?

他の方の記事やnoteのページからインスピレーションを受けて詩作することがたまにあって、

その方が書かれたイメージや考えとは全く違っていたらどうしよう・・・とおもいながら、勝手に書かせていただいてます。今後もあるかとはおもいますが、気に入らなかったらごめんなさい。




今回もお読みいただきありがとうございます。
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