声ディネートプランニング

声ディネートプランニングでは音声の作品をメインに制作活動をしております。 この度、制作…

声ディネートプランニング

声ディネートプランニングでは音声の作品をメインに制作活動をしております。 この度、制作作品の小説版への動きに伴いましてnoteでの更新も行っていくことになりました。 小説の他にも当音声作品に関しての話などもできればと思っています。

マガジン

  • 小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

    『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運な少女ヤチヨを助け出すことに成功したサロスとフィリアは彼女の代わりに天蓋の中で姿を消す。 時は流れ、自警団の新人であったソフィも成長し、たくましくなっていた。 ソフィの助けも借り、ヒナタとヤチヨは変わらずサロス、フィリアの帰りを来る日も来る日も待ち続けていた。 そんな中、ソフィはかつて星の見える丘で出会った少女と運命的な再会を果たす。 6人が織りなす物語。 願いは力に、約束は誓いに、ひとりはやがて縁となる物語はやがて終わりを告げることとなる。 天蓋の空想物語はここに完結。 完全オリジナルのローファンタジーものになります。 作:小泉太良 表紙絵:花圃様 原案:声ディネートプランニング

  • 小説「双校の剣、戦禍の盾、神託の命。」

    声プラが贈る、小説と音声ドラマによって紡がれていくファンタジー作品 ~あらすじ~ その国の名はシュバルトメイオンと呼ばれていた。  国内には東西に分かれた学園があり、互いに競い合いながら国に仕える騎士を育成を行う環境があった。 その双校制度の中で学園の生徒として過ごし、騎士を目指している者達。 ある者は目指すべき事の為に ある者は守るべき者の為に ある者は強くなるために 様々な者達の想いが二つの学園で交錯する時 伝承でしかなかったはずだった物語は彼らの現実となってゆく BOOTHショップ内には音声ドラマ キャラクターエピソードシリーズもvol.3までリリース中 声プラショップ https://koedinate.booth.pm/ 企画:声ディネートプランニング 執筆:新野創

  • リーディングカンパニーくらじぇむ(声プラ管理の声優団体)

    こちらの記事は 声ディネートプランニングが管理している声優団体 リーディングカンパニーくらじぇむ の関連情報マガジンです。 くらじぇむのメンバーへの音声のご依頼なども受け付けております。 一部SOHO収録可能なメンバーもいます。 また、声プラスタジオでの一括収録なども対応ができますので、声周りでお困りの方が居ましたらぜひご相談ください。

  • 新野創の制作ブログ

  • 短編ボイスドラマ(声プラWS作品など)

    声ディネートプランニングのワークショップにて制作された ボイスドラマの短編が聞けるマガジンになります。 声プラの音声コンテンツを楽しむ為の入り口としていかがでしょうか? こちらの短編は基本的に無料で聞けるものとなります。 気になった方は有料のコンテンツも是非お楽しみくださいませ。 更新頻度はWSの開催の後になったりしますので高い頻度ではないランダムな更新となりますが、声プラの魅力は感じられる短編作品となっていますので、ぜひお楽しみください。 また、随時ワークショップ(有料)は開催されたりしておりますので、そちらの募集情報もnote内の別マガジンがありますのでご興味がありましたらそちらも確認してください。 特に声優を目指す人や、仕事のレベルにまだ届いていない方の経験蓄積の場としても非常にオススメの環境です。 それでは 声プラの音声のみで楽しむ想像の物語の世界をぜひお楽しみください。

記事一覧

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)08

「ずいぶんと派手にやられているな」 「……あなたは……? ボクは確かサロスさんと……」  ソフィが見回した景色。  それは、先ほどのサロスと戦っていた場所とは異な…

174 くらやみぜつぼう

 声の出ない女性と動けない自分が隣り合わせに天井をみつめている。  わたしのなまえはリニア。  身体が動かず、このベッドで隣にいるメリアさんと一日の大半を過ごし…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)07

 サロスはソフィを連れ、ヒナタの家から少し離れた所にある広い草原へとたどり着いていた。 「うっし。この辺で良いだろ」  サロスがニヤリと後ろを付いて来ていたソフ…

173 他者への興味

「ここから先はどうだ?」  周囲を調べに行ったフェリシアが戻って来る。まだ少し緊張感が残っている。おそらくはあの女がまだ戻って来る可能性を拭えずにいるのだろう。…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)06

「それって誰か試したのか?」 「……はぁっ!?」  突拍子もない一言に思わずアーフィが声を荒げる。 「だから、マザーってやつを誰かがぶっ壊したことってあんのかな…

172 ルミニアのうた

 視界に入ったその男の表情をウェルジアは知っていた。かつて自分もしたことがある顔。自らの不甲斐なさ、力の無さを呪うようなその表情。  後悔、苦悶、苦痛、絶望の入…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)05

「そぉら、行くゾォ!!」  バネのように、地面を蹴り飛ばしアーフィが二人へと急接近する。 「サロスっ!!」 「あぁ!!」  二人は咄嗟に腕の一部を変化させ、襲い…

171 五の剣と六の剣の心

 その男もまた孤高に生きる人間だった。不自由のない街で生まれ育ち、何の不満もなく生きて、いつしか理想を追い求めた。自分の心を魅了した剣へと捧げる時間。  既に剣…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)04

「私たちとそっくりの人……?」  話を聞いていたヒナタがポツリと呟く。 「信じられないと思うけれど、僕とサロスは確かに君とヤチヨに似ている彼女らに出会ったんだ」…

170 英雄の左腕だった男

 ウェルジアも二人から遅れてその足音に気付く。 (こんなに接近していたのに気配がない?)  明らかに学生とは異なるその風貌に警戒をせざるを得ない。この場所は人が…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)03

 盗賊のような者達の襲撃を受け自分たちの身に起きた不思議な力の発露に対してまだ受け止め切れない二人はそれでも情報を得るために歩みを進める。  その道中では何も起…

169 対ホワイトグリベア

 越冬中のグリベアは外気温が一定以上になると目を覚まして過ごすようになる。フェリオン領内の最北に位置するこの地域ではその活動開始の気温が他の地域より著しく低い。…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)02

「コニス……さんがいた場所と僕等がいた場所が同じかどうかはわからないけれど……とにかく、話を始めよう……僕等はその見知らぬ場所で気が付いてから、とにかく歩き始め…

168 未知のグリベア

 集団後方にいた生徒が何かに襲われて大きな悲鳴を上げると洞窟内へとその声は即座に響き渡る。  途端にパニックになる生徒達。後方へと光源を向けるリリアにフェリシア…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)01

「ヒナタ! おっかわりぃー!!」 「はいはい」  空になった皿を元気よく掲げるサロスを見て、ヒナタが苦笑いを浮かべる。  紆余曲折はあったが、今彼らは長い時を経て…

167 洞窟内探索

「ウェルジア君も洞窟の奥まで探索に行くんだよね」  リリアは心配そうに準備を進めるウェルジアに近づいて声を掛けた。 「暗くて見えんが誰だお前は」 「リリアだよ、…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)08

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)08

「ずいぶんと派手にやられているな」
「……あなたは……? ボクは確かサロスさんと……」

 ソフィが見回した景色。
 それは、先ほどのサロスと戦っていた場所とは異なる景色。

 周りは夜ではなく、明るい色調の鮮やかな……まるで夢の世界と形容出来そうなこの世とは思えないほど幻想的な場所だった。

 ソフィの脳裏に嫌な予感が巡って青ざめる。
 
 もしかしたらサロスと戦っている間に自分は死んでしまった

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174 くらやみぜつぼう

174 くらやみぜつぼう

 声の出ない女性と動けない自分が隣り合わせに天井をみつめている。

 わたしのなまえはリニア。

 身体が動かず、このベッドで隣にいるメリアさんと一日の大半を過ごしている。
 
「あ、う、あ」
「メリアさん? どうかしたんですか?」

 声を聴く事しかできないリニアがきいても、喋れないメリアさんはただ小さく呻くことしかいつもできない。

 意思疎通が出来ないはずのリニア達。
 
 けど、虫の知らせ

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)07

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)07

 サロスはソフィを連れ、ヒナタの家から少し離れた所にある広い草原へとたどり着いていた。

「うっし。この辺で良いだろ」

 サロスがニヤリと後ろを付いて来ていたソフィに笑いかける。

「あの……サロスさん」
「さ、はじめんぞ!」
「えっ!? あっ、はいっ! わかりました! サロスさん、よろしくお願いします」

 ソフィがサロスに向けて、綺麗な礼をする。
 サロス自身はこのようなかしこまった空気では

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173 他者への興味

173 他者への興味

「ここから先はどうだ?」

 周囲を調べに行ったフェリシアが戻って来る。まだ少し緊張感が残っている。おそらくはあの女がまだ戻って来る可能性を拭えずにいるのだろう。

 俺とてそれは同じだ。先ほどから変わらず周囲に意識を張り巡らせ続けている。

「まだ奥にも道は続いてるみたい。けど、探索はここまでにしたほうがいいね。逃げ戻った他の奴らも無事だといいけど」
「そうだな」

 流石にこれほどの異常な事態

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)06

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)06

「それって誰か試したのか?」
「……はぁっ!?」

 突拍子もない一言に思わずアーフィが声を荒げる。

「だから、マザーってやつを誰かがぶっ壊したことってあんのかなって?」
「お前は、何を言ってるんだ? マザーを破壊すれば俺たちは生きてはーー」
「だからよぉ、それを実際に試したことあるのかって俺は聞いてんだよ」
「おいっ! 俺と似た顔のお前。この男はバカなのか? まるで話が通じないぞ!!」

 そ

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172 ルミニアのうた

172 ルミニアのうた

 視界に入ったその男の表情をウェルジアは知っていた。かつて自分もしたことがある顔。自らの不甲斐なさ、力の無さを呪うようなその表情。

 後悔、苦悶、苦痛、絶望の入り混じった姿。

 大切なものを助けられなかったあの日が脳裏をチラついてくる。剣から伝わる彼の人生が決して軽くはない。あの頃の自分と同じ感情だ。

「チッ」

 九剣騎士に至った男の生き方になど興味はない、ないはずだった。それでも目の前の

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)05

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)05

「そぉら、行くゾォ!!」

 バネのように、地面を蹴り飛ばしアーフィが二人へと急接近する。

「サロスっ!!」
「あぁ!!」

 二人は咄嗟に腕の一部を変化させ、襲い掛かってくるアーフィの背中にある触手が放った攻撃を防いだ。

「ほォ。一発で終わると思ってたガ、まだ楽しめそうだナ」

 にやりとしてそのままアーフィが飛び上がると、空中で体を回転させて四方八方からの無数の触手攻撃を降り注ぐように二人

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171 五の剣と六の剣の心

171 五の剣と六の剣の心

 その男もまた孤高に生きる人間だった。不自由のない街で生まれ育ち、何の不満もなく生きて、いつしか理想を追い求めた。自分の心を魅了した剣へと捧げる時間。

 既に剣を振るう騎士が大幅に少なくなり始めていた時代。その到来。
 その中において自らの意思で剣を手にした一人。
 幼きあの日、初めて見たプーラートン・エニュラウスの剣舞の美しさに魅せられ、憧れと共に剣を握り始めた。

 しかし、その男は学園へと

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)04

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)04

「私たちとそっくりの人……?」

 話を聞いていたヒナタがポツリと呟く。

「信じられないと思うけれど、僕とサロスは確かに君とヤチヨに似ている彼女らに出会ったんだ」
「まっ、性格とかは流石に違ったけどな」
「そう……なんだ。ちょっと会ってみたいかも……」
「それで……そのアーフィはどんな人だったんですか……?」

 ソフィの発言にフィリアは目を閉ざした。

「……アーフィはその夜、いつもと同じ時間

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170 英雄の左腕だった男

170 英雄の左腕だった男

 ウェルジアも二人から遅れてその足音に気付く。
(こんなに接近していたのに気配がない?)

 明らかに学生とは異なるその風貌に警戒をせざるを得ない。この場所は人が到達する事が困難なはずのエリアにある洞窟のはずで誰かがいるなんてことはあり得ない。

「あらあら、こんなに簡単に倒されてしまったなんて予想外ねぇ」

 倒れている巨体をそっと撫でるとまるで霧のようにホワイトグリベアの身体は消えていく。

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)03

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)03

 盗賊のような者達の襲撃を受け自分たちの身に起きた不思議な力の発露に対してまだ受け止め切れない二人はそれでも情報を得るために歩みを進める。

 その道中では何も起きることはなかった。
 目に入る景色はこれまでとは別物で自分たちが一体どこにいるのか現段階では検討も付かない。
 
 しばらくの後、二人は小さな集落のような場所へとたどり着く。
 ポツリと幾つかの建造物が立っているがその建築方法などは想像

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169 対ホワイトグリベア

169 対ホワイトグリベア

 越冬中のグリベアは外気温が一定以上になると目を覚まして過ごすようになる。フェリオン領内の最北に位置するこの地域ではその活動開始の気温が他の地域より著しく低い。
 そこまで気温の上昇を伴わなくても起きてしまう事がある。とはいえ起きた直後には長い眠りで瘦せ細っているはずだった。事実、先ほど撃退した二体のグリベアはさほど大きな個体ではない。

 しかし、目の前に佇んでいる一体はといえば常軌を逸している

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)02

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)02

「コニス……さんがいた場所と僕等がいた場所が同じかどうかはわからないけれど……とにかく、話を始めよう……僕等はその見知らぬ場所で気が付いてから、とにかく歩き始めたんだ……」

 フィリアがゆっくりと話し始める。
 
 舞台は、ヒナタの家から殺風景なその場所へと移り変わる。

 サロスとフィリアはあてもなく、ただひたすらに道なき道を歩いていた。

「なぁ、フィリア。ここはどこなんだ?」
「僕が知るは

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168 未知のグリベア

168 未知のグリベア

 集団後方にいた生徒が何かに襲われて大きな悲鳴を上げると洞窟内へとその声は即座に響き渡る。
 途端にパニックになる生徒達。後方へと光源を向けるリリアにフェリシアは咄嗟に叫んでいた!

「リリア! いいか、絶対に灯りを放すな!! お前が灯りを落としたら終わりだ」
「ええっ、あ、はい!!」

 彼女の怒声に手が震えそうになるもリリアはギュッと唇を引き絞り、灯りを後方へと力強く振り向ける。

「なんだ?

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EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)01

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)01

「ヒナタ! おっかわりぃー!!」
「はいはい」

 空になった皿を元気よく掲げるサロスを見て、ヒナタが苦笑いを浮かべる。
 紆余曲折はあったが、今彼らは長い時を経ての再会を堪能していた。

 ヒナタの家に着くなり、コニスの「お腹が空きました」の一言からそれに続くようにサロスが「俺も~」と続き、そんなサロスをたしなめようとしたフィリアのお腹も遠慮がちにくーと鳴りはじめ、それを見たヒナタとヤチヨが笑い

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167 洞窟内探索

167 洞窟内探索

「ウェルジア君も洞窟の奥まで探索に行くんだよね」

 リリアは心配そうに準備を進めるウェルジアに近づいて声を掛けた。

「暗くて見えんが誰だお前は」
「リリアだよ、そろそろ声で分かってよ!」
「悪かった」

 暗がりで息をひそめる生徒達の中でリリアはそう言われプンスカした声を上げる。既に自分の事を知っているはずなのにウェルジアは毎回、このような対応をしてくる。
 最初はわざとだと思っていたが最近で

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