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小説「天蓋のジャスティスケール」試読版

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『天蓋』 その場所は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担うことになる。 これは、選… もっと読む
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記事一覧

Eighth memory 13 (Conis)

「いけぇっ!!……エスシー……」  オービーがワタシの背中を軽くトンっと押します。ワタシ…

Eighth memory 12 (Conis)

「ロストナンバー……ゼロ……」  オービーが、その邪悪な笑みを浮かべた彼の名前をぽつりと…

Eighth memory 11 (Conis)

 辿り着いた場所、マザーのいる揺り籠。  その日はいつもと雰囲気が違っていました。奥に近…

Eighth memory 10 (Conis)

「!?」  それは一瞬の出来事で視線に驚愕の色が浮かぶ。ヌルの狙いとは異なる想定外の光景…

Eighth memory 09 (Conis)

「まずは……そうだな……お前たちはそもそもエルムとはなんだと教えられている?」 「侵食が…

Eighth memory 08 (Conis)

 ワタシとオービーが揺り籠へ向かう道中、奇妙な光景を目にしました。  それは道行く道で大…

Eighth memory 07 (Conis)

 オービーが槍を元のキラキラした何かに戻すと、突き刺さっていた人の身体がドサリという音と共に地に落ちたのが見えました。  その様子を横目に既に体の大半が変化し全身がトゲトゲしていてキラキラする塊となった暴走した彼は、特に明確な意思もなく本能を剥き出しのままオービーの方へと突進して行きました。  既に先ほどまでの状態から逸脱し、迫りくるその異形の存在となった彼はどこか苦しむような奇声を上げています。  オービーはさっきまで彼らが使用してたキラキラ光る何かを転がりながら拾い

Eighth memory 06 (Conis)

「オービー、あれはなんですか?」  ワタシはごろごろと寝転がりながら上空の光り輝く物体を…

Eighth memory 05 (Conis)

「何故、追いかけてきた? エスシー?」  突き放すような言葉を発しているはずなのに、オー…

Eighth memory 04 (Conis)

「……SC-06君に理解できるかはわからないがその問いに答えてやろう……それはマザーが君たち…

Eighth memory 03 (Conis)

「SC-06は甘えん坊なのですね」  そう言って、マザーがぽかぽかしたその手でワタシの頭をよ…

Eighth memory 02 (Conis)

「着いたぞ、だが気をつけろよエスシー……その辺は、足場がーー」 「わっ!!」 「っつ!! …

Eighth memory 01 (Conis)

 ワタシが生まれた場所。  そこには日々、たくさんの動かなくなってしまった『誰か』がいま…

Seventh memory Last

「……私を? 良いのですか? 選人の選定というのは大いなる意思が選ぶこと……私がいなくなればその声の導きを知ることすらーー」 「黙れ!!!! 天蓋に関するあらゆる権限は第零団団長であるこの僕にある。それはもちろん、シュバルツ貴様に関してもだ」 「……少し、頭を冷やした方がよろしいのではないですか? あなたは、今やこの自警団の団員をまとめる一団長、いえ、今やお父上の後を次ぐ総団長なのですから……」  シュバルツはにやけた笑みを浮かべて、殴りこむように彼の部屋へ乗り込んでき