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小説「天蓋のジャスティスケール」試読版

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『天蓋』 その場所は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担うことになる。 これは、選… もっと読む
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記事一覧

Fifth memory (Philia) 02

「心配、しすぎたかな」    部屋の片隅で静かにしていた兄さんが、僕にそうぽつりとつぶやい…

Fifth memory (Philia) 01

「嫌だ! フィリア!! フィリアァァ!!!」    ヤチヨの泣き叫ぶ声が聞こえてくる。  …

Fourth memory Last

 それからの日々は本当にあっという間に過ぎ去っていった。  サロスと共に子供たちと過ごす…

Fourth memory 20

 子供たちを寝かしつけた後、あたしは、サロスを自分の部屋に呼んだ。  今回もこれまで通り…

Fourth memory 19

 光が、視界が段々と晴れていく。目をゆっくりと開けるとそこは、これまでと変わらない始まり…

Fourth memory 18

「ヤチヨ……私、待ってるから」 「うん」    本当に短い、そんな別れの言葉をかわす。  …

Fourth memory 17

「それはそうよ……だって……正直、冗談の一つでも言わなきゃ、今にも暴れだしちゃいそうなくらいには動揺、してるわ」 「えっ? 本当?」 「なーんてね、うーそ」  真剣な顔をしたかと思うとぺろりと舌を出してはにかむヒナタにあたしはへなへなと脱力してテーブルに突っ伏した。 「もー! これ以上、茶化さないでよ」 「ごめんごめん」 「まったく……」  顔を上げるとヒナタが、楽しそうにおどけて笑っている。  こんなヒナタを見るの随分、久しぶりな気がする……。 「でも、今、ヤチヨが

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Fourth memory 16

 その先の未来は今までと同じようで、でも今まで変えられなかった何かを変化させた。  みん…

Fourth memory 15

 まず1つ、サロスは、「さいわいをよぶもの」と呼ばれているらしき物に関連する不思議な力を…

Fourth memory 14

「はっ!!……はぁはぁ、ッッはぁ」 「ヤチヨ!? どうしたの? すごい汗よ。大丈夫?」  …

Fourth memory 13

『ヤチヨ!! だいすきだ』 『サロス!! サロス!!!』  脳裏に残るその声。   『ヤチ…

Fourth memory 12

『やち、よ?』 『……天蓋の外に出てきた? じゃあ、ヤチヨの役目は……』 『サロスゥ!!!…

Fourth memory 11

 その夜、あたしはアカネさんから言われたことやサロスの未来を決定づけるような発言には慎重…

Fourth memory 10

「そうか! よろしくな! ピスティ!!」    サロスが満面の笑みを浮かべる。  それと同時に、差し出された右手をあたしは両手でしっかりと握った。  大きく、暖かい手だった。子供のころは、この手の温もりはあたしのそばにいつもあった。  そして……この笑顔だ。  あたしがずっと見たかったサロスの顔だ。  アカネさんのように太陽みたいにキラキラとした眩しい笑顔。  こんなサロスの笑顔を見たのは、何年振りだろう……。    天蓋の中に消えて行くあの最後の瞬間も、こんな笑

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