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小説「天蓋のジャスティスケール」完結編

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『天蓋』 は、選ばれた『選人』とそれに関わる人間しか入れない特別な場所。 選人は天蓋の奥深くに封印され、わざわいをよぶものを封じる蓋の役割を担う。 選人に選ばれてしまった不運…
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記事一覧

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)07

 サロスはソフィを連れ、ヒナタの家から少し離れた所にある広い草原へとたどり着いていた。 …

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)06

「それって誰か試したのか?」 「……はぁっ!?」  突拍子もない一言に思わずアーフィが声…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)05

「そぉら、行くゾォ!!」  バネのように、地面を蹴り飛ばしアーフィが二人へと急接近する。…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)04

「私たちとそっくりの人……?」  話を聞いていたヒナタがポツリと呟く。 「信じられないと…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)03

 盗賊のような者達の襲撃を受け自分たちの身に起きた不思議な力の発露に対してまだ受け止め切…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)02

「コニス……さんがいた場所と僕等がいた場所が同じかどうかはわからないけれど……とにかく、…

EP 06 真実への協奏曲(コンチェルト)01

「ヒナタ! おっかわりぃー!!」 「はいはい」  空になった皿を元気よく掲げるサロスを見て、ヒナタが苦笑いを浮かべる。  紆余曲折はあったが、今彼らは長い時を経ての再会を堪能していた。  ヒナタの家に着くなり、コニスの「お腹が空きました」の一言からそれに続くようにサロスが「俺も~」と続き、そんなサロスをたしなめようとしたフィリアのお腹も遠慮がちにくーと鳴りはじめ、それを見たヒナタとヤチヨが笑いながら張り切って料理を作った。    そして、食欲全開のサロスとコニスによってヒ

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)07

 絶望的な状況のなかでヤチヨの脳裏にサロスの姿がよぎる。  いつだって自分がピンチの時に…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)06

「具合はどう?」 「うん。もう、大丈夫……」  時間は少し遡る。ソフィがコニスを追い、天…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)05

「ずいぶんと到着が遅かったですね。ゼロ」 「……」  コニスを掴み上げ拘束しているゼロと…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)04

 ゆっくりとこちらを見定めるように、その巨体は一歩、また一歩とコニスに近づいてくる。  …

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)03

「ソフィどうぞ」 「えっ!? あっ、ありがとう」 「?」  コニスがことんと控えめに目の前…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)02

「もー!!! あっ!! それより、ソフィはどうなの?」 「えっ!?」 「好きの話。あたし、…

EP 05 炎と氷の助奏(オブリガード)01

「ソフィ、それはなんですか?」 「これ? これはねーー」  自警団を襲撃した謎の緑の存在が現れてから数日経った頃。  あの存在達がそれ以降、姿を見せることはなかった。  しかし、甚大な被害を受けた自警団全体は未だにその機能を失ったままである。    特に復旧に際して問題なのは、人材、とりわけ団長不足。  大勢いた自警団員をまとめるための団長たちのほとんどがその役割を果たせずにいた。  体を侵食されたまま、意識がまだ戻っていない人間も大勢いる中で特に痛手となっているのは、