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お金だけじゃない。お客さまが感じる「痛み=コスト」を和らげるいろんな方法

このご時世です。値上げをする代わりに、なんとかして商品やサービスの価値を上げようと試行錯誤するのは、お店を営むものとして当然の試みだといえます。

とはいえ、やれることはほとんどやり尽くしていて、もうこれ以上できることはない!というところまで来ている人も多いのではないでしょうか。

そういった場合、ちょっと視点をずらしてみるといいのかもしれません。価値を上げるのではなく、お客さまが感じる「痛み」に目を向けてみるのです。


お客さまの満足度は、コストと価値の差額で決まる

痛みとは、つまりお客さまが支払う「コスト」のことです。

実はお客さまが代金を支払うときって、肉体的な痛みを感じたときと同じ脳の部位が活性化するらしいんです。「痛い出費だった」なんて言ったりするように、まさしくコストを払うことは、消費者にとっては「痛み」なんですよね。

値上げのためのマーケティング戦略(菅野誠二)」によると、お客さまの満足度は、そのコストと価値の差額で決まるとのこと。

たとえば、すごく美味しい料理をたらふく食べたのにたったの1000円だった、というような場合、コスト(1000円)と価値(美味しさ&ボリューム)に大きな乖離があるので、満足度も大きくなるという理屈です。つまり、こんな式を作ることができます。

お客さま満足度=価値ーコスト

お客さまの満足度が高まれば、単純に売り上げがあがると考えられます。そのためにはなるべく価値とコストの差異を大きくしたい。

ところが冒頭でお話ししたとおり、多くの商品やサービスはすでに価値の向上がこれ以上できないほどやり尽くした感があります。そうなると、改善できるのはコストの部分です。

ただしコストを改善すると言っても、単に価格を下げるだけだとただの安売りになってしまいます。

ただでさえどの業界でも仕入れ値がグングン上昇している昨今。値上げして当たり前のこの時期に値下げをするなんて、自分たちの首をさらに締め付けるだけです。

じゃあどうすればいいのか。価値を上げることが限界にきているなら、お客さまの「痛み」を少しでも軽減することはできないでしょうか。

たとえば値段を下げなくても、「安く感じさせる」ことで少しは痛みを和らげることができるかもしれません。

値下げせずにコストという「痛み」を和らげるには?

値段を下げずに「コスト」という消費者の痛みを和らげるには、実はいくつもの方法があるんですね。

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