【政治】本質の問題とは。暴言・体罰が生まれた背景 ~明石市長選より~
真面目記事です。地方の市長選挙から、現代日本の問題を考えましたので、読んで頂けましたら幸いです。
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【首相は、この市長選挙に何を感じたのか】
3月17日に投開票された兵庫県明石市長選は、出直し立候補した前職泉氏が、告示3日前の表明にもかかわらず圧勝しました。
明石市は決して大きな自治体ではありません。
この選挙は、日本の政治に大きな影響を与える選挙ではなかったかもしれません。
しかしこの選挙結果から、『政治』の本質、民意といったものが見えてくるのです。
*私は、今回の件で、「明石市長・泉氏の暴言は、市民の命を守るための正論」だと認識しております。
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【発端の暴言問題とは】
この選挙の発端は、泉市長の暴言問題です。
そして各メディアは、泉市長をこれでもかというほど、叩きに叩きました。
泉市長は「暴言」の責任をとって辞職し、この度の選挙が行われたわけです。
さて、ここで暴言「火を付けて捕まってこい」、が発せられた経緯について考えましょう。
簡単に言うなら、道路拡張工事が異常に遅れていて、市長はそのことについて担当職員を叱責したわけです。その叱責がさきほどの暴言なわけです。
では、その道路拡張工事について詳しくみていきましょう。
<2010年>
国道2号明石駅前交差点の拡幅工事の事業化を国が決定
⇒そもそもこの工事の決定は、国。日本政府の国土交通省です。
<2012年>
国の委託を受けて明石市が用地買収交渉開始
⇒明石市は、国から指示されたので、拡幅工事のために用地買収を始めたわけです。
道路を拡幅するためには、周辺の土地を買収する必要がありますが、この「用地買収交渉」というのが難航することが多い交渉でして。
元々の持ち主さんの中には、その土地をどうしても売りたくないという方もいますからね。
財務省と国交省、そして首相が絡んだ疑獄事件、「森友学園事件」も、もとはといえば、空港周辺の用地買収が絡んでおり…
長くなりそうなのでここは割愛します。
<2015年>
対象の交差点付近で単車同士が衝突する死亡事故
⇒この事故は市長の暴言の大きなファクターになっています。
つまり、対象の道路は、非常に危険な場所なわけです。
ですから、早急に用地買収交渉を終えて、拡幅工事を進める必要があったのです。
しかし…用地買収交渉は一向に進みませんでした。
<2017年>
交渉の遅れを巡って、用地交渉の担当職員に暴言
⇒辞任のきっかけになった暴言はここですが、暴言は2017年のことです。
さらに、この後、事業は急速に進み、暴言のきっかけになった用意はすでに立ち退きが完了しているようです。
しかし、暴言が明るみに出て、メディアが騒ぎ始めたのは、2019年になってからです。
なぜ、その時ではなく、今頃問題になったのでしょうか。
さらに、明石市では、泉氏の前任の北口元市長も音声テープの流出がキッカケで退任に至っています。これは何か怪しいのでは…
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【流出した暴言テープの内容とは】
2年前の暴言が流出して、辞職につながる大問題になっているわけです。
音声の内容を端的にまとめると、
「あっこの角で人が巻き込まれて死んだわけでしょ。だから拡幅するんでしょ」
そして、担当職員を叱責していきます。
内容を確認すると、担当職員は、用地交渉をほったらかしにしており、約7年間もほとんど進んでいなかったようなのです。
市長はその件について激怒し暴言がでていますが、これはあたりまえのことではないでしょうか。市民の安全にかかわる重大な仕事を怠慢に行っている部下がいれば、誰だって叱るでしょう。
また、暴言のあったあと、市長と叱責された職員は、その20分程度話し合って和解しています。
そして、市長は最後に、
「市民の安全のためやないか。そのためにしんどい仕事するんや、役所は」と諭すような言葉でその職員に訴えているのです。
たしかに暴言はいけません。
泉市長は成人式の式辞でも、「ざわついていて、みなさんの態度はなっていない。式典に多大な税金を使っているが、来年以降の取りやめを考えたくなる」と声を荒らげた、とネットで批判されています。
しかし成人式に関しても、正論ではないでしょうか。
市長も暴言については謝罪しており、「怒りをコントロールできなかった」「道路行政など苦手な分野を放置した」などとおっしゃっています。
ただ、怒りのコントロールは誰だって難しいでしょう。
人間だもの。(みつお)
アドラー心理学やら、6秒待とう、とか。多少の知識があっても、怒ってしまうときは怒ってしまうのです。
織田信長だって、明智光秀に、「このきんか頭が!」と叱責したり、豊臣秀吉に「禿ねずみ」と罵ったりしていますから…
たしかに、市のトップだから発言はもっと丁寧に、という批判はわかります。
しかし、人間ですもの。
批判を怯えて顔色伺う言葉ばかり使っているトップよりも、正論をズバッというトップのほうが人間味があってよい、と個人的には思っています。
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【メディアの報道は事実の一部しかピックアップしない】
泉市長の暴言は、職員の重過失、怠慢への叱責です。
大前提として、市民の安全を守るという使命感があるわけです。
しかしメディアの報道は、これらの背景を伝えません。
長いテープの中から、「暴言の一部分だけを引き抜いて」そこを大々的に伝えるのです。
私は、体罰報道も同じ構図だと感じています。
暴言、体罰もちろんそれ自体は許されることではありません。
しかしその背景のファクターについても、もっと議論されるべきなのです。
「理由はなんであれ、暴言、体罰はダメ!」
これでは、根本的な解決にならないのです。
現に昨今の世の中は、バッシングを恐れて萎縮する雰囲気が漂っています。
もちろん市長の暴言も問題ですが、これを録音していて、
「市長選の直前にメディアにリークした職員」こそ責められるべきではないでしょうか。
これは市長を陥れるための重大な情報流出であり、極悪なリークです。
しかし、日本のメディアはそうはしません。
数々の功績を伝えず、一部分の失敗をクローズアップするのです。
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【明石市長の驚異のハートフル施策について】
私が悲しいことは、メディアは暴言の部分だけをクローズアップして、泉市長の功績をあまり伝えていない点です。
例えば、泉市長の8年間の政治で以下の政策が実施されました。
〇中学生まで医療費無料など子ども施策の充実
〇未払い養育費の防止&立て替え
〇手厚い犯罪被害者支援
→加害者の賠償金未払い防止&上限300万円まで立て替え
→被害者の生活支援
〇6年連続の人口増
人口減の日本で、6年連続の人口増は素晴らしい結果です。
隣の神戸市でさえ、人口が減少している中、明石市に住みたいと思う人が多いということです。
明石市の躍進に焦っている神戸市は、垂水区や、三宮駅前の再開発を進めています。
(神戸市は一昔、関西空港打診を断って、大阪府の泉佐野市に関空が設置された流れがあるので、中日・宇野選手のヘディング並みの大失策がボディーブローのように効いていますね。神戸空港=関西空港なら、神戸市はもっと発展していたでしょう)
日本には1000を超える地方自治体があると思いますが、明石市は有数の住民に優しい自治体ではないでしょうか。
明石市は、子育て支援を重視し、人口増加に注力していました。
これは本当に素晴らしいと思います。
自治体、さらには、国家は、住民、国民がいないと成り立ちませんから、真っ先に人口対策に注力するのは賢明です。先見の明があると感じます。
だからこそ出直し選挙の前に、明石市内の女性を中心とした団体が、辞任した泉市長の立候補を要請する署名活動を始めたのです。また、泉氏が力を注いだ福祉政策の関係団体も加わり、計5千人分の署名が提出されました。
その結果、泉市長は「署名の重さに心を動かされた」と涙を流し、選挙告示直前、立候補を表明しました。
また、泉市長のオフィシャルサイトでは以下のように述べています。
「明石市では、これまで障害者、こども、高齢者をはじめ、 「人」に「やさしい」施策に積極的に取り組んできました。これらの施策が多くの人に選んでいただけるまちの魅力として、 人口の増加、にぎわいにつながり、まちの好循環がひろがっているところです。
「やさしいまち」というのは、みんなで支え合い、 助け合える居心地のよいまちであると同時に 「強いまち」であると考えています。
誰一人として排除するのではなく、 寛容に包み込む、 何かあったときにお互いさまと言えることが まちの強さのもととなると信じています。」
暴言の泉市長と、HPの発言の泉市長。
もちろんどちらも事実ではありますが、人口増や税収増などの実績は評価されるべきではないでしょうか。
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【有権者は暗愚ではないと証明した選挙結果】
メディアの暴言報道だけを鑑みれば、泉市長は「悪人」です。
出直し選挙でも落選となったでしょう。
しかし、選挙結果は圧倒的な大差で泉市長が当選しました。
誰がこの結果を予想しましたか?
明石市民はきっと、市長の実績を評価したのです。
スペインの哲学者オルテガは、1929年に出版された『大衆の反逆』で、大衆批判を展開しています。
しかし、今回の選挙で、大衆「明石市民」は賢明な判断を下したのではないでしょうか。
本当に大衆は暗愚なのか…
私はそれを考えてしまいます。
しかし、少なくとも、今の政権首脳部は国民を軽視しているでしょう。
さらに長くなりそうなので、別の記事にわけさせていただきます。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。
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